国内線LCC利用者の意識と行動調査2015 

2015年07月30日
JTB総合研究所は、「国内線LCC利用者の意識と行動調査2015」を実施。

LCC(※2)は、LCC元年と呼ばれた2012年以降、急速に浸透してきました。2015年2月にはピーチ・アビエーションが就航以来の累計搭乗者が800万人になったと発表。ジェットスター・ジャパンは、同年5月に累計900万人を達成し、8月初旬には1000万人に到達する見込みと発表しています。就航から3年が経過し、更なる路線の拡充や成田空港にLCC専用ターミナル(第三ターミナル)が誕生するなど整備も進み、利用者にとっての利便性は向上しつつあります。

現在、旅行者はLCCをどのようにとらえているのでしょうか。LCCの利用実態、今後の利用意向について2013年、2014年に続き3回目のアンケート調査を実施しました。なお、今回は、路線が拡大しつつあることや、Air Asia Japanが本拠地として運営を開始し、今後の動きが注目されるため、中部居住者についてもアンケートを実施しました。

※1:2012年以降に飛行機で旅行をした人を対象とする。
※2:Low Cost Carrier(低コスト航空会社)の略。本リリースでは国内線LCC=ピーチアビエーション、ジェットスター・ジャパン、バニラエア、春秋航空の4社いずれかが運航するものとする)

【調査結果概要】

〇国内線LCC利用率は22.5%と、2013年の調査から11ポイント増加

〇経験が多いほどキャンペーン特別価格の利用が多い
・~価格、到着時間や就航先など、様々な情報を取り賢く利用~

〇航空券の単品購入が国内線では85.9%
・~宿の予約は旅行予約サイトからが39.0%~

〇3割の人が「好きなLCC航空会社がある」と回答

【調査結果(一部抜粋)】

1. 国内線LCC利用率は22.5%。男性18~29歳では52.2%と急増。若い世代の手頃な交通手段に成長

2012年以降の航空機利用者における国内線LCCの利用率は、22.5%と昨年の15.8%から6.7ポイント増加しました。2013年の調査からは10ポイント以上増加しており、LCC利用率は着実にあがっていることが分かります。特に男性18~29歳の伸びが大きく、LCC利用率が52.2%と前年から22.5ポイント増加しました。女性18~29歳も36.1%となり、若い世代を中心に利用が広がっているといえます。地域別では、関西での利用率が33.6%と最も高くなりました。2013年から14.8ポイント上がっており、関西ではLCCの利用が日常的になっているといえるでしょう。また、中部は2013年から中部国際空港にジェットスタージャパンが就航しており、利用率19.2%で、関東(17.8%)よりも高いことが分かりました。
航空会社別にみると、ジェットスターの利用率が2.1ポイントあがり10.0%となりましたが、これは2013年12月より就航を開始したバニラエアも順調に利用率を伸ばしています。

2. 国内線LCC、最初の利用時期は2012年が32.5%。新規路線の就航が利用者増加のきっかけになる

国内線LCC利用者に初めてLCCを利用した時期を聞いたところ、日本国内にLCCが初めて就航した2012年3月から12月までの10か月間が最も高く、32.5%となりました。翌年2013年の利用者は30.1%、2014年は25.1%となっています。居住地域別にみると、各地域の空港で新規就航のあった時期に利用率があがっており、新規路線就航をきっかけに利用者が増えていることが分かります。

3. 国内線LCCの利用目的に居住地域差。関東で高い「親族訪問」「介護・見舞い」

国内線LCCを利用した旅行の目的は「観光」が74.1%(前年から0.7ポイント増加)と最も高く、親族や友人・知人訪問、介護、帰省も前年から増加しています。その一方で、業務出張は2013年から年々減少傾向にあり、国内線LCCは、ビジネス利用というよりも、個人の私的な移動の手段として定着してきたといえるでしょう。居住地域別にみると、関東では中部・関西に比べ「観光」が低く、「親族訪問」「介護・見舞い」が高くなっています。関東圏はさまざまな地域から人が集まり生活をしているため、他地域に比べ帰省など特定の地域との行き来も多いと考えられます。


【調査概要】
○調査対象
<スクリーニング調査>
・関東、中部、関西に居住する18歳以上の男女 59,716人回収。
・2012年以降の航空機利用者:24,338人、国内線LCC利用者5,385人

<本調査>
・2012年3月以降に、旅行※3のために国内線LCCを利用したことがある人1,548人(うち、旅行のために国際線LCCを利用したことがある人 879人)
・集計は、スクリーニング調査で得られたエリア(2セグメント)・年代(5セグメント)・性別(2セグメント)の国内線LCC利用者出現率によりウェイトバックを実施。
 ※3:本調査では特に断りのない限り、観光、業務出張、帰省等を含むものを指し、日帰り・宿泊は問わない。
○調査方法:インターネットアンケート調査
○調査時期:2015年7月7日~7月11日
<国内LCC4社の就航状況(2015年7月現在)*網掛けは昨年調査時点以降に新規就航した路線>

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