収入と支出に関する調査(20-50代の男女有職者対象) 

2015年03月11日
インターネット調査会社のマーシュは、全国在住の有職の20歳~59歳男女個人を対象に収入と支出に関する調査を実施。調査期間は2015年2月23日~2月25日で、同社が運営する「D STYLE WEB」のアンケート会員を対象に実施。

【調査総括】

~1ヶ月に自由に使える額は、「 2 ~ 3 万円未満 」が最も多い~

昨今 、個人消費の伸び悩みが様々な企業を悩ませている。 2014 年 10 ~ 12 月期 の実質国内総生産 ( GDP 、 季節調整値)の速報値は、年率換算で前期比 2.2 %増 と、 昨年 4 月 の消費税増税以降、初めてプラス成長になった。だが 、 GDPの個人消費は前期比 0.3 %増に留まり、伸び悩んだままとなっている。
実際のところ、消費者の懐の状況はどうなっているのか。今回は 20-50代の男女有職者 320 名 を対象に 「収入と支出」 に関する調査を行った。

まず収入について尋ねると、個人年収のボリュームゾーンは「 300 ~ 400 万円未満 」。男性はどの年代においても、女性よりも年収が高い傾向がみられた。

現在の総貯蓄額については、ボリュームゾーンは「 100 万円未満 」で、特に女性 20-30 代未婚では「 100 万円未満」 が 3 割 以上となった。毎月の貯蓄額は「 1 ~ 3 万円未満 」が最も多い結果であった。男性 20-30 代未婚の月々の貯蓄額は、他の年代よりも高く、一方 で、男性 40-50代未婚は貯蓄の習慣が低い傾向が見られた 。

貯蓄の理由で最も多かったのは「老後資金のため 」「貯蓄があると安心できるから 」「将来に不安があるから 」などが多く挙がった。男性よりも女性のほうが「貯蓄があると安心できるから 」が高く、女性の慎重さ・堅実性が伺える。

次に、現在の個人収入に ついて尋ねると、全体の 23.7 % は満足 しているという結果であった。最も「 満足計」 が高かったのは男性 20-30代既婚で、反対 に 「不満計」は 40-50 代の未婚層で高い傾向 がみられた 。

現状の収入に不満 が多かった 40-50代未婚層は、今の年収から女性はプラス 10 ~ 50 万円 程度、男性はプラス 50 ~ 100 万 程度を希望している。男性のほうがより高い収入を希望している傾向がみられた。

1ヶ月に自由に使える額は、「 2 ~ 3 万円未満 」が最も多い。 女性 20-30代既婚は 、「 2 万円 未満」が多く、同年代の未婚女性と比べて差がある。自由に使えるお金の使い道は、「外食費(飲み代含む )」、 次いで「お菓子・飲料」、 「交際費」と 続く 。「貯蓄」は、既婚よりも未婚のほうが高い傾向であった。

今欲しいものでは「国内旅行」が最も 多く、 次いで「海外旅行」と 、国内海外共に 『旅行』 が、欲しいものの上位2項目であった 。特に女性 20-30代未婚、女性 40-50代既婚で、高い傾向がみられた。

今後将来的に購入予定の大きな買い物は、「自動車」、 次いで「旅行」、 「住居」と 続く。「自動車」を属性別にみると 、年代問わず既婚 男性は高く 、未婚女性は低い 。「旅行」は女性 20-30代未婚が最も 高く、同じ 未婚女性であっても 40-50代は低い結果であった。「旅行」「株式・証券」は、購入検討者のうち半年以内が 4 割以上となっており、 1 年以内を合計すると 6 割 以上が 1 年以内の購入を予定していた。反対に「住居」は購入時期はまだ具体的に決まっていない人が多い。

最後に、モノへの欲求をみると、「 A :欲しいものがあればすぐ 買う/ B :よく考えてから 買う」は「B 計」のほうが高く 、 男女ともに、 20-30代が40-50代よりも「A 計」が高い。

「 A :欲しいもの(買いたいもの)は常にある/ B :欲しいものはない」は「A 計」のほうが高く、特に男女 20-30代未婚が高い。

「 A :いつも新しいものを買いたい/ B :ひとつのもの(同じもの)を長く使いたい」は「 B 計」のほうが高く、男性 20-30 代未婚は 「A 計」、男性 40-50 代既婚は「B 計」が 高い傾向であった。

「 A :流行のものはすぐに買う/ B :自分に合っているものしか買わない」は「B 計」のほうが高い。

「 A : 独身時代は好きなものを買い、貯金は気にしない/ B :独身でも今後のために貯蓄する」は「B 計」のほうが高い。男性 20-30 代既婚では「A 計」が、女性は男性よりも「B 計」が高い傾向がみられた。

「 A :モノを重視する/ B :サービスを重視する」は「A 計」のほうが高く 、 男性 20-30代既婚では「A 計」が、女性 20-30代は未既婚 問わず「B 計」が全体よりも高い傾向がみられた。

全体的に、収入や支出の実態・意識について、男女間・未既婚間で違いがみられた。女性よりも男性のほうが、収入・総貯蓄金額が高いものの、月々貯金をする習慣は女性のほうで特にみられた。「貯蓄があると安心できる」「独身でも今後のために貯蓄する」という意識が、男性よりも女性のほうが高くなっており、女性のほうがより将来の保障や安心感を求めていることがうかがえる。

支出についてみると、「自動車」は年代問わず既婚男性で、「住宅」は 20-30 代既婚層で、購入したいモノとなっている。 20-30 代の若い年代でも、家庭をもつことで「自動車」や「住宅」への欲求が高まること傾向がみられる。一方で、女性 20-30 代未婚は購入したい商品・サービスでは「旅行」が高くなっており、意識としてもモノよりサービスを重視する傾向がみられた。

現状の収入については不満に感じている人も多く、将来の安心を求めるために貯蓄をしている。未婚層ではモノよりもサービスへの購入欲求がみられる。未婚率が上昇している現在、お金の使い道は一定のライフコースに従ったものではなく、多様に分岐していくのだろう。


【調査概要】
調査名:収入と支出に関する調査
調査対象者:全国、20歳~59歳の男女 有職者(パート・アルバイト除く)
サンプル数:320s
調査期間:2015年2月23日(月)~2月25日(水)
調査方法:インターネット調査
調査機関:株式会社マーシュ
アンケートモニターサイト「D STYLE WEB」の登録会員を対象に実施

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[マーシュ]
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