第10回グローバル・イノベーション調査 

2014年11月05日
経営コンサルティング会社Strategy&(旧ブーズ・アンド・カンパニー)は、第10回グローバル・イノベーション調査を実施した。この調査は、研究開発に多額の費用を投入した世界の上場企業のトップ1,000社を「グローバル・イノベーション1,000社」として特定し、研究開発が企業業績に及ぼす影響および企業業績について評価を行い、高い費用対効果を生むためには何が手がかりになっているのかを探るために毎年実施しているものである。

10回目となる2014年調査の結果、以下の動向が明らかになった。

・2014年調査におけるR&D支出額は6,470億米ドルと調査開始以来、最高額となった。しかし、R&D支出の対前年増加率は1.4%にとどまり、2013年調査の3.8%から低下し、過去9年の年平均成長率5.5%に比べてかなり低い伸び率となった。

・対売上高R&D支出比率は、第1回の2005年調査時から17%低下した。

・産業別に見てみると、R&D支出の対前年増加率はソフトウエア・インターネットが16.5%増ともっとも高かった。一方、R&D支出の47%を占めたコンピュータ・エレクトロニクスとヘルスケアはそれぞれ1.8%減、1.2%減と、2010年以来初の減少となった。

・地域別では、北米、欧州、日本に本社を置く企業がR&D支出の上位を占めているものの、過去10年間で見てみると、中国に本社を置く企業のR&D支出がグローバル1,000社に占める割合が15倍に増加した。2014年調査では中国に本社を置く企業のR&D支出が45.9%増加した。これに対して、北米と欧州はそれぞれ3.4%増、2.5%増にとどまった。日本は14.0%減で、調査対象地域において唯一の減少であった。

・R&D支出額のランキングは下記のとおりで、フォルクスワーゲンとサムスンは引き続き1位、2位となった。日本企業ではトヨタ自動車が7位、ホンダが17位という結果になった。グローバル・イノベーション1,000社中、日本企業は190社がランクインしている。



調査方法
2014年6月30日時点でR&Dに多額の費用を投入した世界の上場企業1000社を特定(R&D支出額について公的なデータが存在する会社)し、各社について主要な財務指標を分析した(売上高、粗利益、営業利益、純利益、R&D支出額)。支出額の数字はすべて、その年の平均為替レートに従って米ドルに換算した。その後各社を、9の業種(あるいは「その他」)に、そして本社所在地によって5つの地域に分類した。

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