自動運転車の将来の普及に関する調査 

2015年01月09日
経営コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、自動運転車の将来の普及に関する調査を実施しました。

部分自動運転は2017年、完全自動運転は2025年に市場への導入開始。条件が整えば、2025年の自動運転車の販売台数は世界で1,400万台超へ
技術開発のトレンドと、自動運転技術の採用の可能性などを分析した結果、自動運転車の市場への導入時期は、高速道路・渋滞時の自動運転が2017年、都市部での自動運転が2022年、完全自動運転が2025年になると予測されます。
ただし、本格的に普及するまでにはサイバー攻撃への対策、法的責任の考え方など様々な問題を解決する必要があります。これらの問題を全て解決できたと仮定した場合、2025年の自動運転車市場は1,400万台を超える可能性があります。

コストが順調に低減すれば、2035年には自動運転車のシェアは世界の新車販売台数の25%に達すると予測
自動運転機能のコストは、発売当初は1台あたり2,000~10,000ドル(約24万~118万円)、最初の10年程度は年平均4~10%で下落していくと予測しており、この条件であれば事業として成立すると考えられます。適切な価格で販売することが可能になれば、2035年には新車販売市場の25%が自動運転車になると予測しています。

日本や西ヨーロッパでは、世界平均よりも早いスピードで自動運転車が普及する見込み
ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の現在の普及率が世界平均よりも高い日本、西ヨーロッパでは、自動運転車の普及も早く進むと考えられます。アメリカでは世界平均と同等のスピードで普及が進み、中国は世界の自動運転車の販売台数の25~35% を占める最も大きな市場になると予測します。

アメリカのドライバーのうち、部分自動運転車の購入を検討すると答えた人の割合は55%、部分自動運転機能に対して5,000ドル(約59万円)を追加で支払う意向があると答えた人の割合は約20%
アメリカのドライバーにアンケート調査を行ったところ、5年以内に部分自動運転車の購入を検討する人は55%、10年以内に完全自動運転車の購入を検討する人は44%でした(図表2)。また、部分自動運転機能(高速道路・都市部での自動運転機能)のある車に対して5,000ドル(約59万円)を追加で支払う意向があると回答した人は約20%でした。
自動運転車を買いたい理由1位は「保険料の安さ」、2位は「安全性の向上」、3位は「乗車している間に他のことができること」でした。

自動運転車による革命の1つとなり得る無人のロボタクシーの料金は、現在のタクシー料金と比較して25~35%安くなる
ロボタクシー(無人の自動運転タクシー)は、特に先進国の都市部に交通革命を起こすと考えられています。ニューヨークと上海をモデルにロボタクシーの経済性を分析したところ、現在のタクシーよりも25 ~35%安くなることがわかりました。上海では、乗客が1人であったとしても、ロボタクシーに乗車した方が所有している車に乗るよりも安いことがわかりました。


調査方法と定義
自動運転技術の分析、アメリカでの消費者調査(約1,500人のドライバーを対象、2014年9月実施)、世界各国の自動車業界/関連業界幹部へのヒアリング、専門書やデータの分析などをもとに調査を実施。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
リンク先リサーチPDF
[ボストン コンサルティング グループ]
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