「限定正社員」に関する調査(企業と労働者対象) 

2015年09月28日
アイデムの研究部門である「アイデム 人と仕事研究所」は、企業1,178社と労働者1,814名を対象に「限定正社員」に関する調査を行い、本日調査結果を発表。

当社では、1997年(平成9年)からパート・アルバイト等の非正規雇用に関する調査を行い、毎年、『パートタイマー白書』として発表しています。今年は、高まる人材不足感を背景に、「企業はどのように自社戦力の確保を図るのか」「働きたくても十分には働けていない労働者が、より良く働くための雇用環境は」といった、双方のニーズの架け橋になると期待される限定正社員制度に焦点を当てました。調査結果からは、正規雇用と非正規雇用の溝を埋める働き方として、限定正社員のさまざまな現状や可能性が見えてきています。

【調査結果 ※一部抜粋】

<企業からみた限定正社員>
・「限定正社員に該当する従業員がいる」と回答した企業は33.4%
・正社員区分が複数ある働き方のメリット
 限定正社員がいる企業といない企業で回答に大きな差
 限定正社員がいる企業の方がさまざまな利点を感じている結果に・限定正社員の解雇について 「解雇のしづらさは正社員と変わらない」が68.4%
・限定正社員の今後の増減 「現状と変化なし」が多いものの、限定正社員がいる企業ではいない企業よりも増加予想が高い

<労働者からみた限定正社員>
・限定正社員の認知度 限定正社員という働き方について「聞いたことがある」が36.4%、「聞いたことはない」が63.6%
・自身に健康の問題や家族に介護の必要などが発生した際、限定正社員という働き方が「有効だと思う」51.1%
・転居を伴う転勤の可否 「異動の辞令を断り、退職する」は正社員男性が24.7%、正社員女性では48.2%
・現在正社員で働いている女性の45.0%が「勤務地限定正社員で働きたい」と回答

<調査内容の抜粋>

【企業からみた限定正社員】

◆「限定正社員に該当する従業員がいる」と回答した企業は33.4%

企業に、限定正社員の有無と導入の意向を聞いた。「限定正社員に該当する従業員がいる」と回答した企業は33.4%と約3割。「限定正社員に該当する従業員はいないが、会社のしくみ・制度上では就業可能である」が15.6%、「限定正社員に該当する従業員はおらず、会社のしくみ・制度上では就業不可能であるが、今後導入に興味がある(導入を検討している)」が13.5%、「限定正社員に該当する従業員はおらず、会社のしくみ・制度上も就業は不可能であり、導入に興味もない(今後の導入も検討していない)」が37.4%となった。

◆正社員区分が複数ある働き方のメリット 
 限定正社員がいる企業といない企業で回答に大きな差  
 限定正社員がいる企業の方がさまざまな利点を感じている結果に


企業に、正社員区分が複数ある働き方についてのメリットを聞いたところ、「一般的な正社員よりも賃金等
の人件費が抑えられる」が最も多く28.1%、次いで「能力を考慮した人員配置ができる」24.8%、「メリットはない」22.6%、「業務に習熟した人材が定着する」21.9%、「限定正社員本人のモチベーションが向上する」19.3%、「評価に応じた適切な処置ができる」17.1%となっている。
「限定正社員がいる」企業と「限定正社員はいない」企業で大きな差が出た項目は「メリットはない」で、「限定正社員がいる」企業の方が22.1ポイント低くなっている。一方、「限定正社員本人のモチベーションが向上する」では11.5ポイント、「業務に習熟した人材が定着する」では10.5ポイントと、それぞれ「限定正社員がいる」企業の方が高くなっている。「限定正社員がいる」企業の各メリット項目に対する回答も多いことから、正社員区分が複数ある働き方の導入に対して、ある程度満足していることがうかがえる。

◆限定正社員の解雇について 
「解雇のしづらさは正社員と変わらない」が68.4%


企業に、雇用調整を行う場合、限定正社員は一般的な正社員に比べて解雇しやすいと思うかと聞いたところ、「当然、正社員よりも解雇しやすい」が8.4%、「どちらかと言えば、正社員よりも解雇しやすいと思う」が23.2%で、両者を合わせると企業の31.6%が「正社員よりも解雇しやすい」と回答している。一方、「解雇のしづらさは正社員と変わらない」は68.4%となっている。
これを限定正社員の有無別にみると、「正社員よりも解雇しやすい」は「限定正社員がいる」企業で29.7%、「限定正社員はいない」企業で32.5%となり、「限定正社員がいる」企業の方が2.8ポイント低かった。
限定正社員という働き方について、「安易な解雇につながるのではないか」という意見を散見するが、今回の結果からは、そのような考えをもっていない企業が多いことがうかがえる。

