節句と節句人形に関する意識調査 

2016年01月28日
日本人形協会は、女児の健やかな成長と健康を祝う3月3日の桃の節句を前に、母親のひな祭りへの意識とその知識について調査すべく、節句人形の購入経験があり、0~5歳の子供を持つ20~40代の既婚女性500名を対象に、「節句と節句人形に関する意識調査」を実施いたしました。

【調査結果トピックス】

①「ひな人形は実は触った方がよい ○か×か」 正解は〇 母親正答率 6.4%
  子供に手洗い習慣をつけるための桃の節句

②「ひな祭りから半年後の9月9日に、再度ひな人形を飾ってもよい ○か×か」 正解は〇 母親正答率3.0%
 “重陽の節句”と“大人のひな祭り【後の雛(のちのひな)】”の風習

③「男雛(おびな)=天皇様、女雛(めびな)=皇后様をモデルとしている ○か×か」正解は〇 母親正答率20.6%

④ 最も多かった購入の決め手は「顔の表情」 7割が回答

【調査結果】

トピックス①
「ひな人形は実は触った方がよい ○か×か」 正解は〇 母親正答率 6.4%
子供に手洗い習慣をつけるための桃の節句

0~5歳の子供を持つ母親500名に対し、「ひな人形は実は触った方がよい」という説に関して認知度を尋ねたところ、「聞いたことがある」6.4%、「聞いたことはない」が93.6%という結果になりました。

ひな人形を触った方がよいという説は、ひな祭りの歴史に由来します。江戸時代、女の子たちは、ひな祭りには友だちを招き雛道具でままごと遊びをしたと言われます。これらは成長して嫁ぐ日のための家事の稽古と意味づけられていました。その中で華やかな雛道具に触れる前に手を清める習慣をつける稽古として、ひな人形は「手を清めてから触るもの」とされていたといわれています。現代のひな人形を飾り、健やかな成長を願う行事とは異なり、女の子が家事・生活習慣を学ぶ行事としての意味もあったようです。

また、もっと過去に遡り、ひな祭りのルーツをたどると、そのルーツは河川などにわが身の厄を流す中国の風習と、人形(ひとがた)をわが身に代えて祓いとする日本古来の風習が融け合って、ひな祭りが生まれたとされています。ゆえに、ひな人形はひとがたの意味も持ち合わせており、直接触れることで自身の厄の身代わりとなるとされています。
 子供の健やかな成長と健康を願うひな祭りには、その歴史を辿ると手洗いなどの生活習慣や、厄除けの意味があるということがわかり、触った方がよいという正しい節句が見えてきます。

トピックス②
「ひな祭りから半年後の9月9日に、再度ひな人形を飾ってもよい ○か×か」
正解は〇 母親正答率3.0%
“重陽の節句”と“大人のひな祭り【後の雛】”の風習

「ひな祭りから半年後の9月9日に、再度ひな人形を飾ってもよい」という説に関して認知度を尋ねたところ、「聞いたことがある」3.0%、「聞いたことはない」が97.0%という結果になりました。

この9月9日に再びひな人形を飾るという説は「重陽の節句」と「後の雛(のちのひな)」に由来します。この節句は四季折々の節句の中でも、桃の節句や端午の節句と並んで、大切にされてきた旧暦9 月9 日に行われる行事です。 この季節に咲き、不老長寿の伝説をもつ“菊”の花を用いた料理や酒を食し、長寿と健康を祝うことから、「菊の節句」とも呼ばれています。そして、「後の雛(のちのひな)」とは、ひな祭りから半年後のこの重陽の節句の際に、しまっていたひな人形を再び飾るという風習です。江戸時代初期頃から新たに庶民の間で広まったとされている行事で、桃の節句に飾る「ひな人形」は、子供の成長を願うのに対し、「後の雛」は、大人が両親や自分自身の健康と長寿を祈願しました。現在では、新暦の9月9日が菊のシーズンと合わないことや、住環境の変化から伝統行事への関心が薄れてしまってきていることもあり、「後の雛」の慣習はほとんど知られなくなってしまいました。
ただ、一方では、家族と過ごす時間が見直されつつあり、日本人形協会では「重陽の節句」で行う“大人の雛祭り”【通称:後の雛】を10 月9 日(旧暦9 月9 日の月遅れ)に設定し、忘れられた伝統文化の復活を願って「後の雛」にふさわしい、新たなひな人形を製作なども行い、活動しております。

トピックス③
「男雛(おびな)=天皇様、女雛(めびな)=皇后様をモデルとしている ○か×か」
正解は〇 母親正答率20.6%

「男雛(おびな)=天皇様、女雛(めびな)=皇后様をモデルとしている」という説に関して認知度を尋ねたところ、「聞いたことがある」20.6%、「聞いたことはない」が79.4%という結果になりました。

男雛(おびな)と女雛(めびな)の煌びやかさもさることながら、雛飾りのもう一つの主役は雛道具です。これは概ね武家の婚礼道具をミニュチュア化しており、成長して嫁ぐ日のための家事の稽古として使われていました。そのため、大名家などは大変な手間と時間をかけて婚礼調度と同じデザインの雛道具が調えられました。また、華やかな世界にあこがれた一般の人々も、これにならって美しい雛道具を求めるようになり、華やかに飾り付けることがあまりの過熱したため、幕府が禁令を出したほどであると語られています。
ひな祭りの歴史にはこのような背景があるということも豆知識として備えておくと、より正しい節句への理解が深まります。

トピックス④
最も多かったひな人形の購入の決め手は「顔の表情」 7割が回答

ひな人形の購入経験がある母親(長子が女の子の母親、n=253)に購入の決め手を尋ねたところ、71.9%が「顔の表情」と回答し、最も票を集めました。

ひな人形は大きく分けて「木目込人形」と「衣裳着人形」の2種類ありますが、実はすべて手作業で仕上げられており、表情も1つ1つわずかに異なっています。たくさんの表情の中から、お気に入りのひな人形を探してみることも面白いかもしれません。


【調査概要】
調査名:節句と節句人形に関する意識調査
調査対象:節句人形の購入経験があり、かつ0~5歳の子供を持つ20〜40代の既婚女性500名(全国)
調査期間: 2015年12月4日~8日
調査方法: インターネットを利用したアンケート調査
調査機関:マイボイスコム株式会社

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[日本人形協会]
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