旅行動向調査「トリップバロメーター」(全世界の宿泊事業者および旅行者対象) 

2015年03月11日
旅行口コミサイト「TripAdvisor®」(トリップアドバイザー)は、全世界の宿泊事業者および旅行者を対象にした世界最大規模の旅行動向調査である「TripBarometer(トリップバロメーター)」(以下、トリップバロメーター)を発表。
トリップバロメーターは、トリップアドバイザーが年に 2 回発表する、旅行者の消費動向や各国の特徴、旅行の計画の立て方の違いなどを把握することを目的とした調査です。

【調査の主なポイント】

旅行者への調査より
● 日本人の2015年の年間旅行予算額の平均は、¥676,200 (US$5,700)※1
● 2014年に世界の旅行者が最も多く訪れた国はアメリカ合衆国(19%)に次いで日本とイタリアが同率2位(10%)
  2015年には世界の旅行者の11%が日本旅行を予定。2014年同様アメリカに次いで2位。

宿泊施設への調査より
● 日本の宿泊施設の32%は2015年の収益を楽観視
● 自社の将来にとって最も大切な要素として、88%の日本の宿泊施設が「オンライン上の口コミ」と回答

【調査結果】

世界全体の年間旅行予算は増加の見込み
旅行予算額が最も多いアジアの国は中国でUS$5,900、日本はUS$5,700
(日本円換算:¥676,200※1)

2015年度の旅行予算を尋ねたところ、世界の旅行者の41%が増額、23%が減額と回答しました。日本人に限ってみると、32%が増額、23%が減額という結果になりました。2015年の旅行予算額の高い国トップ10は以下の通りで、アジアの国における予算額トップは中国のUS$5,900、日本はUS$5,700で11位という結果でした。

旅行予算の高い国 トップ10

1 位 スイス US$12,100
2 位 オーストラリア US$11,700
3 位 ニュージーランド US$9,500
4 位 アメリカ US$8,700
5 位 イギリス US$8,400
6 位 ドイツ US$7,600
7 位 カナダ US$6,900
8 位 オーストリア US$6,800
9 位 アイルランド US$6,300
10 位 中国 US$5,900

旅行予算を増額する世界の旅行者に理由を聞いたところ、最も多かった回答は、「旅行は自分や家族を報いるために必要」(42%)で、次いで「今年は自分の希望の旅先に行くから」(41%)、3位は「そのために貯金をしてきたから」(39%)でした。一方、予算を減額する旅行者の理由トップ3は、1位が「貯金が足りないから」(31%)、2位が「物価が安い国へ行く予定だから」(27%)、3位が「昇給やボーナスがなかったから」(23%)でした。予算を減額する旅行者は同様に旅行時の支出も抑える予定で、その方法として「安い宿泊施設を選ぶ」(22%)、「安い食事を選ぶ」(17%)といった回答が上がりました。

世界の旅行者は、2015年に昨年より多くの海外旅行を計画中

世界全体では、観光を目的とした海外旅行は15%の増加が見込まれています。2014年に観光を目的とした海外旅行に出かけた人の多い国トップ10は以下の通りで、各国とも今年もより多くの海外旅行を計画していることが分かりました。日本人で海外旅行に出かけた人の割合は、59%でした。
 
2014年に観光を目的とした海外旅行に行った人の割合が多い国 トップ10

1 位 オーストリア 98%
2 位 スイス 97%
3 位 ドイツ 91%
4 位 アラブ首長国連邦 89%
5 位 アイルランド 87%
5 位 イスラエル 87%
7 位 イギリス 83%
8 位 カナダ 82%
9 位 ロシア 81%
10 位 フランス 80%

2014年に世界の旅行者が最も多く訪れた国1位はアメリカ、2位はなんと同率で日本とイタリア!
2015年も日本のインバウンド・ビジネスは堅調な成長が見込まれる

調査に参加した世界の旅行者の10%が2014年に日本を旅行したと回答し、日本はアメリカに次いでイタリアと同率で二番目に多く世界の旅行者が訪れた国であることが分かりました。
またおよそ10人に1人(11%)が2015年に日本を訪れる予定があると回答しており、今年もアメリカに次いで2番目に多くの人が日本での旅行を計画しています。インバウンド・ビジネス(訪日外国人観光客の需要)は今年も堅調が見込まれます。

また、旅行予算や費用のことを考慮しないで済むとしたらどこに旅行に行きたいか、「夢の渡航先」を聞いたところ、1位はオーストラリア、2位がアメリカ、3位はイタリアで、日本は10位となりました。

日本の宿泊施設の32%は2015年の収益を楽観視、宿泊業界は自信を深めていることが明らかに

2013年の初回トリップバロメーター調査以降、グローバル全体の宿泊業界は収益に自信を持ってきている様子が見て取れます。2013年は今後1年間の収益を楽観視している宿泊施設は3社に2社の割合でしたが、2015年は4社に3社の割合に増加しています。日本においては、32%の宿泊施設が収益について「楽観視している」と回答した一方、「楽観的でも悲観的でもない」との回答が46%、「悲観的」が21%でした。

世界的に、従業員への投資は2014年と比較して大幅に増加しています。日本も例外ではなく、日本の従業員教育への投資は2014年の29%から2015年は40%と、11%上昇しています。従業員採用への投資も同様に、2014年の26%から2015年は32%と、6%の上昇となっています。

客室料金については、日本の宿泊施設の43%が今年値上げを予定していると回答しています。また改装費用については、日本の宿泊施設の半数が今年、修繕など小規模なリノベーションへの投資を増やす予定と回答しています。一方、改装や大規模なリニューアルへの支出を増額する予定があるのは19%で、5社に1社の割合となりました。

投資計画は市場によって異なるものの、大多数にとって最優先事項はオンライン上の口コミ

宿泊業界では今年、様々な分野における投資の増額が見込まれていますが、オンライン上の口コミへの対応や管理に関する投資の増加は世界的に見ても顕著な動きであると言えます。世界の宿泊施設の60%がこの分野への投資を「増額する」、更には26%、つまり4社に1社に至っては「大幅に増額する」と回答しています。一方、オンライン上の口コミへの対応や管理に関する投資の増加は日本ではグローバルと比較するとやや低く、「増額する」と回答した日本の宿泊施設は54%、「大幅に増額する」は14%でした。しかしながら、自社の将来にとって最も大切な要素は何かという質問には、88%の日本の宿泊施設が「オンライン上の口コミ」と回答しています。

【脚注】
※1  1US$ = ¥118換算 (2015年2月25日現在の為替レートを適用)
※2  「旅行者」は、トリップアドバイザー利用者および、Ipsosのパネリストでオンライン上の旅行計画を昨年立てたことがある人のうち、本調査への参加に同意した人を指します。宿泊事業者は、トリップアドバイザーの無料マーケティングツール利用者から抽出しています。


【調査概要】
・目的:国、地域、世界の旅行トレンドの集計・分析・発表
・実施機関:調査会社Ipsosがトリップアドバイザーの委託を受けて実施
・集計期間:2015年1月16日~2月2日の間にオンラインで実施
・対象国・地域:世界7エリア・32の国と地域
・対象者:旅行者34,016名、宿泊事業者10,261名、合計44,277名 ※2
 うち日本人回答者は2,169名 (旅行者 2001名、宿泊事業者 168名)
・特記事項: 前回の調査結果との整合性を図るため、調査データには世界のオンライン人口比を、全体、及び各国・地域別にも加重

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