世界最大規模の旅行動向調査「トリップバロメーター」(旅行者の心理に注目) 

2014年09月25日
旅行口コミサイト「TripAdvisor」 (トリップアドバイザー)では年2回、世界最大規模の旅行動向調査「トリップバロメーター」を発表しています。本年2回目となる今回は、旅行者の心理に注目し、「トリップバロメーター 旅行者の心理」と題して調査を実施しました。

【主な調査項目】
1. 旅行に行く動機
2. 旅行の各フェーズにおける旅行者の気持ち
3. 旅行がもたらす影響、旅行後の日常生活の変化

【調査概要】
・実施機関:調査会社Ipsosがトリップアドバイザーの委託を受けて実施
・集計期間:2014年7月17日~8月5日の間にオンラインで実施
・対象国・地域:世界7エリア・32の国と地域
・対象者:世界の一般消費者39,721名と宿泊施設代表者14,083名の計53,804名
(うち、日本の一般消費者は1,963名、宿泊施設代表者158名の計2,121名)
・特記事項:前回の調査結果との整合性を図るため、調査データには世界のオンライン人口比を、全体、及び各国・地域別にも加重

【調査結果】

●旅行に行く動機

旅行に求める要素
自由・解放 =人生を思う存分楽しむ + 心配事を忘れて心からくつろぐことができる
浸ること =現地の生活や文化に溶け込む + 新しい人たちに会って思い出を作る
関係 =大切な人たちと一緒に特別な時間を楽しむ + 身近な人たちとの関係を深める
協調 =調和とバランスの感覚を回復させる + 気配りをされていることを感じる
秩序 =人生について考え、コントロールする力を取り戻す + すべての手配が整っていて、あわてる必要がない
視野を広げる =ユニークで興味深い体験を得る + 知識を広め、世界に対する理解を深める
豪華・贅沢 =うらやましがられるような体験をする + 自分は特別な存在であると感じ、気ままな時間を過ごす
興奮 =うきうきとした気分にしてくれる + 何か新しいことに挑戦する気にさせる

世界の旅行者は、71%が「視野を広げる」ことを旅行の主な動機として選択しており、次いで「自由・解放」(62%)を挙げています。一方、日本の旅行者は、70%が「自由・解放」を、66%が「視野を広げる」こと、52%が「興奮」と回答しました。「興奮」の項目については、日本人は世界で一番高いスコアを出しており(52%)、次いでトルコ(48%)、中国(44%)という順でした。

●旅行に行く動機 世界と日本の比較
自由・解放
世界 62%
日本 70%

浸ること
世界 47%
日本 39%

関係
世界  47%
日本 41%

協調
世界 21%
日本 18%

秩序
世界 21%
日本 26%

視野を広げる
世界 71%
日本 66%

豪華・贅沢
世界 22%
日本 11%

興奮
世界 31%
日本 52%

2) 旅行の各フェーズにおける旅行者の気持ち 世界と日本の比較
今回のトリップバロメーターでは、旅行における5つのフェーズ(予約、到着、滞在、出発、帰宅)において、どのような気持ちになるかを尋ねています。世界の旅行者の傾向としては、予約から旅先への到着時にかけて「興奮」がピークに上り、自宅へ向けて出発する時に一番「満足」するという結果が出ています。

興味深いポイントとして、日本人は予約時に最も「興奮」すると回答しており、その割合は77%に上ります。これは、世界平均の54%と比較してもかなり多いと言えます。予約時の「興奮」度合が高い国は、ブラジル(68%)、オーストラリア(66%)が続きます。

日本人は、旅先へ到着時にも「興奮」を感じており、到着時の「興奮」世界平均は54%に対し、74%と予約時に引き続き高い割合を示しています。この興奮度合は到着時をピークに旅行の終了に向けて徐々に低下し、帰宅時には3%にまで落ち込みます。世界平均の帰宅時の「興奮」は9%であるのに対して、日本人の帰宅時の「興奮」度合は世界の中で最も低くなっています。

「安心」に関する結果も興味深い曲線を示しています。予約時に安心感を得る日本人はわずか9%ですが、無事に到着し予約が問題なく取れていたことが判明することもあってか、到着時には、より多くの人(15%)が安心するようです。滞在中に安心感を得る日本人はわずか8%に留まる一方で、自宅に向け出発する際には30%まで戻り、帰宅すると「安心」感を覚える日本人は56%に達します。これは世界平均(29%)を上回り、調査対象国の中で最も高くなっています。

3) 旅行がもたらす影響、旅行後の日常生活の変化
旅行の思い出としてお土産を買うことがありますが、旅行は終わった後でどのような変化をもたらしてくれるでしょうか。旅行から戻った後、普段の生活にどのような影響があるかを尋ねたところ、世界の旅行者の66%、日本人も52%が「次の旅行の計画を立てた」と回答しました。ひとつの旅の終わりは、また次の旅へと気持ちを掻き立てます。同時に、3人に1人は旅行から帰ってくると言語など「新しいことを学んだ」と回答しました(世界の旅行者37%、日本人旅行者39%)。旅行は新しいことを始めるきっかけとなりそうです。

特筆すべきは、旅行から帰って来た後に「他人に対する偏見がなくなり受け入れられるようになった」と回答した人が、世界の旅行者では45%であるのに対し、日本人では23%に留まっている点です。同様に、「自分が住んでいる街を以前よりも認識し、あちこち行ってみた」(世界34%、日本24%)、「環境への意識が高まった」(世界31%、日本22%)も、世界と比較して低いスコアとなりました。

世界の宿泊施設側に、宿泊後にお客様へコンタクトする目的を尋ねたところ、過半数にあたる57%がオンラインの口コミサイトへの投稿を、28%が家族や友人にその施設を勧めてもらうようにしていることも分かりました。前述の通り、旅行者は帰宅すると新たな旅行の計画を立てる傾向にあることから、宿泊施設のこのような動きは非常に賢明であると言えます。

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[PRTIMES]
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