レガシーに関するスポーツ業界リーダー調査 

2015年05月20日
PwCは、ロシアのソチで開催されたスポーツアコード国際会議「世界スポーツ&ビジネスサミット2015」において、「レガシー* (遺産)に関するスポーツ業界リーダー調査(Sporting Leaders Study on Legacy)」の中間結果を発表。

本調査によると、スポーツ業界のリーダーの93%が、スポーツイベントは開催都市に対し長期にわたり、ポジティブな変化をもたらすことができると考えており、そのうち「強くそう思う」という回答は54%でした。

本調査によると、ポジティブなレガシーを残すための主な成功要因は、プランニングプロセスの早い段階においてレガシーに関する統合的な検討を行うことです。回答者の96%がこの点を重要項目に挙げました。その他の主な成功要因は、レガシーに関するプランニングと開催都市の長期的な開発計画が整合していること(94%)、効果的なコミュニケーションとステークホルダーの管理(92%)、堅実な予算策定と財務計画(90%)です。

スポーツイベントのレガシーをポジティブなものにするために、主として責任を負うべき組織はどこかという質問に対しては、地域の公的組織および地方公共団体を挙げた回答が95%で最多でした。次いで、組織委員会(92%)、国の政府(89%)という結果になっています。

レガシーが成功したかどうかの評価は、国の政府が実施することが最もふさわしいと考えられています(42%)。次いで、第三者の専門家(36%)、地域住民(28%)、組織委員会(27%)と続きます。

また、レガシーが成功したかどうかの評価を実施する時期は、イベント後2~5年が最適であると考えられています。評価に際して最も重要な指標については、有形資産の活用状況、観光客の数、構築された環境の質が重要だとされています。いずれも80%以上の回答者が、「重要である」と回答しています。

スポーツイベントの開催によって最も一般的に達成できたものとしてスポーツ業界リーダーが挙げた回答では、インフラが圧倒的多数を占めていますが、無形の要素もそれに迫る結果となっています。経験上、最も一般的に達成できたレガシーは何かという質問には、新設もしくは改修したスポーツ施設(90%)と物理的な変換およびインフラ開発(77%)が回答のトップ2となり、開催都市のブランドと認知の向上(75%)、国民の誇り(68%)がそれに続きました。

PwCによる「レガシーに関するスポーツ業界リーダー調査」は、スポーツアコード国際会議2015が開催される週を通じて引き続き実施されます。調査の最終結果は開催報告書の中で公表される予定です。

*レガシーとは、スポーツイベントの開催が社会にもたらす有形・無形の遺産・効果を指す概念です。スポーツイベントの開催によるさまざまな取り組みやその効果を、イベント開催前後の一過性のものとせず、より効果的・発展的に開催都市や開催国に残していくことが期待されています。

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[PwC]
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