「お薬手帳と新・医療控除」についての調査(20~60代女性対象) 

2016年05月18日
千趣会の「ベルメゾン生活スタイル研究所」は、「お薬手帳と新・医療控除」についてベルメゾンデッセ会員のみなさんにお聞きしました。

今年の4月に改定された診療報酬制度では、お薬手帳を持って同じ薬局に通うと支払う金額が少しだけ安くなるようになりました。また2017年度からは、1年間に薬局などで購入した市販薬が12,000円を超えると所得から控除できる、新・医療費控除が始まる予定です。そこで今回は、お薬手帳の利用実態と新・医療費控除制度についてベルメゾンデッセ会員のみなさんに伺いました。

調査は2016年4月13日~4月27日にインターネットで実施。20~60代女性3258名の回答結果を集計しました

【調査結果】

◆「健康状態がよい」2人に1人。

まず初めに、現在の健康状態についてみなさんに伺いました。その結果、全体の50.9%が「よい」(「よい」22.7%、「わりとよい」28.2%の合計)、30.1%が「ふつう」と回答しました。年代別でみると、よいと感じている人が最も多かったのは20代の69.9%(「よい」36.6%「わりとよい」33.3%の合計)。反対によいと感じている人が最も少なかったのは50代の39.9%(「よい」15.3%「わりとよい」24.6%の合計)。その差は30ポイントにもなり、年代によって健康状態には大きな開きがあることが改めて明らかになりました。

◆「健康診断を定期的に受けている」7割弱。

定期的に健康診断を受けている人は全体の67.6%。年代別では50代の受診率が最も高く78.5%、次いで40代の71.6%が続きました。受けている人の割合が最も少なかったのは20代の39.8%。40代50代は健康に対する不安が増すことで健康診断を受ける人が多く、20代は健康に対する過信から受診率が低いと言えるのではないかと思われます。

◆「治療のために処方箋のお薬を常用している」3人に1人。

現在何らかの病気治療のために処方箋のお薬を利用している人は全体の35.6%。年代別で見ると、20代は25.2%で常用している人の割合が最も少なく、その後年代と共に徐々に増加。60代では49.6%と2人に1人が処方箋のお薬で治療していることがわかりました。

◆「お薬の効果や副作用についてネットや書籍で調べる」約半数。

処方箋で出されたお薬の効果や副作用などについて、インターネットや書籍などで調べることがあると回答した人は全体の50.5%(「いつも調べる」9.7%「わりと調べる」40.8%の合計)。年代別で見ると20代は43%(「いつも調べる」8.9%、「わりと調べる」34.1%の合計)で平均より少なかったものの、30代以降ではさほど大きな差は見られませんでした。

◆「お医者さん派と市販薬派」ほぼ半々。

風邪や腹痛など体調がよくない時、早めに医療機関で治療を受ける方だと答えた人は全体の46.9%(「医療機関で診察を受ける」15.1%、「どちらかといえば、医療機関の診察を受ける」31.8%の合計)。一方、市販のお薬で治す方だと答えた人は53.0%でほぼ半々という結果になりました。年代別で見ると、30代と40代はお医者さん派と市販薬派はほぼ拮抗しており、20代50代60代では、市販薬派がお医者さん派を10ポイント以上上回る結果となりました。

◆「ネットで大衆薬の購入経験がある」8.3%。

インターネットで風邪薬や胃腸薬などの大衆薬を購入している人は全体の8.3%(「よく購入する」1.5%、「わりと購入する」6.8%の合計)。年代別ではさほど大きな変化は見られず、インターネットによる大衆薬の購入はまだあまり浸透していないことがわかりました。

◆「“OTC医薬品”って?」4人に3人は知らない。

薬局・薬店・ドラッグストアなどで販売されている風邪薬や胃腸薬などの市販薬(大衆薬)のことを「OTC医薬品」と呼びます。英語の「Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)の略語で、対面販売で薬を買うことを意味しており2007年から使われているそうです。では、どれくらいの人がこの「OTC医薬品」という言葉を知っているのでしょうか。「言葉も意味も知っている」と回答した人は全体の9.6%、「言葉だけ聞いたことがある」と答えた人は16.6%で、全体の73.8%が「知らない」という結果になりました。「OTC医薬品」という言葉はまだまだ浸透していないことがわかります。

◆「セルフメディケーションって?」知っている人は60.5%。

自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすることを「セルフメディケーション」と言います。今回の調査では全体の60.5%の女性がこの「セルフメディケーション」という言葉を知っていることがわかりました。(「言葉も意味も知っている」18.8%「言葉だけ聞いたことがある」41.7%の合計)年代別では30代40代女性の認知率が平均より高く、20代50代60代では平均を下回る結果となりました。

◆「お薬手帳を使っている」7割以上。

「お薬手帳に薬の名前や量、日数、使用法などのシールを貼ったり記載して使っている」と回答した人は、全体の72.3%。年代別で見てもさほど大きな差は見られませんでした。

