手洗い(清潔感)とハンドソープに関する意識調査 

2015年12月01日
プラネットは、消費財にまつわるトピックスをお届けする「Fromプラネット」の第26号として、手洗い(清潔感)とハンドソープに関する意識調査の結果をご紹介します。

【調査結果】

■手洗いにかける時間…10秒以下で済ませている人が約半数

毎年12月から3月頃に流行すると言われるインフルエンザ。予防のためには、こまめなうがいや手洗いが肝心です。今回は、風邪やインフルエンザなどの感染症予防に効果的と言われる、手洗いとハンドソープについて調査を実施。手を洗う時間や回数、ハンドソープ・石鹸の使われ方など、手洗いの実態についてまとめました。

最初に、1日に平均何回くらい手を洗うかを聞きました。最も多かったのが「4~5回」の25.0%で、4人に1人の割合。さらに1~5回、6~9回、10~15回以上についてそれぞれ数値を合わせると、“5回以下”の人が最も多く、45.7%。2位の“10回以上”21.3%を大きく上回っています。また、男女別で比べると、男性は“5回以下”53.3%、“10回以上”16.4%なのに対して、女性は“5回以下”が33.8%、“10回以上”が29.1%。女性は男性に比べて手洗い回数が多い傾向が見られ、3割近い人が1日に10回以上手を洗っていました。手洗いや清潔感に対する、女性の意識の高さがうかがえます。

次に、1回の手洗いにかける時間や、洗う部分について調べました。手洗い時間で最も多かったのは、「6~10秒」の36.3%。これに「1~5秒」12.5%を合わせた“10秒以下”の数値は48.8%になります。手洗いは最低15秒以上、できれば30秒かけて行うことが望ましいとされていますが、約半数の人が、“10秒以下”で済ませていることがわかりました。

手を洗う部分については、「手のひら」が96.5%と1位。以下「指」78.7%、「手の甲」77.3%、「指の間」68.9%と続き、これらの部分については、7~8割と高い確率で洗っていることがわかります。しかし、洗ったほうがいいと言われる「手首」や「爪」は、それぞれ29.6%、29.0%で、3割以下の人しか洗っていません。手洗いにかける時間についても、また洗う部分についても、望ましいとされる丁寧な洗い方を実践できている人は少数派である実情がうかがえました。

■「水」で手を洗う人が大多数、ただし冬は「ぬるま湯」「お湯」も

今度は、手を洗うとき、水・ぬるま湯・お湯のいずれで洗うかを聞きました。結果は、春夏秋冬どの季節においても「水」で洗う人が最も多く、「年間を通して最も頻度の高いもの」を聞いた項目で「水」が81.8%と、8割を超えていました。ただし、「冬」に「水」で洗う人は50.2%で、他の季節に比べて低くなり、水の冷たい季節には、「ぬるま湯」「お湯」で洗う人が多くなっています。
それぞれで洗う理由も自由回答で聞きました。「水」については、「いつでも使える」「温度調整しなくていいので、手っ取り早い」など、手早く洗えるという回答が目立ちました。これに対して、「ぬるま湯」「お湯」で洗う人の理由は「冷たい水がいや」という以外に、「きちんと手を洗うため、心地いい温度で洗っている」「キレイに洗った感じがする」などで、手洗いに対する意識の高さがうかがえました。
さらに、「ぬるま湯」「お湯」で洗う人の比率を手洗い時間別に見ると、手洗いにかける時間が長い人ほど、「ぬるま湯」「お湯」で洗う人が多い傾向にあることがわかります。
冬の寒い季節ともなると、冷たい水では、時間をかけて洗っていられず、さっと濡らしてぱっと済ませたくなります。季節にかかわらず、自分にとって心地いい温度の水を使えば、指先や手首まで、時間をかけて丁寧に洗うことができます。手洗い時間別に見た結果からも、丁寧な手洗いのためには、水温も大切な要素の一つと言えそうです。

■ハンドソープや石鹸を使うのは「手が汚れたとき」「外出先から帰ったとき」

感染症予防のためには、石鹸をよく泡立て、最低15秒以上かけて手を洗うのがよいとされています。そこで今度は、どんなときに、ハンドソープや石鹸を使って洗うかを調べてみました。
結果は、「手が汚れたとき」が73.4%で1位、以下「外出先から帰ったとき」68.4%、「トイレで大をしたとき」60.9%と続きました。手洗い回数などの調査結果と同様、ほとんどすべての項目で、女性の数値が男性を上回りました。女性のほうがより清潔への意識が高いことがうかがえるとともに、「ゴミの処理をしたとき」「料理をする前」「掃除をした後」など、女性が担うことの多い「家事」の場面で、手洗いをする機会が多いことも一因と考えられます。

