3Dプリンタ世界市場に関する調査 2014 

2014年11月17日
矢野経済研究所は、世界の3Dプリンタ市場の調査を実施した。

<3Dプリンタとは>
本調査における3Dプリンタとは、3次元データをもとに樹脂や金属などの積層によって、立体物を造形する装置を指し、主な製品タイプとしては造形方式や使用する素材の違いにより、熱溶解積層方式、光造形方式、粉末焼結方式、インクジェット方式などがある。
また、3Dプリンタの主な需要分野としては、デザイン・設計検討、検証等の試作品造形や補修部品・生産打ち切り品等の最終製品造形に利用する工業・研究分野、ビルや住宅の模型等に利用する建築分野、矯正治具や義手・義足、補聴器、歯科インプラント等に利用する医療・福祉分野、工業系や美術系の大学や専門学校、高校など教育機関で利用する教育分野、ホビーや玩具等で利用するコンシューマ・SOHO分野などがある。

【調査結果サマリー】

◆世界の3Dプリンタ市場は2017年に32万台へ拡大と予測

2013年の世界の3Dプリンタ出荷台数は7万台(事業者出荷数量ベース)であった。クラウドファンディングなどによる新規参入事業者の増加でコンシューマ向け3Dプリンタ装置の価格競争が進むことや、欧米を中心に3Dプリンタに対する国の金銭的支援、旺盛な3Dプリンタ利用に向けた教育、また最終製品の造形などが活発に進展していることなどから、2013年から2017年までのCAGRは46.2%で推移し、2017年の同出荷台数は32万台(同ベース)に拡大すると予測する。

◆2013年の国内3Dプリンタ市場は3,600台、2014年から本格導入のステージへ
2013年の国内3Dプリンタ出荷台数は3,600台(事業者出荷数量ベース)であった。2014年に入りコスト削減、納期短縮などといった3Dプリンタの特長を評価した本格的な導入が増加基調にあることから、2014年の同出荷台数は前年比172.2%の6,200台(同ベース)になると予測する。

◆2017年の国内3Dプリンタ市場は2万2,000台に成長と予測
2013年下半期以降、2Dプリンタメーカーの3Dプリンタ市場への新規参入が相次いでいることなどから、市場は活発化している。国内の3Dプリンタ市場拡大への貢献が期待されているのは教育・医療・航空宇宙分野などで、教育分野はコンシューマ向けの、医療・航空宇宙分野においてはハイエンドの装置導入が進むと考える。これらを背景に2013年から2017年までのCAGRは57.2%で推移し、2017年の国内3Dプリンタ出荷台数は2万2,000台(事業者出荷数量ベース)に達すると予測する。


【調査概要】
調査期間:2014年7月~10月
調査対象:3Dプリンタメーカー、販売代理店、造形サービス事業者、ソフトウェア関連企業等
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査併用

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[矢野経済研究所]
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