60代シニア層の生活意識や行動に関する分析(ADK生活者総合調査2014より) 

2015年04月10日
アサツー ディ・ケイ(ADK)では、社内に「アラ☆ダン研究所®」を設置し、60代を中心にシニア層を対象としたマーケティングサポートを行なっています。(「アラ☆ダン」=アラウンド団塊世代の略)
2014年5~6月に実施した「ADK生活者総合調査2014」をもとに、60代シニア層の生活意識や行動に関する分析結果をまとめた「アラ☆ダン研究所® シニアレポート第4号」をご案内いたします。

今回のレポートでは、日常生活における生活者の“健康”に着目。 分析結果から、60代シニア層の健康への関心が高く、様々な取り組みを行っていることが改めてわかりました。またそれによって「健康に対する自信」は若い年齢層よりも高く、また「健康に対して感じる不安」の度合が低くなることも明らかになりました。

【調査結果トピックス】

①60代シニア層が最も大切にしている言葉は「健康」
~「健康」は男女ともに年代があがるにつれ上昇。60代がピークに~

②60代シニア層が抱える健康不安や悩みは、目・肩・腰の不調
加齢に伴う不調とうらはらに、健康不安や悩みの度合が低い60代

③一方「健康に自信あり」の意識は60代シニア層が若い層を上回る
~ 「一病息災」の意識で心身の変化に留意 ~

④「ノンストレス」「食事」「運動」~60代シニア層の健康意識は群を抜く

⑤60代シニア層は「体力・体調・運動機能のキープ」にひたむき

【調査結果】

①60代シニア層が最も大切にしている言葉は「健康」
~「健康」は男女ともに年代があがるにつれ上昇。60代がピークに~


60代シニア層に“日頃大切だと思う言葉”を80項目用意し複数回答で答えてもらったところ、男女ともに「健康」(男性:56%女性:64%)が1位となり、「思いやり」(男性:46%女性:48%)、「誠実」(男性:45%女性:60%)が続きました。
そこで「健康」に着目し、男女10歳ごとにその傾向を追ってみたところ年代が上がるにつれ 回答割合とランキングは上昇、全体の中で男女ともに60代シニア層が最高となりました。これらの結果から60代シニア層が、いかに日常生活において「健康」を意識しているかが確認できます。
また「健康」がランキングでベスト3に入るのは男女とも40代になってからで、40代は健康と正面から向き合う節目の年代であることが見て取れます。

【大切にしている言葉】上位ランキング 60代シニア層(n=1,187)
※複数回答による全80項目の上位10位 単位:%

男性 n=600
1 健康 56.2
2 誠実 44.8
3 思いやり 44.5
4 信頼 40.3
4 責任感 40.3
6 自然体 37.2
7 良識 33.3
8 強調性 32.8
9 安全 31.7
10 自由 30.7

女性 n=587
1 健康 64.2
2 思いやり 60.3
3 誠実 47.9
4 自然体 43.8
5 元気 43.3
6 優しさ 42.4
6 信頼 42.4
8 品格 40.5
9 楽しさ 39.4
10 良識 37.5

②60代シニア層が抱える健康不安や悩みは、目・肩・腰の不調

60代シニア層に健康への不安や悩みについて63項目(症状)を挙げ複数回答で答えてもらったところ、男女共通の不安や悩みとして「目の疲れ」「老眼」「視力低下」「肩こり」「腰の痛み」がランキング上位を占め、60代シニア層が加齢に伴う身体機能の低下によって日々の生活の中で不自由を感じている様子が明らかになりました。
一方、男女別ランキングの特徴に注目すると、男性で「高血圧」(37%)が、女性で「コレステロール値が高い」(28%)「太りやすい体質・肥満」(21%)が目立っており、女性はシニアになっても体型(見た目)を意識した健康観を持っている様子が垣間見えます。

〈健康の不安・悩み〉上位ランキング 60代シニア層(n=1,187)
※複数回答による全63項目の上位10位 単位:%

男性 n=600
1 高血圧 37.2
2 腰の痛み 30.2
3 目の疲れ 28.8
4 視力低下 24.5
4 老眼 24.3
6 肩こり 21.5
7 体が疲れやすい 21.0
8 歯周病・歯槽のうろう 19.0
9 花粉症 17.8
10 メタボリック症候群 16.7

