カーボンナノチューブの世界市場に関する調査 2015 

2015年10月07日
矢野経済研究所は、カーボンナノチューブ(CNT)の世界市場調査を実施した。

<カーボンナノチューブ(CNT; Carbon NanoTube )世界市場とは>
本調査におけるカーボンナノチューブ(CNT)世界市場とは単層CNTと多層CNTにより構成され、世界市場規模は単層CNTと多層CNTの市場規模をメーカー出荷量ベースにて算出し、その合計値としている。

【調査結果サマリー】

◆ 2014年のカーボンナノチューブ(CNT)世界市場規模は590.8t、前年比137.3%と大きく伸長
2014年のカーボンナノチューブ(CNT)世界市場規模はメーカー出荷量ベースで590.8t、前年比137.3%と大きく伸長した。このうち、単層CNTは試料としての採用が中心となっていたが、低価格・安定供給を打ち出すメーカーが参入したことで、2014年の市場規模は0.8t、同266.7%となった。多層CNT市場ではリチウムイオン電池(LiB)向けの需要が好調であり、2014年は590t、同137.2%と順調にその規模を拡大させている。

◆ リチウムイオン電池(LiB)用途が世界市場を牽引
2014年の分野別需要構成比はエネルギー分野(LiB導電助剤等)がおよそ70%を占め、電気・電子分野(半導体部品の搬送トレー等)で20%弱、自動車分野(燃料部品等)で10%となる。

◆ 2020年のカーボンナノチューブ(CNT)世界市場規模は1,335t、うち単層CNT15t、多層CNT1,320tと予測
2020年のカーボンナノチューブ(CNT)世界市場規模は単層CNT15t、多層CNT1,320tの合計で、1,335tに達するものと予測する。
単層CNT市場ではサプライヤーの量産体制が整い始めたことで、本格的な立ち上がりの時期が近づいてきており、今後はキログラム単位からトン単位で市場が動くものとみる。多層CNT市場では樹脂複合材料としての需要が底堅いほか、引き続きLiB用途が市場を牽引していくものと考える。2018年頃にはゴム複合材料など新規テーマでの採用も期待できる。


【調査概要】
調査期間:2015年4月~9月
調査対象:カーボンナノチューブ、及びアプリケーションを扱う国内外メーカー・企業、研究所、大学等
調査方法:当社専門調査員による直接面談取材をベースに、文献調査を併用

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[矢野経済研究所]
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