「選考辞退」についてのアンケート調査(求職者対象) 

2015年03月31日
エン・ジャパンは、運営する人事担当者向け中途採用支援サイト『エン 人事のミカタ』で求職者2,605名を対象に「選考辞退」についてアンケートを行いました。

【調査結果概要】

2015年2月の有効求人倍率は1.15倍と、23年ぶりの高水準に象徴される求職者(転職希望者)優位な転職市場が続いています。転職先を吟味したい求職者が複数の企業へ同時に応募をするため、企業側では面接に呼んでも断られる、内定辞退が続出といった現象が各所で発生しています。そこで、今回は求職者を対象に行った調査結果から、人事を悩ませる応募者からの選考辞退の実態をご紹介します。

★7割の求職者が選考辞退を経験、2社以上辞退した方は65%に増加。
★辞退するタイミング・・・第1位は「面接前の辞退」
★面接の辞退理由・・・第1位は「応募後に再考したら、希望と違っていた」
 面接後の辞退理由・・・第1位は「仕事内容が希望と合わなかった」
 内定の辞退理由・・・第1位は「勤務地・給与など条件の折り合いがつかなかった」
★辞退の決め手となった出来事をご紹介。

【調査結果詳細】

1:7割の求職者が選考辞退を経験、2社以上辞退した方は65%に増加。

「これまで転職活動において、選考辞退をしたことがありますか?」と求職者の方に伺いました。「ある」と答えた方は70%で、ほとんどの方が経験していることが分かります。実際に辞退したことがあると答えた方に、辞退した社数を聞くと、最多回答は「1社」(35%)だったものの、「2社」~「6社以上」を合算した割合は、全体の7割近くに上ります。同じ質問を実施した2012年と比較をすると、「2社以上」の割合が14ポイント増えました。特に「6社以上」辞退をしている方は4%から12%に増加。辞退経験者は2012年の86%から減少していることを考慮すると、辞退を経験している転職者1人当たりの辞退社数が増えている、という状況が考えられます。

2:辞退するタイミング・・・第1位は「面接前の辞退」

一般的に選考中の辞退が発生するのは、 [1]面接前の辞退、[2]面接後の辞退、[3]内定後の辞退、という3つのタイミングに大別できます。そこで、辞退をしたことがある方に「どのタイミングで辞退しましたか?」と伺いました。もっとも多かったのは「面接を受ける前の面接辞退」(53%、2012年:47%)。次いで「面接を受けた後の選考辞退」(44%、同:46%)、「内定を受けた後の内定辞退」(34%、同:39%)となりました。応募はしたものの、面接前に思い直して辞退するという方が2年前よりも増えているという状況が伺えます。一度面接を受けた後の辞退は減少傾向にあります。

3:面接の辞退理由・・・第1位は「応募後に再考したら、希望と違っていた」
  面接後の辞退理由・・・第1位は「仕事内容が希望と合わなかった」
  内定の辞退理由・・・第1位は「勤務地・給与など条件の折り合いがつかなかった」


面接前に辞退をしたことがある方に理由を質問したところ、第1位は「応募後に再考し、希望と異なると判断した」(41%)、第2位は「希望に反したスカウトメールだった」(32%)、第3位は「ネット上でよくない評判や噂を聞いた」(30%)となりました。まずは興味のある会社へ応募しているようですが、新卒時の就職活動のように『書類選考が通過してから、その企業が本当に自分の希望に合うのか確認する』というコメントもあり、面接の案内をもらったタイミングで、もう一度企業を吟味する行動が見て取れます。

続いて面接後に辞退をしたことがある方に理由を伺うと、第1位は「仕事内容が希望と合わなかった」(44%)、第2位は「勤務地・給与など条件が希望と合わなかった」(40%)、第3位は「面接での説明と求人情報に齟齬があった」(36%)という結果になりました。第4位の「面接官の行動や態度が悪かった」(34%)に関しては、フリーコメントでも多くの声が寄せられており、志望度だけでなく、企業イメージまで大きく下げることがわかります。

