第4回「ビジネスパーソン 1000 人調査」(英語力) 

2015年03月24日
日本能率協会グループは、全国のビジネスパーソン1000人に対して意識調査を行いました。この調査は働く人びとに焦点を当て、その時々の旬の話題をデータで紹介するシリーズです。

今回の調査から、外国人と一緒に働くには「英語でコミュニケーションをとれる」ことが重要と考えている人が最多(37.2%)なものの、実践できている人は1割(12.4%)にとどまることが分かりました。9割は仕事で英語を使う環境におらず、また、8割は英語力の維持・向上のためには何もしていないという、英語力と学習意欲に関しては心もとない結果が得られました。ただし、外国人同僚のいる人は総じて英語への意識が高く、過半数は「英語を使って仕事の幅を広げたい」と考えています。

【調査結果サマリー】

1)4割近くが外国人と働くうえで重要なのは「英語でコミュニケーションをとれること」と考えるも、
実践できる人は1割にとどまる。外国人同僚のいる人は、5割が英語を重視。

2)9割の人は「仕事で英語を使っていない」。
英語使用者の割合は、勤務先の従業員規模、年収に比例する傾向

3)外国人同僚がいる人の半数は「英語を使って仕事の幅を広げたい」。
一方、外国人同僚がいない人の半数は「英語を使って仕事の幅を広げたいと思わない」

4)8割の人が英語力の維持・向上のためには「何もしていない」。
取り組んでいる人の学習法は「教材や書籍で独学」「英語でテレビ・映画視聴」など

【調査結果】

1.4割近くが外国人と働くうえで重要なのは「英語でコミュニケーションをとれること」と考えるも、実践できる人は 1 割にとどまる。外国人同僚のいる人は、5 割が英語を重視。

今回の調査回答者 1000 人のうち、職場で共に働く外国人(同じ会社内であっても、仕事上の接点がない人を除く)がいる人は 14.2%(142 人)、いない人は 85.8%(858 人)でした。
外国人と一緒に働くにあたって重要だと思うことを聞いたところ(複数回答)、1 位「英語でコミュニケーションをとれる」(37.2%)、2 位「自分の考えを主張できる」(29.8%)、3 位「国籍・人種・宗教の異なる人に対する抵抗感がない」(26.5%)でした。
上記と同じ選択肢が自身の態度・考え方にあてはまるか聞いたところ(複数回答)、1 位「相手のやり方を尊重する」(26.0%)、2 位「自分の考えを主張できる」(25.3%)、3 位「国籍・人種・宗教の異なる人に対する抵抗感がない」(19.7%)でした。外国人と一緒に働くにあたって最重要視されている「英語でコミュニケーションをとれる」は、12.4%にとどまります。

同設問を、職場で共に働く外国人(同じ会社内であっても、仕事上の接点がない人を除く)の有無別に比較すると、外国人と一緒に働くにあたって重要だと思うことは上位 4 位までは同じ項目が並びますが、回答率が大きく異なります。1 位の「英語でコミュニケーションをとれる」は、職場に外国人がいる人の 54.2%が重視していますが、いない人は 34.4%にとどまります。
回答者自身の態度・考え方については、職場に外国人がいる人もいない人も、トップ 3 は順位が異なるものの同じ項目がランクイン。職場に外国人がいる人は、1 位「自分の考えを主張できる」(42.3%)、いない人は、1 位「相手のやり方を尊重する」(25.2%)でした。「英語でコミュニケーションをとれる」は、職場に外国人がいる人で 5 位(29.6%)、いない人では 10 位(9.6%)となりました。

