パワーアシストスーツ市場に関する調査 2015 

2015年10月07日
矢野経済研究所では、国内のパワーアシストスーツ市場の調査を実施した。

本調査におけるパワーアシストスーツとは、動力源の有無や種類に係らず、装着することで人の動作や姿勢に対して何らかのアシスト(支援・補助など)を行うものを指す。なお、本調査ではセンシング・自立制御・駆動のロボット3条件を満たす、非産業用のロボット(サービスロボット)に該当するものもあるが、必ずしも当該3条件を満たさなくても、何らかのアシスト機能を持つものも対象としている。また市場規模は歩行支援目的と(身体の)負担軽減目的についてメーカー出荷金額ベースで算出している。

【調査結果サマリー】

◆ 2015年度のパワーアシストスーツ市場規模は25億7,100万円の見込
2015年度の国内におけるパワーアシストスーツ市場規模はメーカー出荷金額ベースで、前年度比396.8%の25億7,100万円の見込みである。2013年度までは散発的な製品化はあったものの、市場として成立するほどではなく、2014年度以降から参入企業や製品が増加し、市場創出に向けて本格的なスタートを切ったといえる。

◆ 既存製品は法人向け製品が主となり、個人需要の開拓に課題
パワーアシストスーツは主に歩行支援と(身体の)負担軽減の製品が市場投入されているが、同じ目的でもその機能や効果、素材、形状、構造が異なり、センシング方法もそれぞれ参入企業各社独自のものを採用する。また、既存製品は法人需要をターゲットにしたものが多く、個人向けの製品はまだ少ない。利用条件や価格の高さが難点になっているものもあり、個人需要の開拓はこれからの課題となる。

◆ 2018年度のパワーアシストスーツ市場規模は58億円を予測、製品数は拡大傾向、潜在需要は大きく、低価格化と用途や効果の拡大も進み、普及を期待

2018年度の国内におけるパワーアシストスーツ市場規模はメーカー出荷金額ベースで、58億円を予測する。パワーアシストスーツは今後、新製品が増えることで、ようやく利用目的や期待する効果に応える製品が出揃い、低価格化も進展するものとみる。まだ市場の歴史が浅い分、機能や効果、安全性、製品価格などで課題も多いものとみるが、国内における法人・個人における潜在需要を鑑みると、市場拡大の期待も大きいものと考える。


【調査概要】
調査期間:2015年7月~9月
調査対象:国内パワーアシストスーツメーカーや販売元、大学等
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[矢野経済研究所]
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