ニールセンは、『グローバル・コネクテッド・コマース調査』の結果を発表。

・世界の57%が過去6ヵ月間に海外の小売業者からインターネットを利用して商品を購入    

・便利な機器が普及して新たな支払方法の選択肢が考案された結果、“モバイルファースト”から“モバイルオンリー”戦略へ移行する小売業者が増加


Eコマースがモバイル対応となり、革新的技術は世界中の消費者に従来とは比較にならない商品へのアクセスを可能にしています。消費者はもはや、地元の店や自分の国の品揃えに縛られてはいません。世界の57%が、過去半年間に海外の小売業者からのオンライン購入を経験しており、この値は、アジア太平洋地域(中国とインドを除く)では54%でした。

この傾向に拍車をかけているモバイル技術の進展は、地域によりさまざまです。インドの立ち上がりの速いショッピング・アプリからアフリカのサブ・サハラ地域のデジタルウォレットまで、小売業者が新しい手法で新規顧客を獲得する機会は早いペースで増えており、消費者もまたこれに反応しています。

技術が採用されてインフラが改善し、より多くの消費者がオンラインを体験してデジタルへの親和性や快適性が向上するにつれて、インターネットに接続された商取引“connected commerce”が成長してゆくことは明らかです。ニールセンの『Global Connected Commerce Survey』は、26ヵ国13,000人の回答から、消費者がEコマースを利用するさまや、その理由を明らかにしています。

同調査の対象となったアジア太平洋地域では、日本を除く多くの国で、2人に1人がインターネットショッピングで海外の小売業者から購入をしたことがあると答えました。オーストラリア(66%)、タイ(64%)、フィリピン(61%)、韓国(50%)が特に多く、日本は32%にとどまりました。

Eコマースはモバイルへ

低いインターネット普及率、高額なアクセス費用、接続の信頼性の頼りなさなど、多くの地域はいまだに改善が必要なインフラの問題を抱えていますが、一部の革新的なインターネット小売業者たちは、立ち上がりの速いモバイルアプリやショッピングサイトを提供することで解決をはかっています。同調査では、32%の回答者が、快適なインターネット取引を行うにはネット接続がまだ充分安定してはいない、と答えました。こうした市場では、インターネットビジネスの成長にはモバイル機器が極めて重要であり、多くの新規またはこれまでサービスを受けられてこなかった顧客をオンラインへと招じ入れています。その重要性は今後も続いてゆくとみられます。

インドは、モバイルへの流れを牽引する国のひとつです。インドのいくつかのインターネット小売業者は、モバイルファーストからモバイルオンリー戦略へ移行しました。モバイルショッピングへの移行は、新興成長市場だけで起きているわけではありません。IBMによると、アメリカで年間最も多くの買い物がおこなわれる”ブラック・フライデー”中に今年取引されたオンラインショッピングの約57%がモバイル機器を利用したものでした。これは、2014年の同期間に比べて15%の増加です。

クレジットカードは、もはやオンライン購入の唯一の支払い方法ではない

技術や小売の状況が急速に進化する中、支払いの慣行も変わってきています。世界で過去6ヵ月間にオンラインで買い物をした人の半数以上53%が従来のクレジットカードで支払いをしたいっぽう、43%がPayPalなどのデジタル決済で、39%がデビットカードで、38%が銀行口座からの直接引落を利用したと答えました。

アジア太平洋地域では、オンラインショッピングの代金をクレジットカードで支払うと答えたのは韓国で79%、日本では76%でした。

デジタル決済を最も多くの消費者が利用しているのはオーストラリアです。57%が過去6か月間の支払いをデジタル決済したと答えました。

デジタル決済システムは中国でも非常に人気があります。中国の回答者の86%が、過去6ヵ月間にオンラインショッピングの支払いにデジタル決済を利用したと答えました。この決済方法は、広く西ヨーロッパ(56%)、特にドイツ(68%)でも好んで利用されています。

インドでは、オンラインショッピング代金の支払方法として口座引落(61%)やデビットカード(71%)も一般的ですが、最も広く使われているのは代金引換で、83% が利用すると答えました。代金引換の人気には、いくつかの理由があります。インドでは多くの人が銀行口座を持たず、クレジットカードの普及率が比較的低く、クレジットカード保有者の多くがセキュリティに関する懸念を持っています。

代金引換は他の多くの発展途上国でも人気があります。ナイジェリア(76%)、フィリピン(73%)、ロシア(70%)、アラブ首長国連邦(68%)、サウジアラビア(59%)、コロンビア(57%)、タイ(56%)となっています。

技術と選択、拡大する中間層によって牽引され国境を越えるEコマース

消費者の買い物の範囲は、自らの居住地域外、オンライン小売業者へと、ますます拡大しています。過去6 ヵ月間にオンラインショッピングをしたというインドの回答者の74%が、海外の小売業者から購入したと答えました。この傾向は発展途上の国に限りません。西ヨーロッパでも3 分の2が海外から購入したと答えており、イタリアでは最も高く79%、ドイツでも73%に達しています。


ニールセン グローバル調査について
この調査の結果は、24ヵ国でのオンライン調査と2ヵ国での対面調査に基づいています。オンライン調査はかなりのスケールと世界的な範囲をカバーしますが、総人口ではなくインターネットユーザーについてしか調べられません。オンラインの普及がいまだ途中である発展途上国では、対象者がその国の一般的な姿より若年でより経済的に裕福な場合があります。対面インタビューは、サウジアラビアとアラブ首長国連邦で実施されました。異なる調査法のため、これら2ヵ国の結果は世界平均には含まれていません。
調査への回答は、実際の測定データではなく主張された行動に則っています。感情を伝えることについての文化的な違いは、国別の概要測定要因でもあります。調査結果はこれらの違いをコントロールまたは補正していません。したがって、地域を越えて国や地方の比較を行う場合には注意を要します。

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[ニールセン]
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