学生アルバイト全国調査 

2015年04月28日
ブラック企業対策プロジェクトは、2014年7月、全国の大学生を対象としたアルバイトの実態調査を実施し、4702 人から有効回答を得ました。その調査結果の全体を公表します。

主な調査結果

【1.深夜労働や長時間労働、柔軟な働き方を求められている学生】

・深夜営業に対応できる労働力、長時間働ける労働力、十分な休憩を取らずに働ける労働力として、学生アルバイトが活用されている現状が読み取れる。

・一方で、職場の繁閑や天候などに応じて、シフトが勝手に変えられたり、削られたりするなど、人件費抑制が強く求められている職場の都合にアルバイト学生が翻弄されている様子もうかがわれる。その傾向は特に、居酒屋バイトの学生に強い。


【2.もはや「割が良い」とは言えない塾・家庭教師アルバイト】

・かつて、塾・家庭教師のアルバイトは、時給が高いため、短い労働時間でそれなりの収入が得られる、「割の良い」アルバイトであった。

・しかし、個別指導塾の広がりなどに伴い、現在では他のアルバイトと比べた時給は、さほど高いものではなくなっている。

・しかも、塾・家庭教師の場合、授業時間帯の前後の準備や報告書作成、授業時間外の相談業務などには賃金が支払われないケースが多く、そのことも加味すると、塾・家庭教師のアルバイトは、時給が高いアルバイトとは言えなくなってきている。

・現在、「ブラックバイト」問題の認知の拡大に伴い、ブラックバイトユニオンなどには学生からの相談が多数寄せられるようになってきているが、その中には塾・家庭教師のバイトの相談が多い。授業時間帯以外の賃金が支払われない、辞めたくても辞められない、といった相談が中心となっている。


【3.大学生活を掘り崩す深夜バイト】

・学生が深夜バイトに従事するのは、昼間の授業とのバッティングを避ける意味あいや、時給が高く効率的に稼げるという意味あいがあると考えられるが、実際には深夜バイトによって疲れてしまい、学業への支障が出ている者の割合が高い。

・深夜バイトに従事している者では、労働条件の書面交付がない、募集と実態が違う、休憩が適正にとれていない等、労務管理が不適切である傾向がより強くみられる。

・男性、私立、自宅外の学生で深夜バイトの割合が高いのは、私立大学の場合に授業料が高額であること、男性である場合に深夜バイトへの抵抗が比較的少ないこと、自宅外であるため家賃や生活費などをまかなう必要があることなどの要因が関係しているものと考えられる。しかし、深夜バイトには上記のような問題があり、注意が必要である。


【4.生活費のために長時間労働を余儀なくされる学生の存在】

・アルバイトは、娯楽費など、学生生活の充実のために行われているとは限らず、勉学と生活の費用をまかなうために長時間のアルバイトを行っている学生が一定程度存在している。

・彼らは長時間のアルバイトを行うことによって、学業に支障をきたしている傾向が強いが、しかし学業を優先してアルバイトを減らすわけにはいかない経済事情を抱えている。


【5.不当な扱いにさらされている学生】

・アルバイトの学生は、働くということに不慣れであり、そのために足元をみられ、不当な扱いを受けている可能性がある。

・労働条件を記載した書面を渡されていない学生の方がトラブルにあっている割合が高く、労働条件を記載した書面を受け取ることの大切さや、基本的な労働法の知識、相談先などを、アルバイトに従事する際には知っておくことが重要である。



【調査概要】
・調査対象:全国の27 の国公私立大学に在籍する大学生(国立大学3大学、公立大学1大学、私立大学23 大学)
・調査方法:各大学の教職員に依頼し、主に教室で配布・回収した。調査負担を考慮し、一部の大学には短縮版の調査票での調査実施を依頼した。
・調査時期:2014 年7 月
・有効回収数:詳細版調査票(12 ページ構成)有効回収 3227 票、短縮版調査票(4ページ構成)有効回収1475 票、計4702 票

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[ブラック企業対策プロジェクト]
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