新大人研レポート19:シニアから新大人へ、新型50・60代に(40~60代調査) 

2015年10月27日
博報堂新しい大人文化研究所では、40~60代を“新しい大人世代“と呼び、調査研究を行っています。

これまでわが国では若者やヤングファミリーのライフスタイルは語られてきました。しかし、今後は、50・60代の人口が増え、これからの新しい大人の傾向をリードしていく新型50・60代の登場により「新しい大人のライフスタイル」に注目が集まりそうです。

いままで50・60代といえば、会社でも、子供が独立した家庭でも、リタイア感が強くなっていました。しかし調査の結果、40-60代の88.2%は「これから自分なりのライフスタイルを創っていきたい」と思っていることがわかりました。特に女性はいずれの年代でも90%を超えており、女性がその傾向をリードしているといえます。

「お金をかけたいコト、モノ」を尋ねたところ、「貯蓄・投資運用」「健康管理・病気予防」に重きを置きながらも、レジャーにもお金をかけたいと思っていることが明らかになりました。また、「自身の趣味」を尋ねたところ、1位が「パソコン・インターネット」となりました。以下、エンタテインメント、グルメが挙がっています。若い時に食べ歩きとエンタテインメントを楽しんだ50代半ばの「ハナコ世代」や団塊世代は、今も趣味として継続している、と言えます。

増やしたいコミュニケーションとしては、3世代・夫婦に続いて仲間も高い。学び・遊びと消費が一体になり始めた世代である「ハナコ世代」や団塊世代という新型50・60代が、「健康管理」や「貯蓄」を意識し、これからに備えつつ、新しい大人のライフスタイルを創りだそうとしています。

【調査結果】

■ライフスタイル創造意向は88.2%と9割近い。「リタイア・脇役」感から大きく転換。
「新しい大人のライフスタイル」が創られようとしている。


50代は88.5%、60代は88.8%とわずかながら、50・60代が高いこともわかりました。とくに、女性は40-60代を通して、90%を超えており、女性のほうがややその傾向が強いことも見えてきました。子育てが終わる時期になり、「自分なりのライフスタイル」に目が向いているようです。

■男性は「奥さんとライフスタイルを創りたい」、女性は「自分ひとりで創りたい」と思う傾向に。しかし、男女ともに多いのは「夫婦二人で新しい大人のライフスタイルを創りたい」。

誰とライフスタイルを創るのかについて、男性は「配偶者と創りたい」が40代43.4%、50代42.2%、60代39.8%と女性に比べ高い結果になりました。これに対して、「夫に先立だれる」という意識があるためか、女性は年齢が高くなるにつれ、「自分ひとりで創って行きたい」が、40代21.7%、50代 23.8%、60代 29.2%と男性に比べて高くなっており、夫の「片思い」ということがいえそうです。しかし、男女ともに「配偶者とも創りたいが自分ひとりのスタイルも創りたい」が最も高く、基本的には、子育てを終えた後に、「夫婦二人で新しい大人のライフスタイルを創りたい」という思いが浮かび上がってきます。

■「貯蓄・投資運用」「健康管理・病気予防」で基盤をつくりながら、レジャーや食事、学びを楽しむ。

おカネをかけたいコト・モノから、「新しい大人のライフスタイル」の中身を探ってみると、「貯蓄・資産運用」(39.0%)でおカネを増やし、「病気・老化の予防」35.4%、「病気や老化への対処」(35.4%) 「現在の健康や若さの維持・向上」(31.9%)など健康管理やアンチエイジングに力を入れ、生活の安定を図っているのがわかりました。 一方で、「旅行・リゾートやレジャー」(60.7%)、「趣味」(55.7%)、「エンタテインメント(映画・演劇・コンサート・美術)」(34.8%)とレジャーを楽しむ生活も見えてきました。さらに「自分の教養・知識を高める活動」(26.4%)と昨今の「大人の学び」ブームに表れているように、学びへの意欲も感じられます。4位の「食事・ 調理などふだんの食生活」(37.6%)からうかがえるように「普段の食生活」を充実させたい意識が高まっているようです。また、男女別にみると、女性は「旅行」男性は「趣味」と言えそうです。

■自身の趣味は1位「パソコン/インターネット」、2位「ショッピング」3位「読書」。

自身の趣味では「パソコン/インターネット」(51.5%)が際立っており、特に男性60代は63.6%と抜きんでていました。3位には「読書」、5位に「音楽鑑賞(レコード・CD)」、「映画館での映画鑑賞」、8位「DVDでの映画鑑賞」とエンタテインメント系が並んでいます。また、4位に「食べ歩き」が入っており、現在、50代半ばの「ハナコ世代」が、若いOLのときに、食べ歩きとエンタテイメントを楽しんだように、60代団塊世代から40代バブル世代まで、若い時に親しんだグルメ・エンタテインメントを今も趣味にしている、といえます。そして、健康のための運動としてはもちろん、「街歩きや街道歩き」 が盛んになっている「散歩」(30.0%)は5位に入り、9位「ドライブ」(23.1%)はとくに男性が楽しみにしています。

■「3世代」・「夫婦」そして「仲間・友人」とのコミュニケーションを充実させようとしている。

今後誰とのコミュニケーションを増やしたいかという設問では、やはり、1位は「子供」87.8%と2位は「孫」86.6%であり、「3世代コミュニケーション」への欲求が高くなっています。それに続くのが3位「配偶者・パートナー」84.2%であり、「夫婦コミュニケーション」を求める度合いが特に男性で高いことがわかります。また、4位「年齢を問わず、価値観や考え方を共有できる友人・知人」、6位「同世代のプライベートな友人」と合わせ、現在の40-60代は「仲間や友人」とのコミュニケーションを求める傾向にあるといえます。「年齢を問わず、価値観や考え方を共有できる友人・知人」が高いことは、団塊の世代以降、世代が異なっていても自由に気の合う仲間と付き合いたいという考え方を象徴しています。

参考資料
■自身の運動・スポーツ上位は「ウォーキング」「ストレッチ」「ゴルフ」 「ジム」 「登山ハイキング」、夫婦の運動でもウォーキングが1位に

自身が定期的に行っている運動の1位はなんといっても「ウォーキング」(24.9%)です。それに続くものとして女性は「ストレッチ」、男性は「ゴルフ」となり、今までやってきたスポーツを継続しているようです。また、若い頃から親しんできた「ジム」も上位にあり、若い時に親しんだスポーツを引き続き楽しんでいるようです。また、近年の登山ブームを反映して「登山・ハイキング」が5位に表れています。


【調査概要】
調査主体:博報堂 新しい大人文化研究所
調査対象:40~60代男女
対象エリア:
 1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)
 中小都市(首都圏、熊本市・岡山市以外の政令指定都市および岩手県・宮城県・福島県を除く)
対象者数:2,700サンプル
調査手法:インターネット調査
調査日時:2015年3月20日(金)~3月22日(日)

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[博報堂]
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