高機能包装材料市場に関する調査 2015 

2015年12月10日
矢野経済研究所は、国内の高機能包装材料市場の調査を実施した。

<高機能包装材料とは>
本調査における高機能包装材料とは、バリア性や易開封(イージーオープン)性などの機能を有し、食品やトイレタリー製品などの包装に使用される材料を指す。

<包装用ハイバリア性材料市場とは>
本調査における包装用ハイバリア性材料市場とは、アルミ箔、PVDCコート(K-コート)フィルム、EVOH系フィルム、PVA2軸延伸フィルム、PVAコートフィルム、アルミ蒸着フィルム、透明蒸着フィルム、共押出多層Nyフィルムの計8品目を対象とし、国内メーカーの出荷数量ベースで算出した。
但し、PVAコートフィルムには有機無機ハイブリットグレードの一部を含み、共押出多層Nyフィルムはバリアグレードのみを対象とした。

【調査結果サマリー】

◆2015年の包装用ハイバリア性材料市場は前年比102.1%の124,390tの見込、食品のロングライフ化を追い風に需要が増加
2015年の国内の包装用ハイバリア性材料(アルミ箔、PVDCコートフィルム、EVOH系フィルム、PVA2軸延伸フィルム、PVAコートフィルム、アルミ蒸着フィルム、透明蒸着フィルム、共押出多層Nyフィルム合計)の市場規模(メーカー出荷数量ベース)は、124,390t(前年比102.1%)を見込む。
食品メーカーや流通業界において、食品ロスの削減に向けて食品の保存期間長期化のニーズが高まっており、アルミ蒸着フィルムや透明蒸着フィルムを中心にハイバリア性の包装材料の需要が増加傾向にある。ただし、新たにハイバリア性の包装材料が採用されたことで、食品ロスが減少することにより、包装材料そのものの需要縮小で相殺されるケースもみられる。

◆イージーピールフィルムはコンビニ関連や医療分野で新規用途開発が進み、2015年の国内市場規模は前年比105.8%の8,250tの見込
イージーピールフィルムは、主にデザート類や豆腐などの蓋材として使用されているが、これまでは需要に大きな増減が無く、成熟市場とされてきた。しかし、CVSのカウンターコーヒー(アイスコーヒー)用蓋材や医療器具の包装など新規用途の開発が進み、市場規模が再び成長している。  2014年の国内のイージーピールフィルム市場(メーカー出荷数量ベース)は7,800t(前年比106.1%)と推計し、2015年の同市場は8,250t(前年比105.8%)を見込む。

◆生産体制の合理化に向けて、合弁会社設立や生産子会社統合が選択肢の一つに
国内の高機能包装材料市場は需要が安定的である一方、人口減少などにより今後の大きな市場拡大を見込みにくい。そのため、包装材料メーカーは生産能力の増強や生産拠点のバックアップ体制の構築など多額の設備投資に踏み切りにくい状況にある。このような状況下で、メーカーの間で他社との合弁会社設立や生産子会社の統合などにより、生産体制の合理化を図る動きがみられる。資本や人材などのリソースが限られる中、メーカーは他社との連携を進めることによって、投資リスクやコストなどを最小限に抑えながら、生産体制の拡充や見直しを進めることができる。


【調査概要】
・調査期間:2015年9月~11月
・調査対象:軟包装材料及びその原反(L-LDPE、OPP、CPP、PET)メーカー、ハイバリア性材料メーカー、イージーピールフィルムメーカー、シュリンクフィルムメーカー、鮮度保持包装材料メーカー等
・調査方法:当社専門研究員による直接面談

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[矢野経済研究所]
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