定置用蓄電池(ESS)市場に関する調査 2015 

2015年10月01日
矢野経済研究所は、国内の定置用蓄電池(ESS)市場に関する調査を実施した。

<定置用蓄電池(ESS:Energy Storage System)市場とは>
本調査における定置用蓄電池(ESS)とは、鉛蓄電池、リチウムイオン電池(LiB)、ニッケル水素電池、レドックスフロー電池、Na-S電池を対象とした。
また、本調査では、定置用蓄電池市場を設置先・需要分野別に、以下の5 つの区分に分類した。
①住宅用:主に戸建住宅に設置される蓄電池(ESS)、一部マンションや集合住宅設置分を含む
②電力系統用:発電所・変電所設置、再生可能エネルギー電源への併設、ならびに離島などのマイクログリッドシステム、新電力事業者での蓄電池(ESS)需要
③企業・業務用:オフィスや医療・介護施設等におけるBCP(Business Continuity Plan)対策向け、ならびに工場等の大口電力需要家におけるピークシフト/ピークカット、BCP対策で設置される蓄電池(ESS)
④公共施設用:学校や公民館等にて設置される蓄電池(ESS)
⑤その他:鉄道等で導入される蓄電池(ESS)

【調査結果サマリー】

◆2015年の定置用蓄電池(ESS)国内市場は58万1,491kWh の見込み、住宅用蓄電池(ESS)を牽引役に2017年の同市場規模を119万5,708kWh と予測
2015年の定置用蓄電池(ESS)国内市場規模(メーカー出荷容量ベース)は前年比194.1%の58万1,491kWh となる見込みである。設置先・需要分野別では住宅用蓄電池(ESS)が5割以上と最も高い比率を占め、市場の牽引役となっている。
住宅用蓄電池(ESS)関連プレーヤーは今後に向け太陽光発電(PV:Photovoltaic power generation)とのセット提案や、FIT による余剰電力買取制度の10年間の契約期間が終了する2019年以降を見据えて既設PVユーザー向けの提案を推進している。国の補助金の状況次第で2016年は成長率の鈍化が予測されるが、上記提案の推進により再び成長率は回復する流れにあると考える。住宅用以外では再生可能エネルギーの増加、電力市場の変化を背景に、電力系統用、企業・業務用の需要の伸びが市場成長に寄与し、2017年の同市場規模(同ベース)は119万5,708kWh まで拡大すると予測する。

◆2020年の定置用蓄電池(ESS)国内市場を330万6,600kWh と予測、2017年比では3倍近くの市場成長の見通し
2020年の定置用蓄電池(ESS)国内市場規模(メーカー出荷容量ベース)は、2017年比で276.5%の330万6,600kWh になると予測する。設置先・需要分野別では住宅用が引き続き高い比率を占め、66.0%の比率になると予測する。住宅用以外では電力系統用が16.9%、企業・業務用が14.5%を占めると予測する。


【調査概要】
調査期間:2015年5月~9月
調査対象:定置用蓄電池(ESS)関連メーカー、蓄電システム関連プレーヤー他
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[矢野経済研究所]
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