「マイナンバー制度への対応」についての調査 

2015年04月30日
エン・ジャパンは、運営する人事担当者向け中途採用支援サイト『エン 人事のミカタ』上でサイトを利用する214社を対象に「マイナンバー制度への対応」について調査を実施。

【調査結果概要】

国民一人ひとりに番号を割り振って、年金や納税などの情報を一元管理する「マイナンバー(個人番号)制度」が施行されます。2015年10月に、国民へ個人番号の通知が始まり、2016年1月には運用が開始される中、民間企業は社員(配偶者・扶養親含む)のマイナンバー収集・保持と共に、「個人番号取扱事業者」として安全管理措置の義務を負うなど、準備に時間がかかることが想定されています。そこで、運用まで1年を切った今、民間企業における「マイナンバー制度への対応」に関して伺いました。下記、トピックスです。

★マイナンバーへの「対応(準備)を進めている」企業、3割弱に留まる。
★「対応(準備)を進めている」企業の95%は、「個人情報漏えいを防ぐ管理体制の構築」が困難だと回答。
★マイナンバー制度へは賛否両論。政府広報など「周知不足」に問題意識。

【調査結果詳細】

1:マイナンバーへの「対応(準備)を進めている」企業、3割弱に留まる。

「2016年1月から運用が始まる ”マイナンバー制度” についてご存知ですか?」と伺ったところ、65%の企業が「知っている」と回答しました。次に「 ”マイナンバー制度” への対応(準備)を進めていますか?」という質問に対しては、「準備を進めている」は27%に留まりました。「まだ準備を進めていない」(51%)「準備をする予定がない」(6%)「わからない」(14%)と回答した、マイナンバー制度未対応の企業は約7割と大多数を占めます。

「まだ準備を進めていない」理由は、『現状では詳細な要件が明確ではないので、準備のしようがない』他、マイナンバー制度自体がよくわからないというコメントが散見されました。『まだ情報収集の段階』、『自社以外に対応を依頼している』というコメントも。その他、具体的な声をご紹介します。

【マイナンバー制度についてよくわかっていない】
◎具体的な作業がはっきりしない。
◎具体的な活用方法、法令等が理解できていないため。
◎現状では詳細な要件が明確ではないので、準備のしようがないため。
◎国民にIDを割り振る制度くらいの認識で、特に準備はいらないイメージ。

【情報収集段階】
◎セミナーで話を聞いても不確定な部分が多いし、新聞紙面でも対応が遅れているとあり、社員にも説明ができない状況。
◎中小企業はどこまで事前に準備すればよいか具体的にわかっていない。セミナーに参加して話を聞く予定。

【自社以外に依頼している】
◎社会保険労務士、税理士ともに依頼をしているので特に社内での準備はしていません。
◎制度自体がまだ不確定でシステム会社などの情報提供を待っているため。
◎人事給与はアウトソーシングする予定。アウトソーシング先の取り決めが決まってから、作業準備を行う。
◎親会社の対応指針を受けて始動する予定。

【時期が来たら対応する】
◎マイナンバー通知時期からすると、現時点での準備の必要性が無いため。
◎会社規模が10名程度なので、従業員にマイナンバーが通達される10月間際で準備を進めても対応できると考えている。

2:「対応(準備)を進めている」企業の95%は、

「個人情報漏えいを防ぐ管理体制の構築」が困難だと回答。

「準備を進めている」と回答した企業に、「制度に対応する上で、困難だと感じる点は何ですか?」と伺ったところ、第1位は「個人情報の漏えいを防ぐ管理体制の構築」(95%)となりました。個人情報の漏えいに関しては罰則もあり、いかに安全な情報管理体制を構築するか、頭を悩ます企業の姿が見て取れます。

同じく「準備を進めている」と回答した企業に、「制度を導入することで、何が起こるかと思いますか?」と聞くと「個人情報の漏えいリスク」(78%)を挙げる企業がもっとも多く、次いで「業務量の増加」(52%)、「業務フローの煩雑化」(41%)と、デメリットを想定した回答が上位を占めました。一方、メリットとしては「情報の一元化による利便性の向上」(31%)、「各種事務処理の効率化、省力化」(10%)が挙げられています。

3:マイナンバー制度へは賛否両論。政府広報など「周知不足」に問題意識。

“マイナンバー制度” 自体への意見は、賛否両論、様々なご意見が集まりました。マイナンバーへの期待、不満。政府広報などへ要望など、具体的な声をご紹介します。

【肯定意見】
◎本当に一つの番号に集約され、全ての手続きが行えるのであればよいことだと思う。
◎情報の一元管理ができるようになり、役所関連の事務が軽減できるのではと期待している。
◎システムの構築や情報収集にかかる労力は一時的なものであるため、導入後に事務手続きの効率化が図れるのであれば問題ないと思います。

【批判意見】
◎特に大企業の企業側の負担増(業務的・資金的・リスク的)が懸念される。まずは、「各自の住民票が現住所と同じか?」の確認を図り、10月から配布される「通知カード」を確実に受け取れるよう動く必要がある。
◎最終的な目標が、税・料金の確実な徴収であり、それを各事業者に負担を強いて実施するところが、個人的には納得できない。大所高所に立てば、仕方ないことと理解できるが。
◎事業所の担当者としては、メリットよりも、デメリットのほうが多いように感じます。中小企業においては、情報漏えいに関するシステムがきちんと構築されている会社ばかりではないので、漏えい事故も起きやすくなるのではないでしょうか。

【周知徹底などの要望】
◎政府広報やマスコミを通じての周知が不足していると感じる。あいまいな点が多すぎる中で、実施時期と言葉だけが独り歩きをしていると感じる。
◎義務となる制度なのに、政府からの案内や周知が全然徹底されておらず、中小零細企業は認識が薄いと思われます。各企業への案内を進めたり、個人個人への周知を図る意味でもCMなどするべきだと感じます。


【調査概要】
調査方法:インターネットによるアンケート
調査対象:『エン 人事のミカタ』を利用している企業214社
調査期間:2015年2月18日 ~ 2015年3月17日

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[エン・ジャパン]
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