インパクトの高い論文数による日本の研究機関ランキング 

2016年04月18日
トムソン・ロイターは、高被引用論文数による日本の研究機関ランキングを発表いたしました。

本分析は、後続の研究に大きな影響を与えている論文(高被引用論文)数から、世界の中で日本が大きなインパクトを与えている分野と、その分野において国内で特に影響力の高い論文を発表している研究機関を把握しようという試みです。

研究機関や研究者個人の特定の集合の中での相対的な位置を分析する指標として、高被引用論文(被引用数がトップ1%の論文)などの相対的な指標による分析に注目が集まっています。今回の分析で、世界における日本全体の高被引用論文数は10位でした。分野別では免疫学、材料科学、化学が5位以内に、物理は6位に入っており、これらの分野において日本は世界の研究コミュニティの中でも大きな存在感を示していることが明らかになりました。

総合分野(自然科学全体)のランキング1位は東京大学でした。第2位の京都大学に次ぎ、国立研究開発法人 理化学研究所が昨年の4位から順位を上げ今年は3位となりました。20位以内には大学共同利用機関法人が2機関含まれているほか、国立がん研究センターが今年初めて20位内に入っています。総合で20位以内にランクインした国立大学は、すべて国立大学運営交付金の支援枠の重点支援3(全学的な研究成果の創出を目指す大学)でした。

分野別のランキングでは、特定の分野に特化した研究機関や上記以外の大学も存在感を示しています。例えば、材料科学では国立研究開発法人 物質・材料研究機構がトップであるほか山形大学がランクイン、物理には大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構が入っています。公益財団法人 東京都医学総合研究所は今回、生物学・生化学で10 位以内となり、昨年に引き続きランクインしている分子生物学との2分野においてインパクトの高い論文を多く輩出しています。植物・動物学では、昨年に引き続き国立研究開発法人 理化学研究所と国立研究開発法人 国際農林水産業研究センターの高被引用論文の割合が高くなっています。

「 国内研究機関の総合トップ20機関」

総合
国内順位 機関名 高被引用論文数 高被引用論文の割合
1 東京大学 1303 1.6%
2 京都大学 754 1.2%
3 国立研究開発法人理化学研究所 624 2.5%
4 大阪大学 559 1.1%
5 東北大学 484 1.0%
6 国立研究開発法人産業技術総合研究所 368 1.3%
7 名古屋大学 364 1.1%
8 東京工業大学 286 1.1%
9 九州大学 279 0.8%
10 国立研究開発法人物質・材料研究機構 273 1.9%
11 筑波大学 247 1.2%
12 北海道大学 206 0.6%
13 岡山大学 183 1.2%
14 広島大学 176 1.0%
15 神戸大学 158 1.1%
16 早稲田大学 156 1.4%
17 大学共同利用機関法人 自然科学研究機構* 149 1.2%
18 慶應義塾大学 143 0.8%
19 大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 126 2.0%
20 国立がん研究センター 124 2.0%

*大学共同利用機関法人 自然科学研究機構は構成する5研究所の組織名を名寄せした集計値です。
※国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)は戦略的に科学技術イノベーションの創出を推進するファンディングエージェンシーとしての事業内容を鑑みランキングには入れてありませんが、高被引論文数は767報、高被引用論文の割合2.4%でした。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[トムソン・ロイター]
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