最後に内定後の辞退理由を伺いました。第1位は「勤務地・給与など条件の折り合いがつかなかった」(45%)となり、売り手市場を背景に『条件面で妥協しない』、『複数内定を得た中から、条件の良い会社を選んでいる』求職者の様子が見て取れます。第2位以降は「社風が自分には合わないと判断した」(32%)、「他社での選考が通過した・内定が決まった」(31%)、「求人情報や面接時の条件と齟齬があった」(29%)でした。

4:辞退の決め手となった出来事をご紹介

【企業側での準備不足】
●書類選考を通過して面接に行ったら、面接官に「君の書類、見てない」と言われた。(30代 / 男性 / 事務関連職)
●二次面接であるにもかかわらず、初めて面接するように一次面接と同じ質問をされました。(30代 / 女性 / クリエイティブ・マスコミ関連職)

【面接官の行動・態度】
●面接中、面接官同士が他の応募者の話を始めた。また、これまでの退職者の退職理由を挙げ、貴方はそんな理由で辞めないですよねと質問された。(20代 / 男性 / 事務関連職)
●転職回数について説教された。怒鳴られた。(20代 / 男性 / 営業関連職)
●面接官の服装が清潔感のない様子で入社後に気になると判断した。(20代 / 女性 / 事務関連職)
●「うちはノルマを達成しなければ殴る、ける、罵声を浴びせる等、精神的に追い込むぞ」と面接の場で言われた。厳しいのであれば別の言葉で説明してほしかったです。(20代 / 男性 /営業関連職)
●最終面接の面接官だった役職者の質問をする態度や内容が人をバカにするような言動だった。内定をいただいてもこの人のもとで仕事をしたいと感じられなかった。(20代 / 男性 / 事務関連職)
●面接開始直後、面接官がタバコに火を付け、 一服し始めたことです。「バカにしてるのか?」と思い、翌日に電話して「選考辞退」を申し出ました。(30代 / 男性 / サービス関連職)
●面接中、面接官がスマホを触ってメールを確認していた。(30代 / 男性 / IT関連職)

【求人情報との齟齬】
●募集要項には「残業代全額支給、有給消化率90%以上」と書いていたが、面接では「残業として認められた仕事内容じゃないと支給されない、有給も冠婚葬祭などの避けられない場合のみ使用を許可」など齟齬があったため。(20代 / 男性 / 事務関連職)
●産休育休制度の利用実績があることを求人票に記載しているのに、面接時に質問したら、利用実績がなかったこと。あなたが前例を作ってくださいと言われたが、騙された気持ちになった。(20代 / 女性 / 事務関連職)
●求人票記載内容と面接時の説明に違いがあった。(30代 / 男性 / その他技術関連職)

【社内の雰囲気】
●面接で待っている間に社内を見ると、整理整頓がされておらず、床に色々な荷物が散乱していた。(20代 / 男性 / クリエイティブ・マスコミ関連職)
●同僚となる人たちから前向きな雰囲気が伝わって来なかったこと。この会社は辞めておいたほうが良い、とその会社の従業員に言われたことです。(30代 / 女性 /公務員、団体職員)
●少し早目に行きトイレに行って身だしなみを整えていたところ、洗面台で社員が顧客の悪口を喋っていた。(40代 / 女性 / 事務関連職)

【ネットでの評判】
●ネットで調べたら、拘束時間が長く、無理な転勤を強要するブラック企業と出てきた。(20代 / 男性 / 営業関連職)
●現在はネットにいろいろ書いてある。元社員の言動は全てについて鵜呑みにはしていないが、顧客からの言葉は信憑性があると考えている。(40代 / 男性 / 事務関連職)
●口コミは重要な判断材料にはなります。求人内容と大きくかけ離れていたり、大量採用使い捨てが増えてきており、かなりポイントは大きいです。(40代 / 女性 / 営業関連職)


【調査概要】
調査方法:インターネットによるアンケート
調査対象:『エン転職』を利用している求職者 2,605名
調査期間:2014年11月29日 ~ 2014年12月10日 ※2012年調査:2012年3月実施、約700名が回答

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