2016年度・新卒採用に関する企業調査―中間調査 

2015年07月27日
ディスコは、全国の主要企業10,200社を対象に、7月上旬時点の2016年度の採用活動状況について調査しました(有効回答1,144社)。

採用スケジュールの大幅繰り下げと旺盛な採用意欲を背景に、2016年度の採用戦線は混乱を極め、過熱の様相を呈しています。採用戦線スタートから4カ月が経過し、8月選考解禁ルールを前にした7月時点での企業の採用活動状況を調査し分析しました。

【調査結果】

1.2016 年 3 月卒業予定者の採用見込み

景気回復による求人増で、就職採用戦線は売り手市場が鮮明になっている。
2016 年 3 月卒業予定者の採用見込みは、全採用属性の総合で「増加」と回答した企業が全体の4 割弱(38.0%)を占め、「減少」9.4%を 28 ポイント余り上回っている。
前回調査(2015 年 2 月・採用方針調査)においても「増加」29.2%に対し「減少」6.9%と、採用意欲の高さが表れていたが、5 カ月が経過した本調査でも引き続き積極的な採用姿勢が確認できた。
採用属性ごとのデータを見ると、すべての属性で「増加」が「減少」を上回り、とりわけ理系学生の採用意欲の高さが目立つ。
従業員規模別でも、いずれも「増加」が「減少」を大幅に上回るが、特に 1000 人以上の企業において 44.3%が「増加」と回答し、大手企業の採用増が顕著。業界別では「IT」で 44.4%が「増加」と回答した。

2.採用活動の開始時期

採用スケジュール繰り下げ(3 月広報解禁、8 月選考解禁)により、企業の活動スケジュールはどう変化しただろうか。
エントリーシート(ES)受付開始は「3 月上旬」に集中し、採用広報解禁と同時に ES を受け付けたという企業が 3 社に 1 社以上(34.8%)にのぼった。これに対し、ES での選考結果通知のタイミングは分散し、企業によって結果通知までに要した期間が大きく異なったことがうかがえる。
筆記・適性テストは 4 月上旬(10.8%)を中心に小さな山が形成され、リクルーター面談に山は見られない。リクルーターの担う役割によって各社で登場のタイミングが異なるからだろう。

次に面接開始と内定出しの時期を見てみよう。
8 月の選考解禁と同時に面接をスタートするという企業は全体の 10.1%にとどまり、それより前の開始が 8 割を超える(82.9%)。中でも多いのは昨年までの選考解禁時期にあたる「4 月上旬」(10.6%)で、政府方針に対応できなかった企業が予想以上に多かったようだ。但し、企業規模により差が見られ、従業員 1000 人以上の大手企業では「8 月上旬」が 17.5%で最多となっている。
内定出しの時期は、選考解禁直後の「8 月上旬」(9.6%)と「6 月上旬」(9.5%)が多く、「9月以降」も 8.5%ある。内定出しも企業規模によって動きが異なり、従業員 1000 人以上の企業では面接同様「8 月上旬」に集中している(17.4%)。大手企業では 8 月の選考解禁と同時に面接を開始し、短期間で選考を進め内定出しまで持っていくケースが少なくない、との予想が立つ。
従業員 300~1000 人未満の企業では、内定出しは「6 月上旬」が最も多く(10.8%)、大手に先んじて動いていたことがわかる。300 人未満の中小企業では 6 月上旬も多いものの(9.0%)、「9月以降」が最多で(11.8%)、大手や中堅企業が一段落してから本格化させる企業も少なくないようだ。

3.学生の反応(2015 年度採用との比較)

次に採用母集団形成の動向を見てみよう。「エントリー数」は、前年度に比べ「増えた」が 23.8%、「減った」が 53.7%で、減った企業のほうが増えた企業の 2 倍以上にのぼった。前年調査でも減った企業が多かったが、減少傾向がさらに進んだ格好だ。
この傾向は「自社セミナー・会社説明会の参加人数」と「選考への応募者数」でも同様で、やはり「減った」と回答した企業が「増えた」を上回っている。採用数が増えたのに逆に応募者が減ってしまい、企業の苦戦ぶりが際立つ結果となった。
とりわけ従業員 300~1000 人未満の企業で「減った」との回答が目立つ。学生優位の売り手市場で大手志向が強まる中、そのあおりをもろに受けたのがこの層だったようだ。

4.学生に対する満足度

採用活動のフェーズごとに学生への満足度を尋ねたところ、いずれのフェーズでも「質・量ともに満足」の割合が前年より減少した。また、「質的には満足だが、量的に不満」が大幅に増えており、量に対する不満がかなり強まっていることがわかる。前ページで見た通り学生の反応が鈍く、量が圧倒的に不足しているからだろう。一方、質への満足度がやや上がった背景には、スケジュールの変更で学生の動き方が変わり、昨年までは接触できなかった層の学生が早期に受けに来ていることや、インターンシップ経験者の応募が多かったことなどが推察できる。ただ、あくまで選考解禁前の評価であり、質・量とも最終的にどうなるかはまだ不透明だ。

5.7 月上旬時点の内定者充足率

採用予定数に対する内定者の割合、いわゆる「充足率」は、全採用属性の総合で 37.9%。選考解禁の 1 カ月前に 4 割弱を確保と考えると、かなり高い数字と言えそうだ。従業員規模別に見てみると、従業員 300~1000 人未満の中堅企業(40.7%)と 1000 人以上の大手企業(39.5%)に比べ、300 人未満の中小企業では 34.7%とやや遅れている。業界別では、「製造」(40.2%)と「IT」(40.0%)が 4 割に達している一方、「金融」は 33.2%で最も充足率が低い。8 月の選考解禁以降、どのように変化するか注目したい。

9.日本人留学生の採用

日本人留学生の採用を予定している企業を対象に、日本人留学生に求める資質を尋ねた。最も多かったのが「語学力」で、46.7%が選んだ。国内学生では最多項目である「コミュニケーション能力」(43.2%)よりも、上位にきている。そこで日本人留学生に期待する英語力を確認してみると、42.5%の企業が選考時にビジネスレベル以上の英語力を求めていると回答。入社時には過半数に達する(50.2%)。業務のグローバル化が進み、共通言語である英語力が強く求められているようだ。
実際、日本人留学生への調査では、8 割強がビジネスレベル以上の高い英語力を有している。

 日本人留学生採用のために講じている施策を尋ねたところ、「国内学生の採用と一緒に行っている」という回答が前年の 54.7%から 74.4%へと約 20 ポイント伸びた。留学生採用企業の 4 社に3 社は、特別な施策は行わない計算になる。講じている施策として最も多いのは「日本人留学生用の採用スケジュールを設けている」だが、前年調査では 32.4%あったのが今回は 9.1%へと大きくポイントを下げた。政府の時期変更の趣旨・目的の 1 つに「留学等の促進」があるが、帰国後の留学生と国内学生とを同じ時期に選考する企業が増えたのは間違いないだろう。「国内学生と同様に選考を開始」との回答は、「8 月から」(20.9%)と「8 月より前」(52.5%)をあわせて 73.4%にのぼる。

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