5月1日時点の就職意識調査-2017年度 キャリタス就活 学生モニター調査結果(2016年5月発行) 

2016年05月16日
DISCOは、2017年3月卒業予定の全国の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生含む)を対象に、3月解禁直後の就職活動に関する調査を行いました。(調査時期:2016年5月1日~6日、回答数:1,191人)

【調査結果サマリー】

1.エントリー状況
○一人あたりのエントリー社数の平均は42.8社。前年同期より8社少ない

2.セミナー・会社説明会への参加状況
○企業単独セミナーへの参加社数は15.1社。短期化で、前年より早いペースで参加

3.選考試験の受験状況
○エントリーシート提出社数は13.1社。前年より5社増加
○選考試験の受験社数は、筆記8.6社、面接4.6社、グループディスカッション2.6社

4.5月1日現在の内定状況
○内定率は29.1%。前年同期(17.9%)より11.2ポイント増
○「選考解禁1カ月前」同士の比較では20ポイント以上、下回る

5.内定業界と企業規模
○「情報処理・ソフトウエア」「調査・コンサルタント」「建設・住宅・不動産」の順
○内定企業の従業員規模は、1,000人以上の大手企業が56.7%を占める

6.就職活動継続学生の動向
○現時点の志望業界は、「銀行」「水産・食品」「素材・化学」がトップ3
○就職活動を終えたい時期は「6月」に集中。短期決戦の構え

7.就職活動の難易度
○「厳しい」は毎月低下。就職活動開始当初よりも楽観的な見方が増える

8.企業セミナーで重要なこと
○「社員と直に話せる場を設けられている」59.9%、「選考に関する情報が得られる」48.7%

9.就活川柳
○全500作品から、佳作11首を紹介

【調査結果】

1.エントリー状況

採用広報解禁から2カ月が経過した5月1日時点での就職活動は、どのように展開しているだろうか。前回調査(今年4月)および前年度調査と比較しながら、全体的な活動状況を確認してみたい。
まず、一人あたりのエントリー社数の平均は42.8社。先月(4月)時点の37.3社から5社程度の増加にとどまり、前年同期調査(50.8社)を8社ほど下回った。解禁直後の3月調査では前年同期をやや上回っていたが、その後の伸びは鈍く、早い段階から企業を絞り込んでいることが推測できる。
エントリーした企業を知った時期を見ると、「3月1日以降に知った企業」の割合は徐々に増え、今回は2.6割になった。しかしながら「もともと知っていた企業」5.0割、「3月より前のインターンシップや業界・企業研究などで知った企業」2.4割と、就活解禁前に知った企業が依然7割以上を占め(7.4割)、まだまだ解禁前(プレ期)に知った企業を中心に活動している様子が表れている。

2.セミナー・会社説明会への参加状況

セミナー・会社説明会の平均参加社数は38.4社。このうち企業単独セミナーを見ると、15.1社で前年同期(14.4社)をやや上回る。しかし、「選考解禁の1カ月前」という軸で前年実績と比較すると、前年7月調査は21.1社だったので、6社ほど少ない水準であることがわかる。選考解禁の前倒しで企業の採用広報期間が2カ月短くなったぶん、選考解禁前に学生が参加できるセミナーの数は減少せざるを得ないのだろう。
一方、インターネットで配信されるセミナー(WEBセミナー)の視聴経験者は月を追うごとに確実に増え、今回調査では6割を超えた(64.1%)。平均視聴社数は、ライブ中継が3.0社、オンデマンド(録画)放送が2.6社。限られた期間で効率的に企業研究を進めたい就活生に積極的に活用されている様子がわかる。

3.選考試験の受験状況

現時点で学生が企業の選考プロセスにどの程度突入しているのか、その社数を確認してみよう。
まず、エントリーシート(ES)の提出社数の平均は、先月(4月)からの1カ月で6.6社増加し、13.1社となった。前年同期(8.1社)を大きく上回り、短期化で企業の設定する提出期限が昨年より早まっている分、早いペースで進んでいるように見える。しかし、企業セミナーと同様に「選考解禁の1カ月前」という軸で前年実績と比較すると、前年7月調査(16.2社)には届いていない。同様に、筆記試験や面接試験に関しても、前年同期との比較(5月調査との比較)ではいずれも前年を上回っているが、「選考解禁の1カ月前」同士で比較すると、やはり前年7月調査の水準を下回る。期間が短くなった分、受けられる企業の数は減少傾向にあると言える。
また、ESの提出数に対して面接数は多くなく、6月の大手企業の選考(面接)待ちの状態と推測される。

4.5月1日現在の内定状況

就職活動スタートから2カ月が経過し、内定を得る学生が増えてきた。5月1日現在の内定率は29.1%と3割に迫る。先月(4月1日)の11.8%から1カ月で17ポイント以上増加した。前年同期(17.9%)を11.2ポイント上回り、前年よりも企業の内定出しのペースが早いことがわかる。但し、「選考解禁の1カ月前」軸で前年実績と比較すると、前年7月調査は5割を超えていたので(50.6%)、20ポイント以上も下回る。昨年は8月1日の選考解禁を待ちきれずに選考を開始し内定を出した企業が続出したため、多くの学生が内定を持った状態で選考解禁を迎えるなど、大きな混乱が生じたが、今年は解禁が早まった分、やや緩和されるのではないだろうか。