■家庭での手洗いは、液体の“ハンドソープ派”が主流

ハンドソープ(液体)と固形石鹸の使用傾向について、もう少し調べてみました。その結果、自宅で手を洗うときに使うのが「ハンドソープのみ」という人が49.6%で、ほぼ半数。「固形石鹸のみ」という人は11.4%と約1割に過ぎず、「主に固形石鹸だが、ハンドソープも使う」人を合わせた“固形石鹸派”は22.0%。これに対して、「ハンドソープのみ」「主にハンドソープだが、固形石鹸も使う」を合わせた“ハンドソープ派”は68.7%で、7割近くに上りました。もはや家庭での手洗いは、“ハンドソープ派”が主流のようです。

それぞれを使う理由についても自由回答で聞きました。「固形石鹸のみ」の人は、「安くて使いやすいから」「ハンドソープは防腐剤などの添加物が気になる」など、価格の安さや自然で安心なことを理由に上げていました。
ハンドソープと石鹸の両方を使っている人は、汚れ具合や用途によって使い分けているという回答が見られたものの、「しっかり洗いたいときは固形石鹸」「ハンドソープはひどい汚れのとき」など、ハンドソープ・固形石鹸それぞれの洗浄力に対するイメージには、個人差があるようです。
「ハンドソープのみ」という人は、「ワンプッシュで手軽に洗える。泡立てる必要がないから」などの便利さ以外にも、「固形石鹸だと溶けて、洗面台が汚れる」「ほかの人が使った石鹸に触れたくない」など、衛生面を気にする心理がうかがえました。
“ハンドソープ派”の人は、便利さと清潔感にメリットを感じていると言えそうです。

■ハンドソープ購入の際、重視するのは「殺菌力」「洗浄力」

それでは、ハンドソープを購入する際には、何を重視しているのでしょうか。結果は、「殺菌力(薬用)」と答えた人が45.2%でトップ。前項目で、ハンドソープを使う人は衛生面を気にする傾向があったこと、ハンドソープと固形石鹸の両方を使う人が上げた理由に「ハンドソープは薬用で殺菌用」とあったことなど、これまでの調査結果とも一致しています。
「殺菌力」以下、「汚れの落ちやすさ(洗浄力)」40.8%、「価格」38.1%に次いで、「泡立ちのしやすさ」32.1%、「泡タイプ」23.4%と続きます。“泡立ちのよさ”は、前の調査でハンドソープを使う人が理由に上げていた、“手軽さ”“便利さ”にも通じると考えられます。

■売れ筋ハンドソープ…トレンドは“泡”と“薬用”!
 ここで、ハンドソープの売れ筋ランキングを見てみましょう。


ランキングで目立つのは、名前に「泡」と「薬用」が入った商品。20位までで、名前に「泡」の入ったアイテムは実に14点。「薬用」とついたものも8点あります。
「泡」タイプは、便利というだけでなく、その泡立ちのよさは洗浄力にもつながっています。「薬用」ともども、殺菌効果をうたったものが多く、まさに感染症予防にうってつけと言えそうですね。

■使い慣れない“ポンプ式”、石鹸には“もったいない”精神が

最後に、手洗い(石鹸/ハンドソープ)にまつわるエピソードを紹介しましょう。売れ筋の「泡タイプ」については、「子どもが喜んで手洗いする」「泡立ちが早いのはもちろん、容器の目詰まりがなくなった」など、人気のほどがうかがえました。一方、ハンドソープについて、ノズルのつまりや液だれによるボトル汚れへの不満を上げる回答もあり、「ポンプ先がとんでもない方向へ向いていて、大失敗」など、ポンプ式ボトルを使い慣れない人も少なくないようです。昔ながらの固形石鹸には、「小さくなったら新しいものに貼りつけて使い切る」「網に入れて最後まで使っている」など、“もったいない”精神がにじむエピソードが寄せられました。
「機械油」や「爪の間」、「生魚を調理したとき」など、落としにくい汚れやにおいに困ったという回答も目立ちました。最近は、肉・魚の脂や生臭さ、逆に食品への香り移りに配慮した、キッチン専用商品も出ているので、試してみるといいかもしれません。
より機能的に進化を続け、従来の固形石鹸に代わって、家庭での手洗いの“主流”になっているハンドソープ。インフルエンザが心配なこれからの季節、殺菌力に優れたハンドソープで、すみずみまで丁寧な手洗いを心がけたいものです。


出典:インターワイヤード株式会社が運営するネットリサーチ『DIMSDRIVE』実施のアンケート「手洗い(清潔感)とハンドソープ」。
調査期間:2015年10月23日~11月2日、DIMSDRIVEモニター4,531人が回答。表4~表7・エピソードの出典も同アンケートです。

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