女性管理職のストレス傾向分析 

2016年01月28日
ピースマインド・イープの調査・研究機関である国際EAP研究センターは、約5,000名の管理職に対するストレスチェックの結果データをもとに、女性管理職のストレス傾向の分析を行いました。

2015年に女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)が制定され、女性の活躍推進が近年日本における大きな潮流となっています。特に、国際的にみて低いとされている女性管理職比率については政府が数値目標を掲げる等女性管理職増加のための様々な施策が実施されています。

本調査は、ストレスチェックで測定された職場のストレス要因(※1)と従業員のストレス度(※2)の結果を活用して、女性が管理職として活躍するために必要な職場作りのヒントを得るために実施したものです。なお、今回の調査サンプルにおいて管理職に占める女性の割合は3.9%でした。

※1ストレス要因:仕事の量的負担、職場での対人関係、上司のサポート、経営層との信頼関係等を問う設問で測定されます。
※2ストレス度:活気のなさ、イライラ感、疲労感、不安感、抑うつ感等を問う設問で測定され、個人のストレス反応の程度を表します。

【調査結果のポイント】

1.男性管理職と比較して女性管理職のストレス度が高い
管理職におけるストレス度を比較すると、男性管理職に比べて女性管理職のストレス度が高い結果となりました。

2.女性管理職のストレス度と組織体制・風土に関するストレス要因の関連が強い
ストレス要因とストレス度の関連の強さを統計的に分析し、管理職におけるストレス度と関連の強いストレス要因を抽出した結果、「ワークセルフバランス・ポジティブ(※3)」、「職場での対人関係(※4)」が男女問わず関連の強い要因として抽出されました。男性管理職では「仕事のコントロール(※5)」、「情緒的負担(※6)」、「役割葛藤(※7)」といった主に仕事上の要因が関連の強い要因として上位に抽出された一方で、女性管理職では「キャリア形成(※8)」、「個人の尊重(※9)」、「公正な人事評価(※10)」といった組織体制・風土に関する要因が上位に抽出されました。

3.組織体制・風土に関する要因が良好でないと感じている女性管理職は顕著にストレス度が高い
「キャリア形成」、「個人の尊重」、「公正な人事評価」といった、特に女性管理職のストレス度と関連の強いストレス要因とストレス度の関係を分析すると、それらのストレス要因を負担に感じている女性管理職のストレス度は、そうでない女性管理職と比較して約2倍であることが分かりました。

<注釈>
※3 ワークセルフバランス・ポジティブ:仕事でエネルギーをもらって自分の生活をさらに充実させることが出来ること。
※4 職場での対人関係:部署内での意見の相違や部署同士の対立など対人関係に関する負担が大きいこと。
※5 仕事のコントロール:仕事の内容や予定や手順などを自分で決められること。
※6 情緒的負担:仕事の上で感情面の負担が大きいこと。
※7 役割葛藤:複数の人からお互いに矛盾したことを要求される負担が大きいこと。
※8 キャリア形成:意欲を引き出したり、キャリアに役立つような教育が提供されていること。
※9 個人の尊重:職場で一人ひとりの価値観が大事にされていること。
※10 公正な人事評価:人事評価の結果についての十分な説明がなされていること。


【調査概要】
・調査期間:2015年4月~2015年12月
・調査対象:ピースマインド・イープの「いきいき職場調査 ココロチェック」シリーズによりストレスチェックを行った団体から抽出した管理職5,368名(男性5,158名、女性210名)。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ピースマインド・イープ]
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