社外取締役のクライシスに関する意識調査(企業の社外取締役対象) 

2016年03月09日
デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(デロイト グローバル)は、社外取締役のクライシスに関する意識調査「A crisis of confidence」の結果を公表しました。
各国の社外取締役は、自社がクライシスに陥った際の組織的対応力に自信を持っています(76%)。しかし、クライシスに最適な対処をするために必要な機能やプロセスを有していると回答した社外取締役は半数には及ばず(49%)、クライシスに対処するための備えへの自信は多くはありませんでした。

【調査結果】

・備えに対する感覚と実際の備えのギャップ:社外取締役の3分の2以上(76%)は、明日企業にクライシスが起こったとしても効果的に対応できると信じている。しかし、企業内で事前にトラブルをモニタリング、もしくは内部で情報共有を実施していると回答したのは49%のみであり、想定されるクライシスシナリオを踏まえたマニュアル等を有していると回答した企業も同じく49%にすぎない。企業でクライシスシミュレーション、もしくはトレーニングを実施していると回答したのは、さらに少なく32%となっている。

・クライシスに対する備えの脆弱性のトップはレピュテーション、次いでサイバー犯罪:本調査の回答者は企業のクライシスに対する備えの脆弱性のトップをレピュテーション(73%)、次いでサイバー犯罪(70%)と回答。3分の2(66%)が、サプライチェーン、規制措置、そして自然災害と回答した。

・クライシスに対する脆弱性の認識と備えのギャップ:特定のクライシス領域について社外取締役に質問した際、対処するための計画を有しているという回答よりも、そのクライシスに対する脆弱性を認めることが多かった。例えば、73%がレピュテーションへの脆弱性を挙げたものの、レピュテーションのクライシスに対処するための計画を有すると回答したのは39%のみだった。

・社外取締役は経営執行サイドと連携していない:企業がクライシスの準備のためにどのような対策を講じているかを理解するために経営執行サイドと連携している社外取締役は、半数以下(49%)にとどまった。また、クライシスの発生を防止するための議論を経営執行サイドと行っている社外取締役は半数のみである。

・その場しのぎの対処では不十分:自社でのクライシス経験があると回答した社外取締役のうち、1年以内に企業のレピュテーションを回復できたと回答したのは3分の1以下(30%)に過ぎず、16%が4年かそれ以上の期間を要したと回答した。また、金融およびオペレーション系クライシスからの回復には同じように長期間を要したとの結果が出た。


デロイトを代行してForbes Insightsが実施したこのグローバルサーベイは、大企業におけるクライシスの準備状況を評価するために行われました。主要なインダストリーとEMEA地域(ヨーロッパ・中東・アフリカ)、アジア太平洋地域、アメリカ地域から、300人を超える社外取締役が本調査に参加しました。

「A crisis of confidence」調査について
本調査はデロイトを代行してForbes Insightsが実施しました。このグローバルサーベイは、2015年の第4四半期に実施され、企業の社外取締役317名が回答しました。回答者の企業の年間売上の内訳は、5億米ドル~9.99億米ドルが16%、10億米ドル~49億米ドルが47%、50億米ドル~99億米ドルが23%、100億米ドル~199億米ドルが12%、200億米ドル以上の企業が2%でした。回答者はEMEA地域(32%)、アジア太平洋地域(32%)、アメリカ地域(36%)の3つの地域と、大きく5つのインダストリー(金融、コンシューマービジネス、テクノロジー・メディア・通信、ライフサイエンス・ヘルスケア、資源・エネルギー)に分類されました。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[デロイト トーマツ コンサルティング]
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