経営者コンピテンシーに関するアンケート調査 

2015年01月08日
日本能率協会(JMA)は、トップマネジメント層の経営力向上を目的として『JMAトップマネジメント研修』プログラムを提供しています。このたび、変化の激しい経営環境の先頭に立つ「理想の経営者」に求められる資質とは何かをひも解くため、同プログラムの2014年度受講者らに、経営者のコンピテンシー(能力や資質、適性)に関するアンケートを実施しました。

【調査結果】

1.経営者に求められる資質は「統率力」から「イノベーションの気概」に。 変わらず求められるのは「本質を見抜く力」

理想的な経営者に求められる資質として重要だと思うものを聞いた(28項目の選択肢の中から、回答者1人につき2つ選択)。

「今までの経営者」に求められていた資質には、1位「統率力」(79票/35.4%)、2位「本質を見抜く力」(61票/27.4%)、3位「強烈な意志」(36票/16.1%)、4位「人心掌握力」(28票/12.6%)、5位「胆力(覚悟・腹の括り方)」(27票/12.1%)が挙げられた。

「これからの経営者」に求められる資質については、1位「イノベーションの気概」(76票/34.1%)、2位「変化への柔軟性」(59票/26.5%)、3位「本質を見抜く力」(51票/22.9%)、4位「ビジョンを掲げる力」(43票/19.3%)、5位「過去からの脱却」(27票/12.1%)という結果になった。
上位5位までは、「本質を見抜く力」以外はすべて入れ替わるという結果になり、今までとこれからの経営者に求められる資質に明確な違いがみられた。

大きく順位を上げたのは「国際的経験」。「今までの経営者」については25位(0票/0.0%)だったが、「これからの経営者」では6位(24票/10.8%)と上位にくい込んだ。また、「多様性の活用」も22位(1票/0.4%)から7位(22票/9.9%)と重要度が高まっている。

回答からは、「今までの経営者」は人を束ね集団を率いる統率型のリーダー像が理想的とされてきたのに対し、「これからの経営者」は方向性を示し環境変化に対応する変革型のリーダー像が浮かび上がった。

2.職場からの評価に手ごたえあり。「本質を見抜く力」「過去からの脱却」「イノベーションの気概」等、これからの経営者に求められる資質は発揮できている


自分が発揮している資質について、上司・同僚・部下など職場の人々からどのように見られていると思うか(自分の資質に対する職場からの評価)を聞いた(28項目の選択肢の中から、回答者1人につき3つ選択)ところ、1位「本質を見抜く力」(45票/20.2%)、2位「過去からの脱却」(41票/18.4%)、3位「イノベーションの気概」「変化への柔軟性」(39票/17.5%)、5位「外部思考」「ビジョンを掲げる力」(36票/16.1%)となった。これからの経営者に求められる資質の上位5位が全て含まれ、職場からの評価に手ごたえを感じているようだ。

また、そうした資質はどのような経験から獲得し、発揮できるようになったかを自由記述で聞いた。1位の「本質を見抜く力」を評価されていると回答した人は、「経営者への提案をした時、原理・原則・本質に照らした質問や指摘を受けてきたこと」(輸送機器メーカー)、「客先からの困難な要求に対し、物事の本質がどうなのかという観点から解決策を見出してきた」(建設業)、「仕事を進める上では、様々な見地から最適な道を瞬時に意思決定してこなければならなかった」(食品メーカー)など実践の積み重ねを挙げた。

「これからの経営者」に求められる資質は「イノベーションの気概」が最多だが、自分はこの資質を評価されていると回答した人は、「新事業の立上げに最初から関与した」(化学メーカー)、「新しい部門の立ち上げ」(システム)、「新領域事業への挑戦」(広告)などの経験を挙げ、「新しい」という記述が目立った。


【調査概要】
実施期間:2014 年 7 月 17 日~2014 年 12 月 5 日
実施対象:『JMA トップマネジメント研修』受講者、ほかセミナー受講企業の役員
実施方法:質問紙法
回答数:企業の取締役および執行役員223人[内訳:取締役88人(39.5%)・執行役員135人(60.5%)]
回答者業種:製造業 137 人(61.4%)、非製造業 86 人(38.6%)

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本能率協会]
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