新生活に向けた自転車購入基準調査(中高生の自転車通学をする子どもを持つ主婦対象) 

2016年02月10日
自転車の安全利用促進委員会では、1月27日~28日に、中高生の自転車通学をする子どもを持つ主婦500名を対象に、自転車購入時に注意することについて調査いたしました。

調査の結果、自転車の購入基準について、親子で重要と感じるポイントが大きく異なることがわかりました。
今回の調査を受けて、当委員会メンバーでもある疋田 智氏は、「いいものを買って、宝物のように大事にすれば、自分でメンテナンスをする気持ちが生まれる。愛着が湧いて、整備を怠らない気持ちが安全につながります。保護者の方は、新入学シーズンにはまず安全を考えて、機能のしっかりした自転車を選んでほしいと思います」とコメントしています。

【調査トピックス】

●中高生はもう大人!?
 4人中3人が、自転車は“ぼく”“わたし”の意見が重要と回答
・中学生は母親の意見を重視(26.4%) 子どもの意見を重視(64.5%)と回答
・高校生はさらに子どもの意見が優先される結果に!子どもの意見を重視(74.9%) 母親の意見を重視(20.0%)

●安全性は二の次!届かぬ母の思い
 子どもが最も重視するのは「デザイン」(40.0%)!
・母は「安全性」(48.0%)、「価格」(26.6%)を重視
・子どもは「デザイン」(40.0%)、「安全性」(30.0%)、「価格」(9.6%)を重視

●購入時に気になる自転車の機能
 母親は「マーク」、子どもは「デザイン」と「実用性」を優先!
・母は安全性の担保として「BAAマーク」(15.9%)「TSマーク」(11.2%)に注目!
・全国の中学高校では「自転車保険加入」(35.0%)や「ヘルメット着用」(27.7%)を義務・推奨

【調査結果】

●中高生はもう大人!?
 4人中3人が、自転車は“ぼく”“わたし”の意見が重要と回答
・中学生は母親の意見を重視(26.4%) 子どもの意見を重視(64.5%)と回答
・高校生はさらに子どもの意見が優先される結果に!子どもの意見を重視(74.9%) 母親の意見を重視(20.0%)

中高生にとって高価な自転車。実際の利用者は子どもたちですが、母親も購入基準については口を出したいもの。そこで、新生活スタートを前に、子どもと母親のどちらが購買時の決定権を持つのか調査してみました。

その結果、自転車を購入する中高生の実に4人中3人が、母親ではなく子どもたちの意見を重視して購入を決定しているということがわかりました。

中高生を持つ母親に「お子様の自転車購入時、どちらの意見が重視されますか?」と質問したところ、「母親の意見を重視」(21.4%)に比べ、「子どもの意見を重視」が72.6%と大きく上回る結果となりました。

中学生・高校生別に比べると、中学生では「母親の意見を重視」(26.4%)「子どもの意見を重視」(64.5%)、高校生で「母親の意見を重視」(20.0%)「子どもの意見を重視」(74.9%)と、どちらの年代でも子どもが自身で自転車の購入基準を考えていることがわかりました。

<参考資料:中高生の所有自転車について>
20人に1人の利用ながら、シティサイクル(ママチャリなど)に続く利用率!
中高生にも電動アシスト付き自転車が浸透?

中高生の所有している自転車の種類について調査したところ、電動アシスト付き自転車を利用する中高生が一定数いることがわかりました。それぞれの利用率は下記の通りです。

1位 シティサイクル(ママチャリなど) 89.4%
2位 電動アシスト自転車        4.0%
3位 クロスバイク           3.4%
4位 ロードレーサー          2.0%
5位 マウンテンバイク         1.6%
6位 折りたたみ自転車         0.6%
7位 小径車              0.2%

●安全性は二の次!届かぬ母の思い
 子どもが最も重視するのは「デザイン」(40.0%)!
・母は「安全性」(48.0%)、「価格」(26.6%)を重視
・子どもは「デザイン」(40.0%)、「安全性」(30.0%)、「価格」(9.6%)を重視

自転車購入の際、利用者である中高生自身の意見が尊重されることがわかりましたが、親子間で自転車の購入基準は大きく異なるようです。

中高生自身・母親に対し、自転車通学に望む購入基準について質問したところ、母親の約半数が「安全性」(48.0%)を最も重視して購入を決定したいと考えていることがわかりました。一方、中高生からは「デザイン」(40.0%)を最も重視している項目として考えているとの声が聞かれています。
今回の調査から、中高生にとって自転車は大事故につながりうる“車両”ではなく、“ファッション”としての認識が強いことがわかりました。