女性 n=587
1 目の疲れ 43.3
2 肩こり 37.1
3 老眼 35.8
4 腰の痛み 31.5
5 コレステロール値が高い 28.3
6 視力低下 27.4
6 体が疲れやすい 24.0
8 歯周病・歯槽のうろう 23.2
9 太りやすい体質・肥満 21.1
10 花粉症 20.8

加齢に伴う不調とうらはらに、健康不安や悩みの度合が低い60代

さて、この健康への不安・悩みについて60代シニア層と他の年代を比較するとどうでしょうか。 男女10歳ごとに、不安・悩みの63項目(症状)に対する回答割合を合計した総量を見てみたところ、男性では50代をピークに60代で大幅な減少が見られ、一方女性では40代をピークに減少、60代が女性全体で最も低くなっています。

③一方「健康に自信あり」の意識は60代シニア層が若い層を上回る
 ~「一病息災」の意識で心身の変化に留意 ~


前項で見てきたように、60代シニア層は男女とも、50代までよりは健康への不安や悩みを抱く割合は減っているように見受けられます。しかし、【表2】に挙げられるような数々の不安・悩みは厳然として存在します。
そんな彼らに「健康に対して自信があるか」と聞いた結果が【図3】です。男女とも60代は28%強が「自信がある」(「やや自信がある」を加算)と答えます。この数値は50代以下の平均を上回っており、その高さには改めて驚かされます。
永い間社会生活でのストレスや痛みに耐えながら人生の後半を迎えるに至った彼らの多くは今、その経験値と、自分の心身と向き合った時間によって「一病息災」を実感しながらシニアライフを送ることができているのではないでしょうか。
それにしても、60代シニア層の健康に対する自信度が高いのはなぜでしょうか。
次ページでは、「健康に自信あり」と答えた人に絞って、その理由を推察します。

④ 「ノンストレス」「食事」「運動」~60代シニア層の健康意識は群を抜く

60代シニア層は他の年齢層より「健康への自信度」が高い、という背景を探るために、すべての調査対象の中から「健康に自信がある」と答えた人だけを抽出して、60代とそれ以外で比べてみました。
まず「健康に対する意識」では、同じ「健康に自信がある」という人でも60代は男女とも20~50代までの年齢層よりも健康に対する意識をより強く持っていることが分かります。
中でも特に「ストレスをためないようにしている」「日頃からできるだけ体を動かすようにしている」「健康維持・向上の為に、運動や食事等に気をつけている」「健康は薬や栄養剤等より天然・自然の食べ物で維持する」「自分の健康管理はしっかりとやっている」「健康診断や生活習慣病健診などを定期的に受診している」「健康のために1年以上続けていることがある」「健康に関する知識や情報には詳しい方だ」の8項目は他の年齢層よりも10ポイント以上高くなっています。
「『健康に自信がある』と答えるからにはそれなりの意識・行動でいる」 、ということを60代シニア層が他の層に対して「格の違い」を見せつけるような結果となっています。

⑤ 60代シニア層は「体力・体調・運動機能のキープ」にひたむき

次に「健康のために行っている行動の目的」において、「健康に自信がある」という人に絞って60代男性・女性と20~50代までの年齢層を比べてみました。
すると、「体力維持のため」「良好な体調・健康状態を維持するため」「基本的な運動機能を維持するため」という三つの“維持”の意味を持つ項目において特に60代シニア層が高くなっています。
むしろ「体力向上のため」という目的感は他の年齢層より低く、このことから、60代シニア層の健康への自信の強さは「体力・体調・運動機能を維持できること」に主眼が置かれていることにあると理解できます。


【調査概要】
・調査目的:一般生活者の意識・価値観や、消費行動、生活行動、メディア接触行動などを総合的に把握する
・調査方法:インターネット調査
・調査地域:東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・群馬県・栃木県・茨城県(一都六県)
・調査対象と回収サンプル数:12歳(中学生以上)~69歳の一般男女 14,529人 うち、60歳~69歳男女 1,187人
・対象者抽出方法:調査会社が保有するWEBリサーチモニターから抽出
・調査期間:2014年5月22日(木)~6月19日(木)

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[ADK]
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