5.内定業界と企業規模

5月1日現在で内定を得ている学生に内定企業の業界を尋ね、上位業界をまとめた。(全40業界。複数回答あり)
「情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト」が24.9%で最も多く、ここに「調査・コンサルタント」(14.8%)が続く。先月(4月)調査とは順位が逆転しており、「情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト」がこの1カ月で多くの内定を出したことがうかがえる。3位以下は「建設・住宅・不動産」(12.8%)、「情報・インターネットサービス」(10.4%)、「人材紹介・人材派遣」「専門店」(5.5%)となっている。
内定を得た企業の規模もあわせて尋ね、その比率を出してみたところ、3月調査では、従業員「1,000人~4,999人」と「5,000人以上」が3割前後でほぼ同率だったのが、月を追うごとに「5,000人以上」の割合が下がり、逆に「1,000人~4,999人」は増加している。学生から報告された社名を見ると、「5,000人以上」の企業はITや通信などのいわゆるメガベンチャーや外資系コンサルティングファームなどが代表的で、昨年同様今年もかなり早い時期から内定を出していたことが確認されている。昨年は次に中堅・中小企業が内定を出し、その後に一般の(メガベンチャーや外資系以外の)大手企業といった流れだったが、今年は中堅・中小企業の動きは昨年に比べると鈍い。

6.就職活動継続学生の動向

就職活動を継続している学生の、現時点の志望業界を見てみよう。最も多いのは「銀行」(23.8%)で、以下「水産・食品」(16.4%)、「素材・化学」(16.0%)、「運輸・倉庫」(14.9%)と続く。上位業界の多くは前ページで確認した「内定業界」には顔を出していない。
現時点の志望業界を文理男女別に見ると、文系は男女とも「銀行」が首位で、文系学生の3割以上が志望するなど人気が集中。理系は、男子は「情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト」が、女子は「医薬品・医療関連・化粧品」が最も多い。

内定を持ちながら就職活動をしている学生に、内定企業をどう位置付けているのかを尋ねたところ、「満足度が高く、納得感もあるので、この企業に入ると思う」と、ほぼ入社を決めているのは9.3%と1割弱。逆に、「あくまで押さえであり、実際にこの企業に入ることはないだろう」は17.1%だった。「それなりに満足しているので、他に内定が出なければ納得して入ると思う」が半数近くを占め最も多いが(46.8%)、上記で挙がったような業界を本命企業とし、6月に選考を控えている学生が多いということだろう。

内定有無にかかわらず就職活動を継続している学生に、就職先を決定して就職活動を終了したいと思う時期を尋ねたところ、「6月後半」と答えた割合が28.0%で最も多く、これに「6月前半」が24.3%で続いた。6月の合計は過半数にのぼり(52.3%)、多くの学生は「6月」の山場に向けて、目標を定めているように見える。7月後半までを合計すると8割を超え(83.4%)、大学の夏休み前が一区切りと捉えられていると想像できる。

7.就職活動の難易度(3カ月の推移)

就職活動の本格スタートから2カ月。就職活動を進めていく中で学生の意識はどう変化しているだろうか。採用広報活動解禁後の就職活動の難易度の推移を見てみると、「とても厳しい」と答えた割合は、この2カ月で21.2%から14.4%へと低下している。一方、「やややさしい」と答えた割合は、3.7%から10.3%へと上昇。これまでのところ、当初の考えよりも楽観的に捉えている様子がうかがえる。

■就職活動に関して思うこと
○6月1日に複数の企業の面接が重なってしまうことに不安。<文系男子>

○面接なども少しずつ始まってきたが、スケジュールが詰まっているため一つの会社についての事前準備があまり出来ていないように感じる。<理系男子>

○今のところさほど辛くありません。いつ辛くなるのだろう。<文系女子>

○期間が短くて早い段階で志望企業を絞らないといけないように感じる。4月以降に魅力的だなと感じる企業に応募しようとしても締め切りが過ぎていたこともザラだった。入社してからのミスマッチが懸念。<理系男子>

○学生が比較的のんびり構えており、企業側が焦っているような印象を受けた。<理系女子>

8.企業セミナーで重要なこと

セミナーや会社説明会は企業研究の格好の場であるが、学生は企業セミナーで何を重要だと考えているのかを尋ねた。選択肢から5項目まで選んでもらったところ、最もポイントを集めたのは「社員と直に話せる場が設けられている」で、約6割が選んだ(59.9%)。次いで「選考に関する情報が得られる」(48.7%)が続くが、前年調査(45.9%)より増加しており、選考解禁が早くなったことで具体的な選考日程やプロセスへの関心が強まっていることがわかる。同じくポイントを上げた項目として「所要時間が適切である」があるが(24.4%→27.5%)、短期間で多くの企業を回ったり、学業と両立したりするために、1社のセミナーに多くの時間を割きたくないと考える学生が増えているとも考えられる。

■企業セミナーに関して
○会社説明会で好感を持てる先輩社員に出会えるかどうかで、志望度も変わったりします。<文系男子>

○説明会などで企業のいいところばかり紹介したくなる気持ちは理解できますが、他社と比べて劣っている点や、課題としていることを教えてほしいと思っています。欠点もしっかり理解した上で入社した社員のほうが長続きすると思いますし、学生も企業選びがしやすいと思います。<文系男子>

○会社説明会がWEBで行われるととても助かる。<文系女子>

9.就活川柳

ここまでの就職活動で感じたことを、思いつくまま川柳に詠んでもらった。全500作品が寄せられた中から、ユーモアや風刺の効いた一例を紹介したい。
3カ月の短期決戦に焦る気持ちや、学生優位の売り手市場ならではのちょっとした余裕など、どれも就活生の率直な心情が表れている。

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