市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニングは、ウェアラブル端末の市場展望に関する調査を実施。

近年、ユビキタス環境の整備、ハードウェア技術の進展、特にスマートフォンの本格普及がウェアラブル端末の実用化・普及の大きい土台となり、新しい概念のウェアラブル端末市場が立ち上りました。2013年以降、スマートフォン市場の成長が鈍化し始め、次の成長分野としてウェアラブル市場が注目を集めています。

国内外のIT大手企業や端末メーカ、通信事業者、スマートフォン周辺機器・アクセサリーメーカなど様々な業界からウェアラブル事業に参入しており、現状、市場には腕回りのウォッチ型とブレスレット型が主流となり、様々な製品が展開されています。2015年はAppleが腕時計型のウェアラブル端末「Apple Watch」を発売すると発表し、関連業界の注目が非常に集まっています。

本調査では、ウェアラブル端末市場への参入事業者動向と消費者動向、現在展開されているウェアラブル製品のトレンドを分析し、市場の課題と今後の成長性を展望しました。

【調査結果のポイント】

◆ 国内ウェアラブル端末の2020年の市場規模は680万台と予測

◆ Apple Watchの投入で、腕時計型が過半を占める


国内のウェアラブル端末を以下の4カテゴリーに分類して、その市場性を調査した。
・腕時計型
・ブレスレット型
・メガネ型
・その他(指輪型、ネックレス型、衣類型など)

2014年の国内ウェアラブル端末市場は130万台と推定
国内ウェアラブル市場は、2014 年130 万台規模と推定する。2013 年はウェアラブルの元年と言われ、業界の大手各社がウェアラブル事業に本格的に取り組み、2014 年は様々な製品が市場に投入され、製品バリエーションが非常に増えた。その背景には、2007 年から急速に普及してきたスマートフォンの成長率が鈍化し始め、次に成長する市場として“ウェアラブル”に国内外の注目が集まったからであろう。

ウェアラブル端末市場は2014年に開花
数十年前からウェアラブルコンピューティングに関する様々な研究は行われていたが、コンセプトモデルとして提示されるだけで、技術的課題が大きくコンシューマー市場はなかなか立ち上がらなかった。しかし、スマートフォンの登場により、通信やディスプレイなどの機能をスマートフォン側と連動して担うようになったことと、ウェアラブル端末の必須条件である軽量化・小型化に必要な、半導体・バッテリー・ディスプレイ・センサー・通信などの中核技術が進展してきたのも市場形成の背景として重要。
2013 年、2014 年は、腕回りの製品(ウォッチ型、ブレスレット型)が主流となり、製品バリエーションを増やして、成長してきた。

2015年発売予定のApple Watchが市場を牽引
2015 年Apple 社がApple Watch を投入すると、非常に大きいインパクトを市場に与えると予想する。過去、iPhone 3GSやiPad の初代モデル、iPad mini が発売された時と同じような現象が起こり得る可能性がある。その波及効果は徐々に一般ユーザーにも広がるようになり、2015 年は腕時計型(ウォッチ型)を中心に市場が大きく成長すると予想する。

メガネ型端末は2018年頃から市場を形成
メガネ型製品は2013 年発表されたGoogle Glass がその可能性を具体的に提示したが、現在商品化されている製品は非常に少ない。現状の技術の進展、研究・実証実験、事業者の取り組みなどから展望すると、一般コンシューマー向けのメガネ型製品の可能性は今後3~4 年後くらいに見えてくると予想される。IT 業界だけではなく、メガネ業界からの参入も予想される。センサーを搭載したメガネで様々な情報を取得して、それを便利に利活用する文化が定着すれば、センサーメガネは一般に普及するであろう。また、解決すべき技術的ハードル、情報セキュリティや安全などの課題が徐々に解決していけば、メガネ型端末の可能性は非常に高いと思われる。メガネ型市場の反響が見えてくる2018 年以降に、ウェアラブル市場がさらに拡大する可能性がある。

ブレスレット型は機能限定で一定市場を確保
一方、ヘルスケア/フィットネスが主な用途となっているブレスレット型は、ヘルスケア機能付き(センサー搭載など)の腕時計型製品の成長に影響されると予想する。ただし、そもそも腕時計を着けないユーザーや、スポーツ時など特定のシチュエーションのみ、機能を絞ったブレスレット型製品を利用する一定のユーザーニーズもある。従って、機能を絞ったブレスレット型製品が今後一定の市場規模を確保していくと推測する。

その他カテゴリーの展望
その他カテゴリーについては、現在出ている指輪、ネックレス、衣類型などの製品と、コンセプトモデルとして紹介されている様々な形状の製品が進化して一定の市場を形成していくと予想する。将来的にはインプラントなど、よりハイレベルの技術の研究も進んでいくだろう。


【調査概要】
調査対象:
 ・ウェアラブル製品メーカ(モバイル端末メーカ、映像機器メーカなど)
 ・ソフトウェア開発事業者
 ・通信事業者
 ・輸入販売事業者、など
調査内容:
 ・ウェアラブル端末の生誕と変遷
 ・製品動向
 ・参入事業者動向
 ・消費者動向
 ・今後の市場成長性と課題
 ・事業者ヒアリング
調査手法:各種公開情報の収集、訪問・電話によるヒアリング調査
調査期間:2014 年7 月~12 月

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