2015年度 国内・海外出張旅費に関する調査 

2015年09月10日
産労総合研究所が発行する定期刊行誌「労務事情」は、2015年6月に、これまでほぼ3年おきに実施してきた「国内・海外出張旅費調査」を実施。

【調査結果のポイント】

(1)国内出張旅費


◎日帰り出張の日当を支給する企業は91.4%。平均支給額(一律同額の場合)は、部長クラス2,497円,一般社員2,041円

◎宿泊出張の日当を支給する企業は92.0%。平均支給額(一律同額の場合)は,部長クラス2,809円,一般社員2,276円

◎宿泊出張の宿泊料の平均支給額(全地域一律の場合)は,部長クラス10,078円,一般社員9,088円

◎新幹線グリーン車の利用を許可している企業は、部長クラスで24.7%(条件付きの許可を含む)

◎国内出張旅費の削減策(複数回答)は、「テレビ会議やウェブツールによる代替」35.1%,「ディスカウントチケットや旅行パックの利用」31.6%


(2)海外出張旅費

◎日当の平均支給額(円建て企業)は,北米で部長クラス5,827円、一般社員4,988円,東南アジアで部長クラス5,326円、一般社員4,567円

◎宿泊料の平均支給額(円建て企業)は,北米で部長クラス16,008円、一般社員14,042円,東南アジアで部長クラス14,501円、一般社員12,735円

◎海外旅行傷害保険に加入している企業は77.6%。治療費の平均保険金額をみると,傷害保険は部長クラス887万円~一般社員863万円,疾病保険は部長クラス794万円~一般社員789万円

◎航空機の利用クラスは、部長クラスで「ビジネスクラス」4.6%,「エコノミークラス」71.3%

◎海外出張旅費の削減策(複数回答)は、「ディスカウントチケットや旅行パックの利用」25.9%,「テレビ会議やウェブツールによる代替」24.1%


【調査結果の概要】

(1)国内出張旅費
1.日帰り出張

◎日当の支給状況
通常の日帰り出張(早朝出発,時間外〈深夜〉帰着を除く)における日当の支給状況をみると,「支給する」が91.4%,「支給しない」が7.5%であった。
日当を支給する企業においては,日当を距離・時間・地域等(役職・資格区分を除く)で区分している企業が43.4%,一律同額(役職・資格区分のみ含む)としている企業が56.0%であった。

◎日当の平均支給額
日当を一律同額としている企業の平均支給額は,社長3,881円,専務3,431円,常務3,274円,取締役3,082円,部長クラス2,497円,課長クラス2,367円,係長クラス2,124円,一般社員2,041円となった。

2.宿泊出張
◎日当の支給状況
通常の宿泊出張(早朝出発,時間外〈深夜〉帰着を除く)における日当の支給状況についてみると,「支給する」が92.0%,「支給しない」は6.9%であった。日当を一律同額としている企業の平均支給額は,社長4,496円,専務3,960円,常務3,764円,取締役3,496円,部長クラス2,809円,課長クラス2,652円,係長クラス2,394円,一般社員2,276円である。

◎宿泊料
宿泊料については,宿泊地域によって区分を設けている企業もある。回答企業では「全地域一律」が50.0%,「区分を設けている」が44.3%であった。「区分を設けている企業」の区分数の内訳は,「2区分」53.2%,「3区分」20.8%,「4区分」3.9%,「5区分以上」2.6%である。
宿泊料を全地域一律とする企業における平均支給額をみると,社長13,372円,取締役11,613円,部長クラス10,078円,課長クラス9,685円,係長クラス9,263円,一般社員9,088円である。

◎グリーン車・スーパーシート等の利用許可状況
在来特急のグリーン車利用は,役員(平取締役)に認める企業が40.8%,部長クラス9.8%,課長クラス3.4%,一般社員はなしであった。「条件付きで認める」企業は,役員(平取締役)で18.4%,部長クラス21.8%,課長クラス16.1%,一般社員16.1%となっている。
新幹線のグリーン車については,役員(平取締役)に認める企業が39.1%,部長クラスは4.0%。「条件付きで認める」企業は,役員(平取締役)で17.8%,部長クラス20.7%,課長クラス16.7%,一般社員16.7%となっている。
航空機のスーパーシート等については,役員(平取締役)に認める企業が23.6%。「条件付きで認める」企業は,役員(平取締役)で15.5%,部長クラス14.9%,課長クラス12.6%,一般社員12.1%となっている。

◎国内出張旅費の削減策
国内出張旅費の削減策をみると(複数回答)、「テレビ会議やウェブツールによる代替」35.1%,「ディスカウントチケットや旅行パックの利用」31.6%,「回数券の利用」「出張回数・人数の削減」25.3%となっている。

(2)海外出張旅費
◎日当
海外出張の日当について,出張地域別に平均支給額を部長クラスと一般社員でみると,円建て企業では,北米で部長クラス5,827円・一般社員4,988円,中国で部長クラス5,277円・一般社員4,514円,東南アジアで部長クラス5,326円・一般社員4,567円などである。

◎宿泊料
海外出張の宿泊料について,平均支給額を部長クラスと一般社員でみると,円建て企業では,北米で部長クラス16,008円・一般社員14,042円,中国で部長クラス13,763円・一般社員12,070円,東南アジアで部長クラス14,501円・一般社員12,735円などである。

◎海外旅行傷害保険の加入状況
社員の海外出張に際して,不測の事態に備えて海外旅行傷害保険に加入する企業も多い。回答企業では,海外旅行傷害保険に「加入している」企業は77.6%,「加入していない」企業は13.2%であった。加入対象者は「出張者全員」が89.6%である。
治療費の平均保険金額をみると,傷害保険は部長クラス887万円~一般社員863万円,疾病保険は部長クラス794万円~一般社員789万円。死亡・後遺障害の平均保険金額は,傷害保険が部長クラス3,960万円~一般社員3,600万円,疾病保険は,部長クラス2,520万円~一般社員2,365万円であった。

◎航空機の利用クラス基準
海外出張時の航空機の利用クラス基準について,出張旅費規程等でどう定められているかをみると,役員は,「ビジネスクラス」32.8%,「エコノミークラス」32.8%,「ファーストクラス」2.3%。部長クラスは,「ビジネスクラス」4.6%,「エコノミークラス」71.3%。課長クラスは,「ビジネスクラス」0.6%,「エコノミークラス」75.3%。一般社員は,「ビジネスクラス」とする企業はなく,「エコノミークラス」76.4%であった。

◎海外出張旅費の削減策
海外出張旅費の削減策をみると(複数回答)、「ディスカウントチケットや旅行パックの利用」25.9%,「テレビ会議やウェブツールによる代替」24.1%,「会社による一括管理(予約・手配等)」21.8%などとなっている。


【調査概要】
調査名:「2015年度 国内・海外出張旅費に関する調査」
調査対象:当社会員企業および上場企業から任意に抽出した約3,000社
調査時期:2015年6月
調査方法:郵送によるアンケート調査方式
集計対象:締切日までに回答のあった174社について集計

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[産労総合研究所]
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