ジャパンブランド調査2015(20カ国・地域対象) 

2015年06月22日
電通は、日本の文化や強みを生かした商品やサービスを海外展開する「クールジャパン」関連事業において、顧客企業のマーケティング活動支援を目的に、2015年4月に20カ国・地域 ※で「ジャパンブランド調査2015」を実施。

全社横断プロジェクト「チーム・クールジャパン」と電通総研「ジャパン・スタディーズ・グループ」が連携して実施した本調査は、親日度(日本に対する好意度)の地域別状況、日本および日本産品に対する興味関心やイメージの詳細なデータ・知見の収集を目的としています。顧客企業が海外展開する際にお役立ていただけると同時に、国内においても訪日客対応を進める企業にご活用いただけます。2014年に行った前回調査からさらに対象地域や設問内容を広げ、今後、調査の詳細を顧客企業向けに提供してまいります。

※20ヵ国・地域=中国(北京、上海)、香港、韓国、台湾、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア

【主なファインディングス】

◇日本に対する好意度が最も高い地域は、「ベトナム」(2年連続)と「台湾」。ベトナムは「日本人の勤勉さ」が、台湾は「日本食」に好感。

<日本に対する『好意度』>
・日本に対する好意度が高い地域のトップは、昨年に引き続き「ベトナム」と、昨年5位から順位を上げた「台湾」が同スコアで1位に。

<日本の『好きなところ』>
・日本の好きなところのトップ3(複数回答)は、「伝統文化」「食」「自然」の順。
また、「最も好きなところ」を一つ選んでもらうと、「技術力」が「自然」を抜いて3位にランクイン。これら以外では、日本人の気質(勤勉さ・親切さ等)やホスピタリティーが上位に。
・日本に対する好意度が高い「ベトナム」では「日本人の勤勉さ」が、「台湾」では「日本食」がそれぞれ好きなところのトップに。

◇日本でやりたいことの第1位は「日本食を食べる」。
日本食関心層の間では、「刺身」や「ラーメン」の人気が高い傾向。

<日本に行って『やりたいこと』>
・日本でやりたいことについて聞いてみると、全体で最も回答が多かった活動内容は「日本食を食べる」こと。次いで順に「自然・景勝地観光」「史跡・歴史的建造物観光」。東アジア地域では「温泉入浴」、ASEAN地域では「四季の体感」も人気。
・日本で「日本食を食べる」ことに興味がある人限定で「日本食の購入・飲食意向」を見てみると、「寿司」「刺身」「天ぷら」「ラーメン」のスコアが高い。これらのメニューは知っている・食べたことがある日本食でも上位に挙げられており、みんなが知っていたり、食べたことのある日本食を、本場日本のより本格的・多彩な味で楽しみたいと考える人が多いと推察される。

◇観光客は地方へ:
行きたい場所として東京を上回る地方も。地方の「自然」「温泉」「郷土料理」の他、ご当地「ラーメン」を体験したい人も多い。

<日本の『地方』について>
・日本の代表的な地名を並べて認知・訪問意向を聞いたところ、認知・訪問意向ともに、全体では「東京」がトップ。特に認知度は高く、約9割(89.5%)の人が「東京」を知っているという結果に。
・訪日観光客が多い東アジア地域では、「北海道」や「沖縄」が行きたい場所として東京を上回るケースが目につく。

<体験したい『地方のもの』>
・体験したい地方のものとしては「自然」「温泉」「郷土料理」のスコアが高いが、東アジアではトップ3の中に「ラーメン」が入る地域が多く、ご当地「ラーメン」への関心の高さがうかがえる。

◇「温泉」と「食」への関心高まる:
“日本について興味関心のある物事”の第1位は、昨年に引き続き「日本食」。
「温泉」と「日本食」の関心が高まる一方で、サブカルチャーやコンテンツへの関心は低下。また、「日本のファッション」はランク外に。

<興味関心のある『日本の物事』>
・興味関心のある日本の物事で最もスコアが高かったのは「日本食」。次いで「旅行」「温泉」。それ以外では、「日本庭園」「日本の四季」「日本の神社・仏閣」「日本の祭り」「日本のリゾート」など観光に関する項目が数多くトップ10入り。
・昨年と比較すると、サブカルチャーやコンテンツに関するスコアが総じて10ポイント前後下がったほか、昨年トップ3入りしていた「日本のファッション」がアジアを中心にスコアを落とし、今年はトップ10に入らないという結果に。

◇「日本のロボット工学」への評価が高まる:
“優れていると思う日本の物事”の第1位は、「日本のロボット工学」。
昨年より評価が上向きなのは、「日本の温泉」。

<優れていると思う『日本の物事』>
・優れていると思う日本の物事では技術関連の項目が多数トップ10入り。最もスコアが高かったのは「日本のロボット工学」。
・「ロボット工学」は興味関心のある物事のトップ10にも入っており(9位)、世界における日本のロボット技術への注目・評価の高まりがうかがえる。
・優れていると思う日本の物事について昨年と比較すると、日本のサブカルチャーやコンテンツ系のスコアが減少する中、唯一微増となったのは「日本の温泉」。アジアだけでなく欧州でもスコアを上げた国が多い。

◇従来とは異なるカテゴリーでの「ジャパンブランド」構築の可能性:
興味関心のある日本製品のカテゴリートップは「医薬品」。

<日本が優れている『製品カテゴリー』>
・製品カテゴリー別に優れた製品をつくっている国を聞いたところ、日本は「自動車、バイクなどの輸送機器」や「TV、オーディオなどのAV機器」、各種の食品系カテゴリーでも高く評価されていることが分かった。

<日本製品に興味がある『製品カテゴリー』>
・他方で、興味のある日本製品カテゴリーを聞くと、「医薬品」「化粧品」「アパレル・ファッション」がトップ3に入るなど、従来の強みとは異なるカテゴリーが上位にきている。ジャパンブランドを築く新たなカテゴリーとして期待される。

◇「ラーメン」が新たな日本食の代名詞に:
今年も認知・経験・意向のナンバー1は「寿司」。
ASEANの一部地域では、「寿司」よりも「ラーメン」の食経験者が多い。

<日本の『食』>
・日本食の認知・経験・意向の全てにおいて、最も高いスコアを獲得したのは「寿司」。8割弱の人が認知し、6割強が食べた経験を持つ、世界的な料理になっていることが再確認 された。
・他に認知・経験で高いのは、日本食の王道である「刺身」と「天ぷら」。次いで「ラーメン」。
・認知・経験・意向については地域差が見られ、特にASEANの一部地域(インドネシアや   フィリピン)では「天ぷら」や「ラーメン」の経験者が「寿司」よりも多いことが分かった。
・また、“体験したい地方のもの”でも「ラーメン」のスコアは高く、新たな日本食の代名詞として、アジアを中心に世界的に親しまれ始めていることがうかがえる。


<ジャパンブランド調査2015の概要>
・目的:食や観光、日本産製品など「ジャパンブランド」全般に関する海外消費者の意識と実態を把握する。
・対象エリア:20カ国・地域
中国(北京、上海)、香港、韓国、台湾、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
・調査手法:インターネット調査
・対象者条件:20歳~59歳男女 *中間所得層以上
*「中間所得者層」の定義(収入条件):OECD統計などによる各国平均所得額、および社会階層区分(SEC)をもとに各国ごとに条件を設定
・サンプル数:地域ごとに200ss、計4,000ss
・調査期間:2015年4月17日(金)~27日(月)

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[電通]
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