第12回「企業の広報活動に関する意識実態調査」 

2015年03月10日
経済広報センターは、1980年より3年ごとに「企業の広報活動に関する意識実態調査」を実施しています。2014年10月から11月にかけて、その第12回調査を実施し、このほどその調査結果がまとまりました。
企業を取り巻く環境の変化に伴い、広報活動に関する企業の意識や実態がどのように変化しているかを浮き彫りにし、今後の広報活動に関する指針を得ることを目的としています。

【調査結果(要点)】

・広報部門の業務量、人員は増加傾向、予算は減少傾向。業務量増加の主因は「グローバル広報」の強化

・社内広報ツールは「イントラネット」と「社内報(紙・誌)」。イントラネットの活用割合が増加

・「中国」重視は減少し、「東南アジア(ASEAN)」重視が大きく増加

・約半数の企業でソーシャルメディアを活用。最もよく利用しているのは「Facebook」

・グループ広報を行う企業は65.8%。主な実施目的は「経営方針、経営情報などのグループ内共有化」

・危機管理体制の強化傾向。45.5%が緊急時メディアトレーニングを実施


【調査結果】

第12回「企業の広報活動に関する意識実態調査」結果の概要

1.広報部門の業務量、人員は増加傾向、予算は減少傾向 

広報部門全体の業務量は2013年度に比べ「増加」が43.3%、「横這い」が51.1%、「減少」が4.3%と増加傾向がみられた。前回調査(2011年)と比較すると「増加」が減り、「横這い」が増えたことがわかるが、業務量は増加傾向といえる。業務量が増加した理由は「グローバル広報の強化」が最も多かった。また「事業拡大/グループ企業の増加・統合」「記事発信・メディア対応」なども業務量増加の理由として多かった。
広報部門の担当者数は、2013年度に比べ「増加」が21.2%、「横這い」65.4%、「減少」13.4%であり、前回調査と同様に増加傾向がみられるが、予算の増減では、「増加」が17.7%、「横這い」61.9%、「減少」が18.2%であった

2.社内広報ツールは「イントラネット」と「社内報(紙・誌)」

社内広報の媒体としては「イントラネット」(90.5%)、「社内報(紙・誌)」(87.9%)が多く、これらが社内広報の2大媒体となっていることに変わりないが、今回調査では「社内報(紙・誌)」よりも「イントラネット」の活用割合が高くなっている。
他の媒体では「ビデオ/DVD」(34.2%)、「掲示板(はり紙)」(24.7%)となっている。
「社内報(紙・誌)」の発行頻度は、「隔月刊・季刊」(50.2%)と「月刊」(29.4%)が中心であるのに対し、「イントラネット」は毎日更新している企業が23.4%である。多くの企業では、速報性に優れている「イントラネット」と、定期発刊される「社内報(紙・誌)」のそれぞれの長所を活かし、目的や内容に応じて使い分けられている。

3.東南アジア重視が大きく高まる

広報活動が必要な海外の関係会社・支社を持つ企業は全体の55.8%であり、そのうち現地に専任広報担当者が「いる」企業は30.2%(全体の16.9%)であった。
海外の現地で使われている広報メディアとして多かったのは「新聞」(70.5%)、「企業ウェブサイト」(67.4%)、「雑誌(50.4%)」であった。
今後、海外広報活動を重視する地域については、前回調査では「中国」が最も高かったが、今回調査では「東南アジア(ASEAN)」が最も高く74.4%であった。「中国」は49.6%であった。続いて「北米」(48.1%)、「欧州」(34.9%)の順であった。

4.約半数の企業でソーシャルメディアを活用


ほぼすべての企業(99.1%)が自社ウェブサイトを開設しており、76.6%が広報部門が主担当として運営している。ソーシャルメディアの活用については、「活用している」と回答したのは約半数の48.5%で、前回調査の33.8%から14.7ポイント増えた。
利用しているソーシャルメディアとしては「Facebook」(65.2%)が最も多く、「Twitter」(41.1%)、「YouTube」(36.6%)が続いた。「Facebook」(8.2ポイント増)、「YouTube」(11.3ポイント増)が増加しているのに対し「Twitter」(23.5ポイント減)、「ブログ」(22.4ポイント減)は減少した。
ソーシャルメディア活用の中心となっている部門としては、「広報部門」が最も多く30.4%、ついで「広告・宣伝部門」25.9%であった。
広報部門でのソーシャルメディアの活用目的は、「企業の認知度向上」(32.1%)、「顧客とのコミュニケーション」(31.3%)などであった。

5. グループ広報の実施目的は、「経営方針、経営情報などのグループ内共有化」

グループ広報は全体の65.8%で実施されており、「国内でのみ実施している」が29.4%、「国内、海外、統一的に実施している」が22.5%、「国内、海外、それぞれで実施している」のが13.9%であった。
グループ広報の主な目的について、「経営方針、経営情報などのグループ内共有化」が最も多く、国内は64.5%、海外は72.6%であった。次いで「グループ内コミュニケーションの推進」で、国内は55.3%、海外は56.0%であった。海外では「グループ社員としてのアイデンティティの醸成」の割合も高く、半数を超える53.6%であった。

6.危機管理体制の強化傾向

広報部門での危機管理の取り組み内容としては、「広報部門スタッフが危機管理に関する勉強会などに参加」が最も多く、前回調査から8.6ポイント増加して74.0%であった。また、「広報部門が社内の『危機管理委員会』のメンバー」が71.0%、次いで「広報部門に『危機管理マニュアル』がある」が64.9%であった。「トップ・役員への緊急時のメディアトレーニングを実施」(45.5%)は前々回調査(2008年)から増加傾向であり、前回調査と比べて6.6ポイント増加した。


【調査概要】
調査対象:経済広報センター、経団連の主要会員企業の広報担当責任者を対象に実施。
調査期間:2014年10月20日~11月7日
有効回答数:231社(発送数:534社、回答率43.3%)
調査方法:郵送調査

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[経済広報センター]
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