HEMSデータに基づく家電製品の電力使用量と使用状況調査 

2016年04月28日
GfKジャパンは、自社調査モニターであるHEMS利用世帯(家庭の電力使用量を可視化する機器及びサービスを利用する世帯)の蓄積データを分析し、電力使用量の月毎の変化や、洗濯機の使用状況について発表した。

【調査結果概要】

・世帯における1日の平均電力使用量が最も多かった月は1月、2月。平均気温※1が1年で最も低く、エアコンなどの暖房器具の使用が増加。

・洗濯機はドラム式と縦型で使用に差。ドラム式は時間を問わず使用されている一方、縦型は朝の使用が大半。


【各月における電力使用量と気温の推移】

HEMS利用世帯における1日あたりの平均電力使用量を月別にみると、2015年で電力使用量が最も多かったのは1月、ほぼ同レベルで2月となった。そしてやや差が開き、8月が続いた(図1)。
平均気温が最も低かった1月、2月の世帯電力使用量はそれぞれ年平均の1.3倍と多かった。この主要因は暖房器具の使用増加であるが、一例として、エアコン※2を見ると、1月、2月の電力使用量は夏場の2カ月(7、8月)より2割多く、2カ月で年間使用量の4割を占めた。
また、平均気温が最も高かった8月は、エアコンより冷蔵庫の電力使用量の増加が大きく影響した。冷蔵庫は気温が上がるほど冷却に電力を必要とする。冷蔵庫の電力使用量のピークは8月であり、使用量が最も少ない1月と比べると、1.9倍となった。

【洗濯機の1日の電力使用状況】

2015年の世帯電力使用量のうち洗濯機が占める割合は2%で、冷蔵庫(14%)、エアコン(6%)と比べると少なかった。ただし、洗濯機でも縦型とドラム式に分けてみると電力使用量は大きく異なり、ドラム式使用世帯の洗濯機の電力使用量は縦型使用世帯の4.9倍になった。これは、乾燥機能の使用の差が顕著に表れたためと考えられる。 2015年に全国の家電量販店で販売された洗濯乾燥機※3の平均消費電力量をみても、洗濯のみの場合と、乾燥まで使用した場合とでは19.6倍の開きがあった。
また、縦型とドラム式では、使用時間帯が異なることも明らかになった。縦型とドラム式の使用世帯に分けて、電力量の時間帯別の割合を追ったところ、縦型では、7時、8時台に大きなピークができた(図2)。21時前後にも盛り上がりがあったが、縦型使用世帯は朝に洗濯するケースが大半を占めると考えられる。一方、ドラム式は若干の上下はあるものの、縦型のような一定の大きなピークはみられなかった。
ドラム式使用世帯では乾燥機能を使用しているケースが多いため、天候を気にせず各々の生活スタイルに合わせ、都合の良い時間に洗濯を行っていることが伺えた。
電力小売自由化に伴い、消費者は家電製品の使い方やモデル選択をこれまで以上に考え、電気料金プランを選ぶようになるだろう。例えば、ドラム式洗濯機の使用世帯は、電力料金が安くなる時間帯に乾燥機能を使ったり、消費電力量※4がヒーター式に比べて4割少ないヒートポンプ式へ買い替えたりすることで、電気料金を削減することを考えるかもしれない。換言すれば、電力会社にとってはサービスの差別化やターゲット層への適切なアプローチのため、消費者がどのような家電製品を使用し、どのような使い方をしているかといったところまで把握する必要性が出てきているといえる。

※1 関東圏の世帯サンプルが多いため、東京の平均気温を使用
※2 世帯のリビング設置、寝室設置のエアコン各1台をカウントしたもの
※3 全乾燥機能をもつ縦型及びドラム式の洗濯機
※4 2015年に全国の家電量販店で販売されたドラム式洗濯機の平均消費電力量

当リリースに掲載した調査内容は、当社の調査モニターであるHEMS利用世帯(家庭の電力使用量を可視化する機器及びサービスを利用する世帯)より取得・蓄積している電力量データ、及び利用世帯への継続的アンケート調査より抜粋した。GfKでは上記の電力量データを販売(5万円~)すると共に、モニター世帯に対する有償カスタマイズリサーチ(インターネット調査他)を実施している。


【調査概要】
「GfK HEMS利用モニター世帯 (HEMS調査パネル)電力使用量調査」
調査方法 : HEMS機器による電力量データ取得 
調査期間  :2015年1月-12月
サンプル数 :関東圏・関西圏の約80世帯 ※調査タイミング・項目により 差異有り
(1人世帯3%、2人世帯19%、3人世帯23%、4人世帯34%、5人世帯17%、6人世帯3%、7人世帯1%)
調査項目 :家全体、個別家電の30分毎(一部世帯は60分毎)の電力使用量(Wh単位)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ジーエフケー]
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