ハードワーク公務員ランキング 

2015年05月27日
就職・転職のための企業リサーチサイト「Vorkers」を運営するヴォーカーズは、「ハードワーク公務員ランキング」を発表。

今回の調査レポートでは、Vorkers に寄せられたクチコミのうち、官公庁に対する企業評価レポートの「社員の士気」「残業時間(月間)」「有休消化率(月間)」データを元にハードワークランキングを集計しました。あまりハードワークのイメージがなく、ときには世間から厳しい評価を受ける公務員ですが、長い労働時間と休みが取りづらい環境下でも、士気を高く保ち、ハードに働いている官公庁は次のような結果となりました。

※ハードワーク度:「社員の士気」と「残業時間」及び「有休消化率」を5段階評価に換算した平均値。「社員の士気」が高く「残業時間」が長いほど5段階評価が高くなり、「有休消化率」は低いほど5段階評価が高くなります。

【サマリー】

・同率1位は財務省と経済産業省

・トップ10に警視庁(3位)、大阪府警察(4位)、愛知県警察(8位)の3つの大都市警察がランクイン

・月間平均残業時間は経済産業省(96.07時間)と内閣府(95.38時間)で90時間超え

・トップ20に陸上自衛隊(15位)、航空自衛隊(16位)、海上自衛隊(18位)と自衛隊全てがランクイン


■1位は財務省と経済産業省
長時間労働と決して高いとはいえない有休消化率。そのような環境でも高い士気を持って働いている公務員の1位は財務省と経済産業省という結果になりました。日本の財政を支える財務省と、知的財産権の保護から再生可能エネルギーまで多岐にわたる国家事業を進める経済産業省。士気の裏側にある「やりがい」に紐づくクチコミを見ていくと、

「国を動かすという一点に尽きると思います。国を動かす為の仕事であるため、官僚として最高の仕事であると感じています。(財務省、男性)」
「自分の携わっている政策が実際に動き出し、マスコミでも大きく取り上げられる瞬間にやりがいを感じます。(財務省、男性)」
「政策を作り課題を解決していくということで世の中の仕組みそのものを変えていく、社会的なインパクトを与えることが一番の醍醐味。(経済産業省、女性)」

など、自らが携わった仕事が「国」という大きな組織を動かし世の中を変えていく、それを目の当たりにできるというところにモチベーションを感じ、激務に励んでいる姿が伺えます。

また、「語学の習得などの研修メニューも多様。5年目以降に大半が英米の大学院へ留学にいく。(経済産業省、女性)」「全般的に、他省に比べ、若手に比較的大きな仕事を任せようとする風土がある。(経済産業省、男性)」など、多忙な中に成長機会も多く用意されていることが見受けられます。

■トップ10に3つの大都市警察がランクイン
3位の警視庁を筆頭に、大阪府警察(4位)、愛知県警察(8位)の3つの大都市警察がトップ10にランクインしました。いずれも犯罪発生率の高い地域で市民の安全を守る警察官のモチベーションの源はやはり「被害者から感謝された時や人名救助に成功した時にやりがいを感じる。(警視庁、男性)」「憎まれることも多いが感謝されることも多い。この仕事をしていて『ありがとうございます』と言われるだけでこんなにも頑張れるんだと実感できた。(警視庁、男性)」と、市民からの感謝の声にあるようです。

「体育会系の縦社会で実力主義。体力面のみならず、勉強面でも多くのことが求められ、休みの日でも日々筋力トレーニングや勉強を継続することが求められるとても厳しい競争社会。(愛知県警察、男性)」というクチコミにもあるように、われわれの安全はこういった警察官のハードワークの上に成り立っていることが伺えます。

■士気の高さの裏で、評価制度に課題も
ランクインした省庁のクチコミで多く見られたのが、評価制度に対するコメントでした。

「社員の士気」評価においても1位である財務省では「人事評価についてはだいぶ改善されてはいるが、年功序列体質が残っており、若者のモチベーションは上がりにくい。(財務省、女性)」という声も見られ、次いで士気評価が高い環境省でも「評価制度は最近導入されたが、実質的にそれが効果を出しているとは言い難い。職種・採用試験区分、入省年次で昇進や配置は決められていると感じる。(環境省、男性)」など、まだまだ旧態依然の評価制度に課題が残っているようです。
ハードワークで国家を支える公務員が適正に評価される制度作りが進むことを期待したいと思います。


【データの集計について】
□データの収集方法
「Vorkers」の在籍企業評価レポートへの回答を通じてデータを収集しています。
在籍企業評価レポートの回答条件は下記の通りです。
・社員として1年以上在籍した企業の情報であること
・500文字以上の自由回答と、8つの評価項目に回答いただくこと
以下の2つのデータについても収集しています(任意回答)
・月間残業時間(実数)
・有休取得率(実数)

□対象データ
2007年7月~2015年5月に、社員・元社員から投稿された官公庁に対するレポート回答(全1,010件)を対象データとしています。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ヴォーカーズ]
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