トムソン・ロイターは、保有する特許データを基に、自動車業界において注目されている自動運転技術の特許動向分析の結果を発表しました。

トムソン・ロイターによる分析リポート「自動車業界の技術革新 2016 - 自動運転車を取り巻く世界のイノベーション動向」では、自動運転に関連する3つの技術分野(自律型自動運転、運転者支援、テレマティクス)について詳しく分析し、過去5年間で当3分野から22,000件以上の新たな発明が創出され、日本を中心としたアジア企業・機関が当分野におけるイノベーションをけん引していることが示されています。

このリポートの主要な分析結果は以下の通りです

日本及びアジアが世界をリード:
自動運転車(自律型自動運転、運転者支援、テレマティクス)のイノベーションは、トヨタ、ボッシュ、デンソー、ヒュンダイ、ゼネラルモーターズ、日産をはじめとした世界中のリーダーにけん引されています。その中でも、日本及びアジアの活躍が顕著です。トヨタは、本リポートで取り上げた3つの技術分野において、過去5年間で2,000件以上の発明を創出しました。これは、2位にランクインしているボッシュに比べて2倍の数となります。また、自律型自動運転においては、世界のイノベータートップ20社のうち、11社を日本及びアジアが占めており、世界のイノベーションリーダーとしての地位を確立しています。

開かれたパートナーシップの機会:
従来の自動車業界のプレーヤーが優勢である一方で、専門技術を有する多くのテクノロジー企業・研究機関が、注目に値するほどの自動運転関連の特許を取得しています。LGエレクトロニクス、サムスン、グーグル、ボーイング、IBM、アマゾン、カーネギーメロン大学、マサチューセッツ工科大学は、過去5年間でかなりの数の自律型自動運転に関する知的財産権を取得しています。

今後、これらのテクノロジー企業とパートナーシップを組む、自動車業界の企業が増えるでしょう。トムソン・ロイター IP & Scienceのアナリストは、アップルとテスラモーターズの特許動向を基に、保有する自動運転車関連の発明が少なく、この分野のリーダーとは言えないアップルが、テスラモーターズと事業提携をする可能性も十分あり得ると予測しています。同2社が提携するとしたら、両社の戦略的動向を示唆するものとなるでしょう。


【分析方法】
本リポートは、トムソン・ロイターの保有する付加価値特許データ-Thomson Reuters Derwent World Patents Index(DWPI)を基に、2010年1月1日から2015年10月31日までの期間に公開された特許出願および登録特許における発明の合計数を分析しています。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[トムソン・ロイター]
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