「資格取得やスキルアップ」についての調査(派遣社員対象) 

2014年12月26日
エン・ジャパンは、運営する「エン派遣のお仕事情報」上でサイト利用者2,808名を対象に「資格取得やスキルアップ」についてアンケート調査を行ないました。

【調査結果概要】

派遣社員の時給は12ヶ月連続で前年同月比プラス。派遣会社は登録スタッフの確保に苦戦をしているため、時給などの労働条件向上だけでなく、就業後のフォローやキャリア形成支援などに取り組むケースが増えています。また審議に挙がっていた「労働者派遣法改正案」でも派遣労働者への教育訓練を義務付ける項目が記載され、派遣社員に対するキャリアアップ施策の実施は、ますます重要性が増しています。

今回は派遣でのお仕事を探している方々に「資格取得やスキルアップ」について伺いました。資格取得やスキルアップに興味がある方は92%いるものの、半数の方は行動に移せていないことが明らかに。派遣会社の研修に参加している方は10%のみで、今後参加してみたいという方も23%に留まりました。派遣各社が注力を始めている派遣社員への教育施策の周知拡大にはまだまだ余地があると言えそうです。具体的にスキルアップで関心のある分野ベスト3は「英語」「データ集計・加工スキル」「資料作成スキル」でした。そのほか、資格取得やスキルアップをして良かった・思うようにいかなかったエピソードをご紹介いたします。

【調査結果詳細】

1:派遣社員の44%は、資格取得に興味はあるものの、何も取り組めていない。

派遣でのお仕事を探している方に「資格取得やスキルアップについて、興味はありますか?」と伺ったところ、「すごくある」(43%)「ある」(49%)で、計92%の方が興味を持っていると回答しました。その方々に「具体的にやっていることはありますか?」と質問をすると、約半数の44%の方が「やりたいけれど行動できていない」と答え、意欲が実行動に結びついていないことがうかがえます。具体的にやっていることの次点は、「読書」(22%)、「今のスキルを向上できる仕事に就く」(21%)でした。派遣会社が力を入れ始めている「派遣会社の研修に参加する」という回答は10%に留まり、まだ実際に受講したことがある方は限られています。

「資格取得やスキルアップに関して、やってみたいこと」を伺うと、第1位は「新しいスキルが身につく仕事に就く」(35%)、第2位は「スクールに通う」(34%)となり、「派遣会社の研修に参加する」は23%でした。派遣会社の取り組みが派遣社員の方のスキルアップ手段の選択肢に占める比重としては、まだまだ小さく、周知や具体的なメリット提示をしていく必要がありそうです。

2:資格取得やスキルアップで関心のある分野のベスト3は「英語」「データ集計」「資料作成」。

「資格取得やスキルアップに関して、関心のある分野はなんですか?」という質問では、第1位が「英語・英会話」(51%)、第2位が「Excel・Accessなどのデータ集計・加工スキル」(50%)、第3位が「Word・PowerPointなどの資料作成スキル」(40%)となりました。関心のある理由として、「資格取得やスキルアップをして、実現したいことはなんですか?」と伺うと、トップ3が「収入アップ」「就職・転職」(ともに53%)「自己成長」(52%)となり、仕事への好影響を期待していることが分かります。

実際に直近の派遣時給(※)でも、「貿易・国際事務」「英文事務」「通訳・翻訳」などの英語を使うオフィスワーク系は、平均時給が高めで、スキルアップが収入アップにつながる可能性が高いと言えます。またデータ集計や資料作成スキルなどが求められるオフィスワーク系全般は、すべての派遣募集案件の中でも案件数が多く、就業しやすい職種と言えそうです。

※2014年11月時点の平均時給(三大都市圏)
オフィスワーク系全体:1,467円、貿易・国際事務:1,508円、英文事務:1,633円、通訳・翻訳:1,977円

3:スキルアップをして良かった/思うようにいかなかったエピソード

「資格取得やスキルアップをして良かった、もしくは思うようにいかなかったというエピソードがあれば、教えてください」と伺いました。まずは「良かった」エピソードをいくつかご紹介いたします。

【収入アップ】
◎メインの資格だけで仕事をしていたが、採用倍率が高かった。そこで、メインの資格に近いサブ資格を取ったことにより応募できた求人先で、メインの資格を活かした仕事も任された。その分、収入アップに繋がった。(大阪府/27歳)
◎TOEICなどは取っておいて本当に良かった。一般事務よりは若干高めの時給を望んだり、この年齢でも仕事を選べるのは大変ラッキーだと思う。(埼玉県/40歳)

【就職・転職に有利】
◎職業訓練で簿記2級と税法を取得し、販売職から憧れの経理の仕事に未経験だったが採用された。あとから採用理由を聞いたところ、資格を持っていることより、資格をとるために学校に通う意欲で採用したと言われました。資格を持っていても、実務経験がないと(採用されることは)難しいとは思うが、資格を取得する意欲を見てもらえてよかったです。(東京都/28歳)
◎MOSがあるのと無いのとでは、事務職の書類通過率が全然ちがいます。独学でも取れるので、取得するにこしたことはないかと。(東京都/30歳)
◎通訳翻訳者として対応可能な分野を増やしておいたので、仕事の幅が広がり、不景気のときにも仕事に困らなかった。(長野県/35歳)
◎語学ができない人が多い職場なので英語ができるというだけで評価が高い。(愛知県/36歳)
◎英語と簿記の資格を持っていたため外資系企業の経理部に採用された。両方とも1つでは弱い資格ですが2つあったことが良かったのかと思います。(埼玉県/38歳)
◎英語の習得目的で海外へ留学し、帰国後、転職し、希望の職種に就けたので、思い切って留学してよかったと思っています。(埼玉県/40歳)

【自己成長】
◎月次作業等の自動ツールの作成(ExcelVBA・AccessVBA)をして月次処理の効率が上がり、ほかに工数が回せるようになった。Webツール作成により、自己負担を軽減できた。(神奈川県/42歳)

続いて、「思うようにいかなかった」エピソードをご紹介いたします。

【実務経験が必要】
◎スキルをある程度身につけたが、経験者の募集ばかりで応募できる企業がない。(千葉県/43歳)
◎経理関係の仕事にいつかはチャレンジしてみたいと思い、ひとまず日商簿記3級を取得。ただ実務経験必須などが多く、思ったように転職先が見つからず、活用できていません。(神奈川県/32歳)
◎これからの時代はパソコンの資格!簿記もあった方が良い!と言われて取得したが、現場で求められるのは資格より経験。唯一よかったのは履歴書の資格欄が埋まること…。(静岡県/32歳)

【勉強途中で挫折】
◎IT系の資格を目指してCCNAのスクールに通いましたが、あまりにも興味が沸かず、途中でやめてしまいました。やはり興味が沸かないことにチャレンジするのはやめようと実感。(埼玉県/32歳)
◎翻訳家を目指して翻訳の通信教育を受けたが、慎重すぎて一番簡単なコースを選んでしまい、スキルアップにならなかった。また、通信教育なのでさぼりがちになってしまった。(神奈川県/34歳)

【資格取得後の想定不足】
◎医療事務の勉強をして資格を取りました。自信は持てたものの、思っていた以上にお仕事がなく給与も少なかった。資格を取る時は、収入や仕事内容などを事前に調べたほうがいいと思った。(大阪府/40歳)


【調査概要】
調査方法:インターネットによるアンケート
調査対象:「エン派遣のお仕事情報」利用者 2,808名
調査期間: 2014年10月23日~2014年11月26日

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