◆持っていても使わない理由NO.1は「持っていくのを忘れてしまうから」

「お薬手帳は持っているが、使っていない」と答えた529人に使っていない理由を尋ねると、最も多かったのが「持っていくのを忘れてしまうから」と答えた人で全体の57.5%。次いで「医療機関に行く機会が少ないから」の45.6%が続きました。普段は健康でたまにしか使うことのない人には、お薬手帳を持っていても使わない人が多いのではないでしょうか。

◆「処方箋のお薬はかかりつけの薬局で」60.9%。

病院や医院で処方されるお薬を「いつも同じかかりつけの薬局」から購入する人は全体の22.7%、「だいたいいつも同じかかりつけの薬局」から購入する人は38.2%で、合わせると60.9%の人がかかりつけの薬局を利用していることがわかりました。年代別では20代は「その時々によって異なる薬局」と答えた人が41.5%で平均より10ポイント以上高い結果となりましたが、30代以降ではあまり差は見られませんでした。

◆「お薬手帳の有無で医療費が異なる」知っていた人は46.1%。

2016年4月から、診療報酬改定によって、お薬手帳の有無によって医療費に差が生じるようになりました。内容は、原則として半年以内に処方箋と手帳を持って同じ薬局にかかった場合、2回目以降の利用から毎回の支払いが初回より40円程度安くなるというもの。これについて、「知っていた」と答えた人は全体の46.1%。年代別で見てもさほど差は見られませんでした。

◆「電子版お薬手帳」知っている人は22.5%。

電子版のお薬手帳について尋ねてみると、「知っていた、利用したことがある」と答えた人は全体のわずか1.7%、「知っていたが、利用したことがない」と答えた20.8%を加えても全体の22.5%の人にしか知られていない現実が見えてきました。

◆「今後、お薬手帳を使おう」と思っている人は8割以上。

今後、お薬手帳を使おうと思っている人は全体の83.1%。年代別で見ても大きな差は見られませんでした。紙と電子版どちらを利用するか聞いてみると、半数以上が「紙のお薬手帳」と回答。「電子版」の利用意向者は約10%、紙と電子版の併用意向者は12%で、しばらくは紙のお薬手帳が主流になっていくことが予測される結果となりました。

◆紙の「お薬手帳」か電子版「お薬手帳」のどちらを使おうと思いますか?その理由を教えてください。

☆紙の「お薬手帳」と回答した理由では、スマートフォンを持っていないのでという理由も多くありましたが、充電切れや情報漏えい、また、いざという時に自分以外の人が見れないなど必要な時に使えない可能性があるので紙のお薬手帳の方がよいという理由が多く見られました。

☆電子版の「お薬手帳」と回答した理由では、いつもスマートフォンは持ち歩いているので急に病院に行くことができるしお薬手帳の持ち忘れがなくなる、また、データ量が増えても安心できるなどスマートフォンの便利性をあげる理由が多く見られました。

☆紙と電子版の「お薬手帳」を併用すると回答した理由では、紙には紙のよさ、電子版には電子版のよさがあるので、どちらかひとつに絞らず両方のよさを上手に使いこなせばよいのではという理由が多く見られました。

☆分からないと回答した理由では、電子版のお薬手帳がどのような内容か分からないという理由や頻繁に使うモノではないのでスマートフォンで管理する必要があるのか分からないのでといった理由が見られました。

◆「2017年から始まる新・医療費控除制度」9割以上が知らない。

これまで、医療費控除できるのは、1年間に使った家族みんなの医療費が10万円を超えた場合だけでしたが、来年(2017年)からは、医療用医薬品から転換された市販薬の購入代金が1万2000円を超えると、確定申告によって所得控除できるようになります。この新制度を「知っていた」と答えた人はわずか9.7%。9割以上の女性にはまだ知られていないことがわかりました。

◆「この1年間の市販薬代が1万2000円を越えそう」約2割。

では、この1年間に自分や家族が薬局などで購入する市販薬代が1万2000円を超えそうかどうか聞いてみると、「間違いなく超えると思う」と答えた人は10.4%、「多分超えると思う」は11.5%で、合わせると約2割の人が
1年間の市販薬代が医療費控除対象額の1万2000円を越えそうと考えていることがわかりました。

◆約半数が「新しい医療控除制度の利用」に前向き。

今後、新しい医療控除制度の申告に備えて市販薬を購入したレシートを保管しようと考えている人は90%と非常に高い結果となりました。続いて、薬局などで市販薬を購入した金額が12000円を超えたら、確定申告をしようと思うかどうか尋ねると、「還付金額にかかわらずすると思う」と回答した人は47.9%、「還付金額によってはしないと思う」と答えた人も同じ47.9%で2分する結果となりました。

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[ベルメゾン生活スタイル研究所]
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