デジタルマーケティングの実行状況に関する実態調査(Web担当もしくはデジタルマーケティングに従事している方対象) 

2015年03月31日
アイ・エム・ジェイ(IMJ)は、「デジタルマーケティングの実行状況に関する実態調査」を実施。調査期間は2014年11月17日~11月18日、有効回答数は340名から得られました。

【調査の狙い】

近年、モバイル端末市場全体ではスマートフォン利用者が増加し、日々新たな技術が生み出されるなか、企業におけるデジタルマーケティングの重要性が益々大きくなっています。IMJでは、企業のなかでデジタルマーケティングを推進しているマネジメント層および現場担当者の業務実態調査を実施することで、課題の抽出と、その課題が生み出される要因についての考察を行いました。

【調査のトピック】

・施策のKGI/KPI設定が課題

・「日々の決まった業務ばかりで戦略的取組が出来ていない」が戦略実行における課題のトップ

・デジタルマーケティングの鍵は「人」「組織・体制」

・「部署間の壁」「同じ施策の繰り返し」で現場とマネジメント層に戦略課題の認識ギャップ

・現場は「人的リソース・体制」に、マネジメント層は「データの取得と活用」に課題

・「ビッグデータの分析・活用」は全体の3分の1に留まる

・Web・デジタルマーケティング施策の効果 5割が「期待以下」


【調査結果詳細】

■施策の KGI/KPI 設定に課題

デジタルマーケティングの方針・戦略の策定状況について、自社の実施状況に当てはまるものを回答してもらったところ、Web・デジタルマーケティングの「中長期的な戦略(方針・コンセプト)の策定」「年間戦略の策定」「戦略に基づいた施策の策定」の比率が最も高く、いずれも全体の 4 割を超える実施状況になっています。しかしながら、「中長期的な戦略の策定」においては、最も重要な位置づけでありながら、5 割以上は取り組まれていない状況がみてとれます。
なかでも、「戦略に基づいた施策の KPI/KGI 設定(31%)」と「関連人材の教育・育成(32%)」が最も取り組み比率が低く、どのように施策のモニタリングおよび定量評価を実施すべきか、どのように人材を教育・育成すべきか、という点で企業が課題を抱えていることが推察されます。

■「日々の決まった業務ばかりで戦略的取組が出来ていない」が課題のトップ

デジタルマーケティングを推進する上での課題では、「日々の決まった業務ばかりで戦略的な取組ができない」が 32%で最も高く、ルーチンワークに時間が割かれ、より重要度の高い業務の時間確保が難しい状況になっているのがうかがえます。課題として挙がっている上位の 2 つ目が「業務の優先順位付けが難しい(30%)」となっており、目の前にある業務と中長期的な観点の業務との兼ね合いの難しさに課題を感じていることが見て取れます。

■デジタルマーケティングの鍵は「人」「組織・体制」

デジタルマーケティング戦略上の課題と要因をみると、「人材不足」が 53%と最も高く、次いで「組織・体制が整っていない(51%)」、「メンバーのスキル不足・教育体制の未整備(48%)」と続き、上位 3 項目が全て人材関連の課題で占められていることが分かります。
テクノロジー面が取りざたされるデジタルマーケティング領域にあっても、戦略上の課題と鍵は「人」であることがうかがえます。

■「部署間の壁」「同じ施策の繰り返し」で現場とマネジメントに認識ギャップ

デジタルマーケティングを推進する上で認識している課題を役職別(マネジメント層と現場担当者の 2種類 ※)で見ると、「日々の決まった業務ばかりで戦略的な取組ができない」がマネジメント層および現場担当者でともに 30%を超え最も高い比率を示しています。
一方で、「部署間の壁があり、思うように進まない」と「同じ施策の繰り返しになっている」がマネジメント層と現場担当者間の課題認識に最も大きな差異がありともに 10 ポイント以上の差異が見られます。

【マネジメント層の定義】:
回答者の業務における役職において、「次長・課長クラス」を含む上位の役職者
かつ
Web・デジタルマーケティング担当部署における役割において、以下いずれかの回答者
 ・自身の判断によりデジタルマーケティング/オウンドメディア戦略を策定する
 ・自身の判断によりデジタルマーケティング/オウンドメディアの実行を支持・承認する
 ・デジタルマーケティング/オウンドメディアに関する企画や予算の承認を行う
 ・デジタルマーケティング/オウンドメディアに関するツール選定の承認を行う

【現場担当者の定義】:
回答者の業務における役職において、「一般社員」または「係長・主任クラス」の回答者

■現場は人的リソース・体制に、マネジメント層はデータの取得と活用に課題

デジタルマーケティング戦略上の課題と要因を役職別にみると、「人材不足」「組織・体制が整っていない」、「メンバーのスキル不足・教育体制の未整備」の上位 3 項目は役職による順位の変動は見られません。
その中でも、「組織・体制が整っていない」と「人材不足」ではマネジメント層と現場担当者との認識ギャップが大きく、現場担当者の意識が高いことが分かります。
一方で、「データを取得した後の活用が出来ていない」「戦略のためのデータの取得ができていない」についても認識ギャップが大きいのですが、こちらはマネジメント層がより高い課題意識を持っていることがうかがえます。

■ビッグデータの分析・活用は全体の 3 分の1にとどまる

Web・デジタルマーケティングにおける施策の実施状況では、「Web サイトリニューアル・コンテンツ更新」が最も実施比率が高く全体の 85%が実施しています。次いで、「アクセス解析・効果測定(66%)」、「ソーシャルメディア運用(59%)」の順に実施比率が高くなっています。
大きなトレンドでもあるビッグデータ分析・活用は全体の 35%と、全体の 3 分の 1 程度しか実施できていない現状が見られます。

■Web・デジタルマーケティング施策の効果 5 割が「期待以下」

Web・デジタルマーケティング施策の効果について、各施策に「取り組んでいる」と回答した人のうち、「効果が出ている」「やや効果が出ている」と回答した人の比率を見ると、最も高い割合を占めている「Webサイトリニューアル・コンテンツ更新」でも 58%となっており、4 割以上が期待した効果が出ていないということが読み取れます。「オンラインメディアの広告出稿」では、44%が効果が出ていると回答していますが、約 6 割が効果を実感出来ていないことが見て取れます。
Web・デジタルマーケティング施策全体でみれば、概ね 5 割が期待した成果がでていないと判断していることが見て取れます。


【調査概要】
調査方法 :インターネットリサーチ
調査地域 :全国
調査対象 :20~69歳の男女 ※調査会社が保有する調査パネル
有効回答数:340サンプル
調査日時 :2014年11月17日~11月18日
対象者条件:Web担当もしくはデジタルマーケティングに従事している方

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[アイ・エム・ジェイ]
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