また、中学生・高校生別に比べると、高校に進学することで、「デザイン」(36.4%→41.0%)「価格」(4.5%→11.0%)が優先される一方、母親が求める「安全性」については38.2%から27.7%に優先度が下がることも明らかとなりました。

<参考資料:自転車の製品欠陥・メンテナンス不備で引き起こされる自転車事故>
NITE(製品評価技術基盤機構)では2004~2013年で製品欠陥が原因で発生した事故が367件に及ぶという調査結果を発表しています。「強度不足」(106件)「取り付け不備など」(58件)「加工不良」(32件)などそもそもの製品欠陥がキッカケとなり、運転中に自転車が壊れ事故化、症状が重症化しているケースも見られます。

これらの大きな欠陥による事故だけでなく、「ブレーキが利かない」「ペダルが回らない」「ハンドルが切れない」などが要因となった事故についても見逃すことができません。ブレーキの状況を1つ取っても、整備の行き届いたものと、そうでないものでは、ブレーキをかけてから停車するまでの距離に大きな差が出るという検証結果もあります(委員会調べ)。自転車購入時により安全性の高い自転車を購入する。また、自転車店でのプロメンテナンスやセルフメンテナンスもこれらの事故を減らすためには必要です。

●購入時に気になる自転車の機能
 母親は「マーク」、子どもは「デザイン」と「実用性」を優先!
・母は安全性の担保として「BAAマーク」(15.9%)「TSマーク」(11.2%)に注目!
・全国の中学高校では「自転車保険加入」(35.0%)や「ヘルメット着用」(27.7%)を義務・推奨

購入時に留意する点について、機能面から母子それぞれの考えを調査いたしました。

その結果、ここでも中高生からは“デザイン”や“実用性”に紐づいた項目が優先され、母親たちの優先したい「BAAマーク」(15.9%)や「TSマーク」(11.2%)など、安全面の基準については、中高生には低い値になる傾向がみられました。

調査の結果、中高生にとっては、「カラー」(22.9%)をはじめとした“デザイン面”の項目や、「変速システム(内装式変速)」(18.4%)「大きな前かご」(12.6%)など“実用性”が購入時に重視されていることがわかりました。一方、母親からは安全面を図るための基準として、約90項目の検査項目をクリアした自転車のみに貼付される「BAAマーク」(15.9%)や、自転車安全整備士により、メンテナンス(点検・整備)を受けたことを示す「TSマーク」(11.2%)など、自転車自体の安全性を示す項目が高い値となり、ここでも母子それぞれの基準が大きく違う結果となりました。
また、万が一事故が発生した際の対策として考えられる「ヘルメットの購入」「自転車保険加入」については、ともに低い数値となるなど、まだまだ浸透していないことが明らかとなりました。

なお、当委員会が11月に、自転車通学や自転車の活用実態について、中学校・高校の自転車通学指導者宛におこなったFAXアンケートでは、昨今耳にする機会の多い自転車の高額賠償問題や自治体の取り組みの影響を受け「自転車保険加入」(35.0%)や「ヘルメット着用」(27.7%)で「義務化・推奨」実績があることがわかりました。購入基準では優先されなかった、万が一事故が発生した際の対策としてこれらの項目が重要視されているようです。

特に「自転車保険加入」(35.0%)については、当時小学校5年生だった少年(15)が乗った自転車と歩行者との衝突事故をめぐる損害賠償訴訟で、神戸地裁が少年の母親に約9,500万円という高額賠償を命じたケース(平成25年)や、男子高校生が対向車線で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突し、重大な障害が残ってしまい約9,300万円の賠償責任を負わなければいけなくなってしまったケース(平成20年)などの影響を受け、加入が進んでいるようです。また、これらを背景に兵庫県をはじめ自転車保険加入を義務化している自治体もあります。


【調査概要】
<全国の中学高校教職者向けアンケート>
調査方法:FAXリサーチ
回答数 :合計300校
調査時期:2015年11月

<中高生の自転車通学をする子どもを持つ主婦へのアンケート>
調査方法:インターネットリサーチ
回答数 :合計500名
調査時期:2016年1月27日(水)~1月28日(木)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[自転車の安全利用促進委員会]
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