世界の都市総合力ランキング(2014年版) Global Power City Index 

2014年10月09日
森記念財団 都市戦略研究所が、2008 年より調査・発表している「Global Power City Index」(GPCI)の2014年版を発表。
世界の主要 40 都市を対象に、都市の総合力を評価している日本初のランキングで、国や都の政策評価としても活用されています。本年度の総合ランキング上位に大きな変動はなかったものの、ロンドンが躍進し 2 位との差をさらに拡大。4位の東京は、外国人旅行者数の増加などにより文化・交流分野において順位を向上させています。

【主な調査結果】

昨年に引き続き、総合ランキングで 1 位となったロンドンは、さらにスコアを伸ばし、2 位のニューヨークとの差を拡げた。
ロンドンは経済分野と居住分野におけるスコアをさらに改善し、他の分野でも高水準を維持した。最も強みとしている文化・交流分野では、海外からの訪問者数、美術館・博物館数などの指標を伸ばしたことで、その地位を盤石なものにしつつある。

東京は昨年に引き続き 4 位となったが、弱みであった文化・交流分野においては 8 位から 6 位へと上昇した。これは、外国人旅行者数の大幅な増加等によるものである。
2013 年には東京における外国人旅行者数が 680 万人を超え、海外からの訪問者数が向上したことに加え、国際コンベンション開催件数、ユネスコ世界遺産、ハイクラスホテル客室数などの指標も東京のスコアを押し上げたといえる。東京は、「市場の魅力」や「交通利便性」などの指標グループにおいて弱みを抱えているが、今後は五輪開催を契機とした都市力向上の動きが期待されており、将来的に総合ランキング 3 位のパリを抜く可能性がある。

総合ランキング上位のシンガポール(5 位)とソウル(6 位)が、いずれも昨年に続きスコアを上昇、東京(4 位)との差を縮めた。
シンガポールはコンテンツ輸出額、ソウルはユネスコ世界遺産の指標を伸ばすなど、両都市ともに、文化・交流分野のスコアが上昇している。

今年初めて調査した都市の「感性価値(人の感性に訴える力)」を加味したランキング(GPCI+)では、東京が総合ランキングで 3 位となった。
東京は、感性価値指標である公共の場における安心感、住民の親切さ、国際空港の定時運航率、移動の快適性に関して高い評価を得た。これは、東京が安全・安心の面で優れていることや、「おもてなし」の言葉に代表されるようなホスピタリティ、また、公共交通の正確性が優れていることを示しているといえる。


世界の都市総合力ランキングとは
「世界の都市総合力ランキング」(Global Power City Index)は、地球規模で展開される都市間競争下において、より魅力的でクリエイティブな人々や企業を世界中から惹きつける、いわば都市の“磁力”こそが「都市の総合力」であるとの観点に立ち、世界の主要都市の総合力を評価し、順位付けしたものである。なお、都市別の指標や分析についてより詳細に掲載した「GPCI-2014YEARBOOK」を 2014 年 12 月刊行予定。

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[森記念財団]
 マイページ TOP