「新世代のクリエイター」に関する調査 

2015年05月01日
Adobe(アドビ)は、クリエイティブ分野の最新状況を分析し、全世界の業界トレンドを浮き彫りにする、クリエイティブ経済に関する新たな調査の第一弾となるAdobe Digital Index「New Creatives Mashup」調査を発表。

今回の新たな調査では、アドビが提供するクリエイター向けソーシャルネットワークサービス「Behance」に登録している約500万人のクリエイターの作品を対象にデータ収集を行い、分析結果をまとめました。「新世代のクリエイター」をテーマに掲げた本調査では、キャリア形成期のクリエイターに着眼しています。新世代のクリエイターたちが創意あふれるキャリアパスを描く中、全世界の若きクリエイターたちがどう考え、何を作り、何を目指しているかに関する知見を明らかにしています。

キャンバスの拡大:クリエイティブワークのモバイル化

新しいクリエイターたちには、新しいルールがあります。革新的な新技術や最先端のプラットフォームの導入により、クリエイターたちは「キャンバス(作業スペース)」を拡大し、モバイル端末上でのイノベーションを実現することで、「セカンドスクリーン」が若手クリエイターたちのワークフローにこれまで以上に密接に取り込まれるようになりました。Behanceの新世代クリエイターたち(18~22歳)の作品は、彼らがモバイル端末の活用によって、どこでも着想を得た場所で既成概念を打ち破り、思いどおりにクリエイティブワークを行えるようになったことを示しています。

Behanceで作品を投稿している100万人近い18~22歳のクリエイターの間では、モバイル利用が顕著に進んでいます。過去1年間で、モバイルでのログインが36%増加しており、若年層のクリエイターは全体と比較してモバイルでのデザインワークに従事している割合も2倍以上高くなっています。この年代がモバイルで行っている新規プロジェクトは、ブランディングのほかタイポグラフィー、漫画などです。今後、モバイルプラットフォームからのデザインワークへの従事・制作が増え続けることが予想されます。これにより、すべてのクリエイターは、イノベーションの力を発揮し、限界を打ち破りやすくなります。

場所を問わないクリエイティブな着想

世界的にクリエイティブワークはかつてないほど増加傾向にあります。しかし、アイデア創出やプロジェクトが行われている中心地域は、ブルックリン、ハンブルク、ロンドン、サンフランシスコといった主要都市ではなくなったことが明らかとなりました。

現在、クリエイターが集中しているのは、ブラジル、中国、英国、インド、メキシコ、ロシア、カナダです。さらに、特定の年齢層でクリエイターが増えつつある国は、ドイツ、フランス、インドネシア、エジプトです。

バック・トゥー・ザ・フューチャー?

次に予想されるトレンドはどのようなものなのでしょうか? Adobe Digital Indexによると、デザインワークにアナログ要素や非加工要素が復活してくる傾向を示しています。Behance上の新世代クリエイターたち(18~22歳)は、前世代のクリエイターたちによく見られたデザインテーマやデザイン要素(「デジタル」「アプリ」「ブランディング」「ウェブ」「ロゴ」など)と、デザインの物理的な要素や触感のある要素から得られるインスピレーションの両方をうまく活用しています。新世代のクリエイターは線描とタイポグラフィーで他の世代を圧倒しており、「ポートレート」や「スケッチ」をより多く制作しています。注目すべきは、上の年代に比べて「インク」や「鉛筆」をより多く使用していることです。

デザイン制作におけるベーシックな要素への探究心は、若年層に限定されているわけではありません。実際のところ、年代ごとに最も重視しているプロジェクトのトップ3を調査したところ、すべての年代でハンドレタリングがランクインしました。

このようにアナログ的な着想によるデザインワークが突如として注目され、若年層クリエイターたちの間でフリーハンドデザインなどの分野への関心が急速に高まっていることを鑑みると、この新しいネットワーク化時代において、このような意識が広まり、触覚ベースのクリエーションへのシフトが続くことが予想できます。

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[アドビ システムズ]
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