2.9 割の人は「仕事で英語を使っていない」。
 英語使用者の割合は、勤務先の従業員規模、年収に比例する傾向


仕事をする上で英語をどの程度使っているかを聞いたところ(単一回答)、「まったく使わない」(73.0%)が圧倒的に多く、「ほとんど使わない」(16.5%)と合わせると、約 9 割(89.5%)が英語を使う環境にいません。英語使用者は、「ほぼ毎日使う」3.4%、「ときどき使う」7.1%を合わせた 10.5%です。
職場で共に働く外国人(同じ会社内であっても、仕事上の接点がない人を除く)がいる人は、英語を使う人が 35.9%(「ほぼ毎日使う」14.1%、「ときどき使う」21.8%)です。一方、職場に外国人がいない人は 6.3%(「ほぼ毎日使う」1.6%、「ときどき使う」4.7%)と 1 割にも満たない結果になりました。
属性別にみると、勤務先の従業員規模が大きい(従業員数5000人以上の会社に勤めている人で20.5%)、または年収が高い(年収 1000 万円以上の人で 20.6%)人の方が、英語を使用する傾向にあります。

3.外国人同僚がいる人の半数は「英語を使って仕事の幅を広げたい」。
 一方、外国人同僚がいない人の半数は「英語を使って仕事の幅を広げたいと思わない」


英語を使って仕事の幅を広げたいと思うかを聞いたところ(単一回答)、そう思う人は 29.4%(「とてもそう思う」9.7%、「ややそう思う」19.7%)、どちらともいえない人は 21.4%、そう思わない人は 49.2(「あまりそう思わない」16.8%、「まったくそう思わない」32.4%)でした。
職場で共に働く外国人(同じ会社内であっても、仕事上の接点がない人を除く)がいる人は、過半数(51.4%)が英語を使って仕事の幅を広げたいと思っています。しかし、職場に外国人がいない人では多数派が逆転し、52.5%が英語を使って仕事の幅を広げたいとは思っていません。
回答者の年代別にみると、英語を使って仕事の幅を広げたいと思っているのは 20 代(35.8%)・30 代(36.7%)に多く、そのほかの属性では派遣社員が 36.0%、勤務先の従業員規模 5000 人以上の人で 37.6%、年収 700 万円以上~1000 万円未満の人が 37.8%と最も多いという結果になりました。

4.8 割の人が英語力の維持・向上のためには「何もしていない」。
 取り組んでいる人の学習法は「教材や書籍で独学」「英語でテレビ・映画視聴」など


現在、英語力の維持・向上のためにどのようなことをしているかを聞いたところ(単一回答)、約半数が「英語力を維持・向上したいと思っていない(何もしていない)」(49.7%)、残りの 3 割も「英語力を維持・向上したい気持ちはあるが、時間や費用の問題で何もしていない」(31.0%)と回答し、8 割の人が何もしていないという結果でした。
全回答者のうち 2 割(19.3%)は英語学習のために心がけている・取り組んでいることがあり、その内容(複数回答)は 1 位「英語教材や書籍で独学」(26.4%)、2 位「テレビ・映画を英語で視聴」(24.9%)、3 位「海外旅行」(21.8%)です。7 位「モバイル端末向けアプリで学習」(10.4%)、10 位「オンライン英会話を習う」(6.2%)、11 位「外国人と SNS で交流」(4.1%)など、IT ツールの活用はまだ多くはありません。
職場で共に働く外国人がいる人の 4 割(42.2%)は、英語学習のために心がけている・取り組んでいることがあると回答。外国人同僚の有無が英語学習に対する意識の差につながっています。


【調査概要】
・調査名称:第4回ビジネスパーソン1000人調査
・調査期間:2014年12月1日(月)~8日(月) 8日間
・調査対象:(株)日本能率協会総合研究所「JMAR リサーチモニター」のうち全国の 20歳~69歳までの正規・非正規雇用の就業者(企業や団体で働く正社員、役員、経営者、契約・嘱託社員、派遣社員。ただしパート・アルバイト、医師・弁護士などの専門職業、自由業を除く)
・調査方法:インターネット調査
・回答数:1,000 人(内訳:男性 556 人、女性 444 人) ※回答は小数点第 2 位を四捨五入

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[日本能率協会]
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