イノベーションを生み出す仕事と組織に関する調査(大企業で企画・開発の仕事をしている方対象) 

2015年11月05日
日本能率協会(JMA)KAIKAプロジェクト室は「イノベーションを生み出す仕事と組織」に関する調査研究を行っています。
このたび、従業員数1,000人以上の企業の研究開発、経営企画、システム開発、新商品企画・開発部門など、企画・開発を主とする部門で働く正社員1,000人を対象に、仕事の捉え方や取組み方などについてアンケート調査を実施しました。

調査トピックス>

ー1週間の労働時間、「50~55時間未満」が最多。
 約7割の人が就業時間の6割以上をルーティンワーク以外の新しい仕事に使用

ー仕事のアイデア・ヒントは「上司・同僚」「他部署の人」からで、社内が圧倒的
 顧客・取引先、同業種・異業種、趣味仲間・家族など幅広い人脈も活用
 また、情報収集は「インターネット検索」と「専門書」がメイン

ー新しい仕事をする上での障壁は「リスクを受け入れる風土がない」「ペース配分の自由度がない」 「他部門とのコミュニケーションが円滑でない」と、敵は“内部”に

ー上司には「チームメンバーをまとめる力」「他部署間との調整力」と、リーダーシップと調整力を要望

【調査結果】

1週間の労働時間は、「50〜55時間未満」が最多。
約7割の人は就業時間の6割以上をルーティンワーク以外の新しい仕事に使用


1 週間の平均的な実労働時間(早出・残業を含む)を聞いたところ、「50~55 時間未満」が 25.7%と最多で、次いで「40~45 時間未満」(19.2%)、「45~50 時間未満」(18.6%)と続きます。一方、「60~70 時間未満」の人が 10.4%、「70 時間以上」の人が 4.1%と、長時間の残業(1 日 8 時間・週 5 日勤務の場合、1 日あたり 4 時間以上の残業)をこなしている人も 1 割以上にのぼりました。
また、就業時間のうちどの程度の時間をルーティンワーク(=日々の決まりきった仕事)以外の新しい仕事(設問では「パターン化しにくい業務」と表記)に使っているのかを聞いたところ、「7 割」と回答した人が、20.6%と最も多く、次いで「8 割」(18.8%)、「6 割」(17.2%)となり、約 7 割の人が業務時間の 6 割以上をルーティンワーク以外の新しい仕事に使っていることがわかりました。

仕事のアイデア・ヒントは「上司・同僚」「他部署の人」からで、社内が圧倒的
顧客・取引先、同業種・異業種、趣味仲間・家族など幅広い人脈も活用
また、情報収集は「インターネット検索」と「専門書」がメイン


仕事のアイデア・ヒントを得る上で、特に役立っていることを聞いたところ、「職場の上司や同僚」が 66.9%と最も多く、「社内の他部署の人」(50.7%)、「顧客・取引先」(31.2%)と続きます。他にも「同業他社や他社の同職種の人」(22.3%)、「異業種・異職種の人」(18.9%)、「家族・恋人」(16.5%)、「趣味や遊びの仲間」(12.6%)など、幅広い人脈から仕事のアイデア・ヒントを得ていることが伺えます。
また、仕事のアイデア・ヒントを得る上で、特に役立っている情報源(人以外)を聞いたところ、「インターネット(スマホ含む)で検索」が 48.6%、「専門書」が 41.9%と、共に 4 割を超えました。
インターネットで幅広い情報を素早く収集することに加え、その情報の意図や原理原則を理解するうえで専門書を役立てていることが伺えます。

新しい仕事をする上での障壁は「リスクを受け入れる風土がない」「ペース配分の自由度がない」
「他部門とのコミュニケーションが円滑でない」と、敵は“内部”に


ルーティンワーク以外の新しい仕事(設問では「パターン化しにくい業務」と表記)を行うにあたって障害となることを聞いたところ、「リスクを受け入れる風土がないこと」(29.3%)、「ペース配分の自由度が少なく進捗チェックが厳しいこと」(28.0%)、「社内の他部門とのコミュニケーションが円滑でないこと」(24.1%)が上位にあがりました。
前例がない仕事はリスクを見積もったり先を読んだりすることが難しいだけに、頻繁な進捗チェックやそのための会議は勘弁してほしいという本音が聞こえます。
また、人間関係や職場の雰囲気も悩みの種になっていることが伺えます。

上司には「チームメンバーをまとめる力」「他部署間との調整力」と、リーダーシップと調整力を要望

職場の上司に対して望むことを聞いたところ「チームメンバーをまとめていくのが上手なこと」(36.6%)、「他部署等との間の調整能力があること」(32.3%)、「信頼できること」(30.1%)が上位 3 つで、いずれも 3 割を超えました。
上司の知識・能力や経験以上に、新しい仕事をする上での障壁になる部署内外の人間関係や雰囲気の解決役を求めていることが伺えます。


【調査概要】
調査名称:イノベーションを生み出す仕事と組織に関する調査
アンケート期間:2015 年 7 月 24 日~27 日 4 日間
アンケート対象:従業員数 1,000 人以上の企業の研究開発、経営企画、システム開発、新商品企画・開発部門など、企画・開発を主とする部門に勤務する正社員
アンケート方法:web 調査
配布・回答数:1,000 人(配布数約 10,000 人、有効回答率約 10%)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本能率協会]
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