◆限定正社員の今後の増減 
「現状と変化なし」が多いものの、限定正社員がいる企業では、いない企業よりも増加予想が高い


企業に、限定正社員の種類別と一般的な正社員について、それぞれ今後の増減を聞いた。
全体を通してみると、限定正社員については、「現状と変化はないと思う」が8割強と大勢を占めるものの、「増える(増やす)と思う」も約11%~16%の幅で回答がある。
これを限定正社員の有無別でみると、「増える(増やす)と思う」との回答は、「限定正社員がいる」企業の方が「限定正社員はいない」企業をすべての限定正社員の種類で上回っている。特に、「<勤務時間>のみ限定(22.6%)」、「<職種・職務+勤務地>が限定(22.3%)」、「<勤務地+勤務時間>が限定(20.6%)」、「<勤務地>のみ限定(19.8%)」が2割前後で上位となり、今後、これらの種類が限定正社員として普及していく可能性を感じる。
一般的な正社員についても今後の増減を聞いているが、「増える(増やす)と思う」が26.7%、「現状と変化はないと思う」64.3%、「減る(減らす)と思う」8.9%という結果となった。

【労働者からみた限定正社員】

◆限定正社員の認知度、限定正社員という働き方について「聞いたことがある」が36.4%、「聞いたことはない」が63.6%

個人の回答者全員に、限定正社員という働き方を知っているかを聞いた。結果は、「聞いたことがあり、内容も知っている」が11.5%、「聞いたことはあるが、内容はよく知らない」が24.9%で、両者を合わせると回答者の36.4%が、限定正社員という働き方について「聞いたことがある」と回答した。一方、「聞いたことはない」は63.6%と6割を超えていた。
《雇用形態/正社員意向》別にみると、「聞いたことがある」との回答は、「非正規雇用/正社員意向なし」で28.5%、「非正規雇用/正社員意向あり」で38.5%、「正社員」で41.7%となった。

◆自身に健康の問題や家族に介護の必要などが発生した際、限定正社員という働き方が「有効だと思う」51.1%

現在正社員で働いている者に、今後も正社員で働き続けるにあたり、今までの働き方では働き続けられない事情が生じた場合、限定正社員のような働き方は正社員として継続就業するのに有効かと聞いたところ、「有効だと思う」51.1%、「有効ではないと思う」13.8%、「わからない」35.1%という結果となった。
また、「今までの働き方では働き続けられない事情が生じた場合」を想定してもらったが、「自身の心身の健康状態に問題が生じた場合」54.8%と「家族に介護・看護の必要が生じた場合」53.4%が拮抗している。次いで「高齢になった場合」40.9%、「自身や配偶者に出産・育児の必要が生じた場合」28.7%、「転居が必要な転勤・異動を命じられた場合」26.4%となっている。
上位に挙がった2項目は、いつ誰に起こっても不思議ではない項目である。現状と同じ働き方ができなくなった場合に、正社員から限定正社員へと移行できれば、退職せずに働き続けられるかもしれない。

◆転居を伴う転勤の可否 
異動の辞令を断り、退職する」は正社員男性が24.7%、正社員女性では48.2%


個人の回答者全員に、転居を伴う勤務先の異動を命じられた場合にどのように対応するかを聞いた。全体では、「異動の辞令を受ける」が45.6%、「異動の辞令を断り、退職する」が54.4%で、退職意向がやや強くなっている。
≪雇用形態/正社員意向/男女≫別にみると、「非正規雇用/正社員意向なし」の者は男女とも「異動の辞令を断り、退職する」が7~8 割に上る。一方、「非正規雇用/正社員意向あり」の者では、男性は「異動の辞令を受ける」が62.8%に上るものの、女性では37.0%に留まり、退職意向が強い。「正社員」も同様の傾向で、男性では「異動の辞令を受ける」者が75.3%に上るのに対し、女性は51.8%と大幅に低く、女性にとって転居を伴う転勤は大きな障壁であることがうかがえる。

◆現在正社員で働いている女性の45.0%が「勤務地限定正社員で働きたい」と回答

現在正社員で働いている者に、一般的な正社員よりも労働条件が免除されている限定正社員という働き方が今後整備された場合、限定正社員として働きたいかを、限定正社員の種類別に聞いている。
職種限定正社員については、男性は「働きたい」20.6%、「働きたくない」31.8%。女性は「働きたい」31.3%、「働きたくない」23.0%となっている。
勤務地限定正社員については、男性は「働きたい」31.8%、「働きたくない」26.0%。女性は「働きたい」45.0%、「働きたくない」16.6%となっている。
勤務時間限定正社員については、男性は「働きたい」22.0%、「働きたくない」31.8%。女性は「働きたい」36.4%、「働きたくない」20.8%となっている。
現状の正社員という働き方から、単純に限定正社員として働きたいかを聞いているので、「働きたくない」との回答が多く集まると予想していたが、女性では3種類の限定正社員のすべてで、「働きたい」が「働きたくない」を上回っており、特に勤務地限定正社員でその傾向が顕著だった。また、男性では勤務地限定正社員だけが、「働きたい」が「働きたくない」を上回った。


<調査概要>

【企業調査】雇用に関するアンケート調査
調査期間  :2015年6月25日~29日
調査方法  :WEBアンケート調査
有効回答者数:1,178社
調査対象  :30人以上の正社員を雇用し、かつ、パート・アルバイト、契約社員、嘱託社員のいずれかの雇用形態の従業員を雇用している企業の経営者または人事関連部署の監督職以上の者

【個人調査】働き方に関するアンケート調査
調査期間  :2015年6月12日~16日
調査方法  :WEBアンケート調査
有効回答者数:1,814名
調査対象  :20歳から59歳までの男女で、現在、正社員、パート・アルバイト、契約・嘱託社員のいずれかの雇用形態で就業している者

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