第2回 「When Women Thrive Business Thrive (WWT)~女性が活躍するとき、企業も持続的に成長する~」グローバルレポート 

2016年04月12日
マーサーは、第2回「When Women Thrive Business Thrive ~女性が活躍するとき、企業も持続的に成長する~」グローバルレポートを発表。

●人材のパイプラインを構築できなければ女性比率の増大は困難
●10年予測によれば、欧州と北米でさえ男女比の均等に苦労し続け、アジアは最下位である
●女性向けの福利厚生、貯蓄制度を整備している企業はわずか 9%、米国/カナダがトップ
●経営層のコミットメント、賃金平等への注力促進が重要

女性の就業人口は世界的にみて十分とは言い難く、企業側の向上への取組みが今のペースのままであれば、2025年に専門職、幹部職に就いている女性は世界的に見ても40%に留まることが、マーサーによる第2回 「When Women Thrive Business Thrive (WWT)~女性が活躍するとき、企業も持続的に成長する~」グローバルレポートから分かった。

本レポートは企業における女性の活躍に関する包括的なグローバル調査をまとめたもので、日米欧など世界13カ国・約600企業を対象に実施。調査の結果、サポートスタッフから幹部レベルへと階層が上昇するに伴い女性比率が減り、サポートスタッフを除くプロフェッショナル以上の女性社員の比率は35%と低く、2025年時点でも40%までしか上昇しない見通しである。

マーサーのレポートによれば、女性は男性に比べ経営幹部に就く可能性が1.5倍多いが、一方で離職も男性の1.3倍多く、そのためにトップでの比率増が抑えられている。

またWhen Women Thrive レポートによれば、企業の平均従業員数の 40%が女性である。世界的に見ると、管理職の33%、上級管理職の26%、経営幹部の20%が女性である。

地域別にみると、中南米は女性の比率が2015年の 36% から2025年には 49%に増えると予測され、オーストラリア/ニュージーランドが35%から40%とこれに続く。米国/カナダは39%から 40%とわずか1%の伸びにとどまり、欧州は2015年、2025年ともに37%のままである。アジアは2015年の25%から28%と最も低い。

本調査は世界の約600 企業(従業員総数320万人、うち女性は130万人)からの回答を取り上げた、最も包括的な調査であり、ダイバーシティとインクルージョン(D&I)改善取り組みの主な推進要因を特定している。

マーサーの調査から、こうした取り組みにより女性比率が増加することが実証されていながら、女性に着目した退職金制度や貯蓄制度を採用しているのは世界の調査回答企業のわずか9%であり、中では米国/カナダが最も多かった(14%)。

その他の主な調査結果

・上級管理職がD&I活動に積極的に取り組んでいると答えた企業は全体の57%にとどまり、米国/カナダが最も高かった。
- 中間管理職については中南米が最も高く51%だった(世界的には39%)。

・「男性の関与」の項目は2014年の第1回調査時より減少してしまった。2014年時点では、調査企業の49%の男性がD&I活動に積極的に取り組んでいると答えていたが、2015年は38%となった。地域別では、米国/カナダが43%と最も高かった。

・業績評価結果を男女別に検証している企業は29%にすぎず、オーストラリア/ニュージーランドが最も高かった。

・賃金の平等に関する項目では米国/カナダがトップで、企業の40%が正式に賃金平等調整プロセスを整備している。対して、世界的には34%であり、アジア、欧州はそれぞれ25%、28% だった。また、2014年以降実質的な改善は見られない。

・女性の28%がP&L(損益)責任のある職位に就いており、中南米が最も高く(47%)、アジア(27%)、オーストラリア/ニュージーランド(25%)、米国/カナダ(22%)、欧州(17%)と続く。

・女性は現代ビジネスで求められる特有のスキル・特性を持っていると認識されている。例えば、柔軟性と適応力(男性の強みと回答した人20%に対して 39%)、包含的チームマネジメント(43% vs. 20%)、感情的知性(EQ)(24% vs. 5%)等が挙げられる。

・育児休暇制度の間に社員をサポートするための研修の提供、男女別の退職金制度や貯蓄制度の提供に関しては米国/カナダがトップをいく。

・アジア、米国/カナダ、中南米という3つの主要地域では、企業の約半数が、女性社員の採用・定着には女性の健康支援が重要であると考えているが、職場での男女別の医療ニーズを把握するために分析を実施しているのはわずか22%である。


本レポートは他にも、時短、産休、育休(男性の育休を含む)、育児や高齢者の介護、メンターシップなど、重要な福利厚生制度の有無と活用に関する項目等も企業に調査している。

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[マーサー]
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