大学時代の学びと成長に関する調査 

2015年09月09日
ベネッセホールディングスの社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」は、全国の短期大学、四年制大学、六年制大学卒業の学歴を持つ 19,833名を対象に、大学時代の学びと成長に関する調査を実施。

1990 年代以降、大学ではさまざまな制度・組織の改革が行われてきました。これらの改革によって、大学教育はどのように変化を遂げたのでしょうか。大学教育は、学生に学習成果をもたらし、卒業後の人生に貢献できているのでしょうか。これらの点を明らかにし、これまでの大学教育改革をふりかえるとともに、今後の大学教育の在り方を検討することを目的に調査を実施しました。

なお、調査では「大学教育」が、大学時代の「学びの充実」や「成長実感」、さらには卒業後の「自己効力感」にどう関連するかを確認しました。また、調査対象を、大学教育を受けた時期が、改革が本格化する前の層(40~55 歳)と後の層(23~34 歳)に分け、2 つの世代間で比較することで、改革による変化を明らかにしました。

【主な調査結果】

1.大学時代の成長を実感している卒業生は、23~34 歳で約 8 割、40~55 歳で約 7 割。
大学時代全体を通しての成長を「実感した(とても+まあ実感した)」と回答した比率は、23~34 歳で 77.5%、40~55 歳で 72.5%である。世代間で比較すると 5.0 ポイントの差があり、大学時代の成長実感は高まる傾向にある。

2.大学教育において、学生が主体的に学ぶ機会は増加している。
主体的な学びの機会を示す 6 項目について「あった(よく+たまにあった)」と回答した比率を世代間で比較する。「少人数で学ぶ」や「学生のグループワーク」といった授業形式だけでなく、「研究テーマにおける自主性の尊重」、「教員との双方向のやりとり」、「教科書にはない教員の知見・見解にふれる」といった教員の教育力をあらわすものや、「自分の考えを徹底して深める」といった学生が一人で取り組む機会にも差がある。項目によってばらつきはあるが、23~34 歳は、40~55 歳より「あった」と回答した比率が約 8~17 ポイント高い。

3.大学時代の主体的な学びが多い群は、少ない群より、成長を実感した割合が 19.8 ポイント高い。
大学時代の主体的な学びが多い群と少ない群で、大学時代全体を通しての成長を「実感した(とても+まあ実感した)」と回答した比率を比較する。卒業生全体では、主体的な学びが多い群 93.2%に対し、少ない群が 73.4%で 19.8 ポイントの差がある。

4.大学時代の主体的な学びが多い群は、少ない群より、現在の自己効力感が高い。
大学時代の主体的な学びが多い群と少ない群で、現在の自己効力感が「ある(とても+まあそう思う)」と回答した比率を比較する。自己効力感は次の 3 項目で示す。

・「ものごとが思ったように進まない場合でも、自分は適切に対処できる」
主体的な学びが多い群 77.7%に対し、少ない群が 69.5%で 8.2 ポイントの差がある。

・「危機的な状況にあったとき、自分が立ち向かって解決していける」
主体的な学びが多い群 77.7%に対し、少ない群が 68.0%で 9.7 ポイントの差がある。

・「今の調子でやっていけば、これから起きることにも対応できる」
主体的な学びが多い群 77.4%に対し、少ない群が 69.3%で 8.1 ポイントの差がある。

5.在学中に主体的学びの重要性に気付く学生は少なく、卒業後、時間が経つほど、その重要性を痛感する。
大学教育に対して、現在の考えに近いほうを選んでもらった結果を、2012 年に大学生 4,911 名を対象に行った調査の結果とあわせて世代間で比較する。主体的な学びは次の 2 項目で示す。

・「単位をとるのが難しくても、自分の興味のある授業がよい」
在学生 45.2%、卒業生(23~34 歳)70.6%、卒業生(40~55 歳)79.3%

・「学生が自分で調べて発表する演習形式の授業が多いほうがよい」
在学生 16.7%、卒業生(23~34 歳)42.8%、卒業生(40~55 歳)54.2%


【調査概要】
・名称:大学での学びと成長に関するふりかえり調査
・調査テーマ:大学での学びと成長についての意識や実態
・調査方法:インターネット調査
・調査時期:
 ① 2015 年 3 月 12 日~13 日
 ② 2015 年 5 月 1 日~8 日
・調査対象:23~34 歳、40~55 歳の日本の短期大学、四年制大学、六年制大学を卒業した者19,833 名(23~34 歳 11,613 名、40~55 歳 8,220 名)
※23~34 歳、40~55 歳という年齢設定は、改革が本格化する前と後の大学教育を経験した層で比較可能にするための区分である。

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[ベネッセホールディングス]
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