2016 年度・新卒採用に関する企業調査-内定動向調査(2015年9月調査) 

2015年10月30日
ディスコは、全国の主要企業13,170社を対象に、9月下旬時点の2016年度の採用活動状況について調査しました(有効回答1,355社)。

【調査結果】

1.2016 年 3 月卒業予定者の 月卒業予定者の 月卒業予定者の選考終了状況

9 月下旬の調査時点で、2016 年 3 月卒業予定者の採用選考を「終了した」企業は全属性の総合で 43.6%。昨年 9 月上旬に実施した前年度調査(48.9%)を 5.3 ポイント下回り、終了率は低下している。
従業員規模別では、規模が小さくなるほど終了率は下がる。1000 人以上の大手企業では半数を超えているが(51.2%)、300~999 人の中堅企業は 45.9%、300 人未満の中小企業は 36.7%と、中堅・中小いずれも半数に届いていない。業界別では「IT」(38.0%)と「サービス業」(39.2%)で 3 割台にとどまり、「金融」が唯一、6 割に届いていた(60.0%)。
いずれの規模・業界も前年調査を下回り、全体的に終了率が下がっていることがわかる。

2.9 月下旬時点の採用選考の充足率

採用予定数に対する内定者の割合、いわゆる「充足率」は、全属性の総合で 71.2%。昨年 9 月上旬に実施した前年調査より時期が約 3 週間遅いが、前年実績(73.8%)をやや下回っている。
ただ、今年度中間調査(2015 年 7 月)では充足率は 37.9%だったので、8 月の選考解禁を挟み、企業が精力的に内定出しを行った様子が分かる。
従業員規模別に見てみると、大手企業の 81.8%に対し、中堅企業は 73.5%と 8.3 ポイントの差があり、中小企業は 62.1%で 19.7 ポイントの差がついている。
業界別では、終了状況同様「金融」が 81.0%と最も高い。「サービス業など」は 67.5%で、他の業界に比べ充足の遅れが目立つ。

採用選考を「終了していない」企業(全体の 56.4%)に、終了していないのは当初予定通りであるか、それとも予定外であるかを尋ねた。「当初予定通りに進行している」は 34.4%と 3 分の 1にとどまり、「終了しているはずだったが、内定者が予定数に届かず継続している」が 6 割を超えている(65.6%)。計画通りに進んでいない企業が多数におよぶことが確認できる。

3.選考途中辞退者および 選考途中辞退者および 選考途中辞退者および内定辞退者の増減

「選考途中辞退者」と「内定辞退者」について、それぞれ前年度からの増減を尋ねたところ、いずれも前年度より大きく増加したことが分かった。
選考途中辞退者については、「かなり増えた」12.4%、「やや増えた」33.7%と、合計 46.1%が増えたと回答した。これに対し、「かなり減った」3.8%、「やや減った」9.2%の合計は 13.0%にとどまる。「増えた」が「減った」を大きく上回っている。
内定辞退者については、「かなり増えた」の割合がより高く、2 割を超えている(21.9%)。「やや増えた」(28.7%)とあわせると 50.6%。
内定辞退について過去 7 年間の推移を見ると、内定辞退者は増加傾向にあることが分かる。特に前年度は「増えた」とする企業が 4 割近く(38.7%)と急激に増えたが、今回さらに大きく増え、過半数(50.6%)となった。

4.採用状況の満足度 4.採用状況の満足度 .採用状況の満足度

内定者への満足度については、全体的に「量に対する不満」がかなり強い。「質・量ともに満足」は 27.6%と前年調査(27.7%)と変化はないが、「質的には満足だが、量的には不満」が前年の24.6%から 38.4%へと大きく増えた。ここに「質・量ともに不満」20.5%を合計すると 58.9%となり、量に対し不満を持つ企業は 6 割近くに上る。中間調査(2015 年 7 月)において、エントリー数が減り母集団形成に苦戦する企業が増えたことが明らかになったが、加えて内定辞退が増えたことで採用予定数を確保できず、量への不満が高まっていると推察できる。
従業員規模別では、大手企業で「質・量ともに満足」の割合が 32.2%と高く、「質・量ともに不満」は 14.5%にとどまる。規模が小さくなるにしたがい「質・量ともに不満」の割合が高まる。

5.内定時期と採用活動終了予定時期

内定時期について、「内定出しのピーク(最も多くの内定を出した時期)」「内定辞退のピーク(最も多く辞退があった時期)」を尋ね、「内定出しの開始」時期と重ねて比較してみた。「内定出し」と「内定出しのピーク」は比較的時期が分散化しており、企業によって異なる動きをしていたことが分かる。一方、「内定辞退のピーク」は 8 月に集中しており、過半数(53.7%)が「8 月」と回答した。8 月 1 日の選考解禁直後に内定が出た企業に就職を決定した学生が多かったため、一気に内定辞退が出たと考えるのが妥当だろう。

一方、採用選考を終了していない企業(全体の 56.4%)の「終了予定時期」として最も多いのは、「12 月」で 3 割強(31.6%)にのぼる。次いで「10 月」が 21.3%。全体の 7 割強が年内に目処をつけたいと考えているが、前年調査に比べればやや遅くなる傾向が見られる。
大手企業は年内に 8 割以上(80.6%)が終了予定だが、中小企業は「2 月」「3 月」まで選考を続ける予定の企業が多いことが読み取れる。

