第14回CEO承継調査 

2014年05月07日
経営コンサルティング会社Strategy&(旧ブーズ・アンド・カンパニー、現日本法人名:プライスウォーターハウスクーパース・ストラテジー株式会社)は、世界の上場企業における時価総額の上位2,500社を対象に、CEOの承継についての第14回となる年次調査をまとめた。

調査対象のうち2013年にCEOが交代したのは全体の14.4%で、2012年の15.0%からわずかに減少したものの、過去5年間の平均13.9%に比べると高い水準となっている。通常交代(解任やM&Aに伴う交代以外の計画的な交代)が70%以上を占めており、ここ数年と同水準であるが、調査開始10年間の平均53%に比べると、20%近く高い水準となっている。

過去14年間の調査から次のような傾向が明らかとなった。

・ブラジル・ロシア・インドの交代率が21.1% 国・地域別に見ると、ブラジル・ロシア・インドの交代率が21.1%と最も高い結果となった。日本は15.0%で、最も低いのは西欧の12.9%であった。業界別では、通信の22.1%が最も高く、エネルギーの11.4%が最も低い。

・「グローバルなCEO」は世界でも少数派 新任CEOの76%を内部昇格者が占めている。またCEOに就任した企業に他業界から参画したのは42%で、残る58%は同業界より参画している。CEOの出身国・地域で見ると、新任CEOの80%は本社所在国と同じ国籍であるが、これは過去5年間の平均82%に比べてわずかに減少している。また、65%は本社と異なる地域での職務経験を持っていないという結果が出た。

・MBA保有者は28% 新任CEOのうちMBA保有者は28%で、2003年の19%と比べて50%近く増加している。

・日本企業の特徴 国・地域別に見ると、日本にはいくつかの顕著な傾向が見られた。日本は新任CEOの97%が内部昇格者であった。新任CEOの平均年齢は61歳と最も高く、世界平均の53歳に比べて極めて高い。日本国外での勤務経験のある新任CEOは37%と、2012年の17%に比べて高い結果となった(世界平均は35%)。日本企業が2009年~2013年の間に日本人以外のCEOを迎えた割合はわずか2%である(世界平均は18%)。

・増加する女性CEO比率 2004~2013年の女性CEOの動向を見ると、調査した10回のうち8回について新任CEOに占める女性比率が退任CEOの女性比率より高い結果となっている。同期間中は全体では退任したCEOの人数は就任したCEOの人数を上回っているが、女性のCEOでは退任が56名(1.6%)、就任は84名(2.8%)と女性のCEOが浸透しつつある。



調査方法
2013年1月1日時点の時価総額ベースで、世界の上場企業上位2,500社(ブルームバーグに基づく)を抽出。主に各企業からの情報(交代の理由を除く)を基に、2013年にCEOの交代があった企業を特定し、退任するCEOおよび新CEO、ならびに暫定CEOについて、その肩書、任期、性別、会長職、国籍、職務経験などに関する詳細情報を入手した。個々のCEO交代の理由については弊社が個別に検証を行った。2013年に買収あるいは合併した企業と総株主リターンに関するデータはブルームバーグから入手した。総株主リターンは、地域別に市場調整と年率換算を行い、配当があった場合には配当の再投資分を含む。先進国と新興国の区別は国連開発計画(UNDP)2013年ランキングによる。

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