幼児期から小学1年生の家庭教育調査・縦断調査(子どもをもつ母親対象) 

2016年03月08日
ベネッセホールディングスの社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」では、子どもをもつ母親544名を対象に、2015年3月に「幼児期から小学1年生の家庭教育調査・縦断調査」を実施しました。

本調査は、13年、14年に続き3回目で、年少児(3歳)から小学1年生までの4年間、同一の子どもについて継続して子どもの様子や母親の意識の変化を追うことで、この時期に大切な子どもの育ちや保護者の関わりを明らかにすることを目的としています。近年、国際的に幼児教育への関心が高まっており、園や学校現場を中心に幼保小接続の取り組みが全国的に試みられています。こうしたテーマで大規模に行う縦断調査は少なく、貴重な知見を得られる機会となっています。

<幼児期に必要な学習準備について>

本調査では、小学校入学以降の学習や生活につながる幼児期の学習準備として、3つの軸の《生活習慣》、《学びに向かう力》、《文字・数・思考》を設定して調査を行いました。

*《生活習慣》=生活リズム、食事、あいさつ、片付けなど、生活していくために必要な習慣全般。
*《学びに向かう力》=自分の気持ちを言う、相手の意見を聞く、物事に挑戦するなど、『好奇心』・『自己主張』・『協調性』・『自己抑制』・『がんばる力』の5つの力から成り立つ。
*《文字・数・思考》=文字や数の読み書き、順序の理解など小学校段階での学習につながる、『文字』・『数』・『言葉』・『分類する力』の4つの力から成り立つ。

【主な調査結果】

1.年長児期に《生活習慣》全般、《学びに向かう力》の『がんばる力』、《文字・数・思考》の『言葉』が身についている子ほど、小1で「大人に言われなくても自分から進んで勉強する」傾向が強い
●小1の時点で、子どもの家庭学習の様子をたずねたところ、「大人に言われなくても自分から進んで勉強をする」と回答したのは全体の66.3%だった(「とてもあてはまる」と「まああてはまる」の合計)。
●年長児期の学習準備で、どの力が小1で「自分から進んで勉強する」に影響するかを分析した。結果、《生活習慣》、《学びに向かう力》の『がんばる力』、《文字・数・思考》の『言葉』の力が高い群ほど、小1で「自分から進んで勉強する」比率が高い傾向がみられた。年長児期に3つの軸が備わって、小学校以降の学習生活につながると考えられる。

2.年長児期に、親が子どものやりたい気持ちや考える行動を支えるほど、子どもの『がんばる力』や『言葉』の力は高まる
●年長児期、親が子どもの意欲を尊重する態度を3群に分け、子どもの『がんばる力』を比べた。結果、子どもの意欲を尊重する態度が高い群ほど、子どもの『がんばる力』は高い傾向がみられた。同様に、親が子どもの意欲を尊重する態度が高かったり、子どもの思考を促す関わり、学びの環境を整える関わりをしている群ほど、子どもの『言葉』の力は高い傾向がみられた。

3.家庭での子どもの成長プロセスでは、①《生活習慣》をベースに、②《学びに向かう力》、③《文字・数・思考》の成長へとつながっていく順序がわかった
●4年間の縦断データから、年少児までに《生活習慣》を身につけることが、年中児の《学びに向かう力》へつながること、そして、そこで養われた《学びに向かう力》が、年長児の《文字・数・思考》の力を育てることがわかった。その後、小1期には、《文字・数・思考》や《学びに向かう力》が学習態度を育てていく関係性が見えてきた。


【調査概要】
名称:幼児期から小学1年生の家庭教育調査・縦断調査(3歳児から小学1年生)
調査テーマ:幼児期から小学校1 年生までの子どもの学びの様子と、保護者の関わりや意識
調査方法:郵送法(自記式アンケートを郵送により配布・回収)
調査時期:
 初回調査 :年少児期(3歳児クラス) 2012年1~2月
 (縦断)第1回調査 :年中児期(4歳児クラス) 2013年1~2月、
 (縦断)第2回調査 :年長児期(5歳児クラス) 2014年1~2月、
 (縦断)第3回調査 :小1期                 2015年3月
調査対象:子どもが年少児から小学1年生までの縦断調査に4年間参加した母親544名(全国)
調査項目:学びに向かう力・生活習慣・学習準備等の実態/母親の養育態度/母親の関わりなど

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