6.スケジュール繰り下げの影響 スケジュール繰り下げの影響

採用スケジュールが繰り下がったこと(3 月広報解禁、8 月選考解禁)への影響を、自社の採用活動にとって有利に働いたか、それとも不利に働いたか、という観点で尋ねた。
「有利になった」との回答はかなり限られ、「とても有利になった」(0.5%)、「やや有利になった」(2.8%)をあわせても、3.3%に過ぎず、「不利になった」との見解が圧倒的に多い。「とても不利になった」(33.3%)、「やや不利になった」(31.3%)と、合計 64.6%にのぼる。「不利になった」の割合は従業員規模が大きくなるほど高まり、1000 人以上の大手企業では 7 割強(70.9%)だった。
スケジュールを守った企業からは「8 月解禁を厳守したが、出遅れた感が否めない」「一斉に面接が始まったことで日程が被り、キャンセルが続出した」と言った不満が聞かれ、一方で早くから内定を出していた企業からは「上位校内定者が 8 月以降、大手企業に流れた」「8 月以降の辞退者が予想以上に多かった」など、辞退増加についてのコメントが多かった。

7.2017 年 3 月卒業予定者の採用数 月卒業予定者の採用数 月卒業予定者の採用数と採用予算

ここからは 2017 年 3 月卒者の採用計画に関する調査結果を紹介したい。
2017 年度の採用見込みについて尋ねたところ、「増える見込み」と回答したのが 19.1%で、「減る見込み」(5.4%)の 3 倍以上にのぼった。企業の採用数はここ数年増加傾向が続いているが、引き続き採用意欲が高いことが分かる。「今年度並み」と回答した企業は全体の 75.5%。
従業員規模別で大きな差はないが、1000 人以上の大手企業において「増える見込み」の割合がやや高い(20.5%)。2016 年度は大手企業の採用意欲の高さが目立ったが、来期についても大手企業に牽引されるかたちで全体的に採用数が増えそうだ。業界別では、いずれも前年より「増える」が「減る」を上回っている。特に「IT」で 26.4%が「増える見込み」と回答し、採用意欲の高さが際立っている。
採用数の増加に伴い、予算も増加傾向が表れている。「かなり増える(3 割以上増)」(5.3%)、「やや増える(1~2 割増)」(22.1%)と、あわせて約 3 割(27.4%)が「増える」と回答した。

8.2017 年度採用での利用予定メディア 年度採用での利用予定メディア 年度採用での利用予定メディア

2017 年度採用で利用予定のメディアを尋ね、2016 年度採用での利用実績と比較した。
全体的に大きな変化は見られず、最も多いのは「就職情報サイトへの情報掲載」で、87.5%と前年(87.9%)と同水準。次いで「学内セミナー・説明会」が 81.9%で前年(77.1%)から 4.8ポイント増えている。「大学への求人票」は 4 番目に多く(78.2%)、採用重点層に漏れなくアプローチしたいとの意向がうかがえる。
3 番目の「自社採用ホームページ」(79.6%)、5 番目の「合同セミナー・説明会」(73.9%)までが 7 割を超えており、多くの企業にとって外せないメディア(サービス)となっている様子が分かる。

9.2017 年度採用で注力したいこと 年度採用で注力したいこと 年度採用で注力したいこと

2017 年度の採用で注力したいことを尋ねると、「大学との関係強化」が最も多く、過半数が選んだ(57.9%)。次いで「内定者フォロー」(47.6%)、「選考日程の見直し」(47.5%)と続く。9月下旬の調査時は、スケジュールの再見直しが俎上に乗っていなかったため、「選考日程の見直し」は半数未満だったが、2 年連続での見直しが決定されれば、選考日程を見直さざるを得ない企業が急増するだろう。
「大学との関係強化」に注力したいと回答した企業に、大学との関係強化策として考えていることを尋ねた。「キャリアセンターへの訪問を増やす」(71.3%)と「学内セミナーの新規出展を増やす」(70.2%)の 2 項目が 7 割を超え突出して多かった。

10.インターンシップ実施状況 .インターンシップ実施状況


今年度(2015 年 6 月~2016 年 3 月)のインターンシップについて尋ねた。昨年は採用広報開始時期の繰り下げを受け、それまでほとんど実施のなかった「冬季」「春季」に新たに実施する企業が増えたが、今年も新規実施が増えそうだ。「冬季」は 7.7%、「春季」は 8.1%が、「昨年は実施しなかったが、今年は実施」と回答した。一方で、「冬季」以降を「未定」と回答した企業が 3 割を超えており、他社の動向を見ながら今後、実施企業が出てくると予想される。
「夏季」にインターンシップを実施した企業(全体の 31.5%)に、その満足度を尋ねたところ、「質・量ともに満足」が 46.6%と満足している企業が半数に迫る。大手企業で「量的には満足だが質的に不満」の割合が高いのが目立ち(27.9%)、参加学生の質にこだわる傾向が見られる。


【調査概要】
調査対象:全国の主要企業 13,170 社
調査時期:2015 年 9 月 24 日 ~ 10 月 2 日
調査方法:インターネット調査法
回答社数:1,355 社

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ディスコ]
 マイページ TOP