2015年卒マイナビ企業新卒内定状況調査 

2014年09月26日
マイナビは、国内企業を対象に実施した2015年卒の新卒者採用に関する「2015年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」(2,195社回答)の結果を発表。

【調査結果】

■【充足率】採用充足率は83.0%と過去10年間で最低。採用増を目指すも、内定者数は前年入社実績数にも届かない状況

調査時点での採用充足率は新卒全体で83.0%(対前年度比2.0pt減)となり、過去10年間で最も低い数字となった。非上場企業では78.3%(対前年度比0.1pt増)となり、前年と同じく厳しい見通しだ。特に、業種別では小売(75.8%)、サービス・インフラ(76.4%)、建設(77.4%)で充足率が8割を切った。それに伴い採用活動が「前年に比べて長期化した(する)」という回答も全体で26.9%と高くなっている。
また、今年度の募集人数平均、及び調査時点の内定者数平均を、前年度の入社実績数平均と比べたところ、全体で14.3%の採用数増を目指して募集を行ったにも関わらず、調査時点での内定者数は、前年度入社実績数にも届かない状況(調査時点で6.1%減)であることがわかった。企業側にとって非常に厳しい採用活動だったと言える。業種別で見ると、内定者数が前年度の入社実績数より1割以上少ない小売(12.9%減)、サービス・インフラ(10.7%減)などでは、前年度に比べ採用増を目指しているが、最終的には採用減に終わる可能性も出てきた。
内定者への満足度では、「質・量ともに満足」とした企業の割合は33.0%(対前年度比4.4pt減)と、リーマンショック以前の採用意欲が高かった時期(2006年卒~2009年卒頃)に匹敵する低い数字となった。業種別では、満足度が比較的高いマスコミ(54.9%)、建設以外の製造(42.0%)と、満足度が低い建設(19.3%)、小売(17.5%)に分かれた。

■【採用活動の印象】採用活動が「前年より厳しかった」という回答が半数超。厳しかった理由は「辞退の増加」が対前年度比7.9pt増加の45.6%

採用活動の印象は、「前年より厳しかった」が53.2%(対前年度比17.0pt増)と過半数を超え、「前年並みに厳しかった(37.8%)」を加えると、「厳しかった」という回答は91.0%(対前年度比4.9pt増)となった。
厳しかった理由では「母集団の確保」が63.0%(対前年度比11.1pt増)と大きく増加し、前年に引き続きトップとなった。前年は2番目に多かった「学生の質の低下」は37.7%(対前年度比6.8pt減)と減少し、代わって「辞退の増加」が45.6%(対前年度比7.9pt増)となった。上場企業では「辞退の増加」は55.8%(対前年度比12.0pt増)と半数を超え、業種別では金融(55.4%)、小売(51.2%)、建設以外の製造(51.1%)が半数を超えた。

■【内定を出す基準】「前年より基準を緩くした」が「前年より厳しくした」を7年ぶりに上回る


内定を出す基準は「前年より緩くした」(11.4%、対前年度比5.1pt増)が増加し、2008年卒以来7年ぶりに「前年より厳しくした」(8.8%、対前年度比2.3pt減)を上回った。業種別で見ても、ほとんどの業種で「緩くした」が「厳しくした」を上回っており、特に小売(20.9%)、建設(17.0%)、ソフトウエア・通信(16.2%)で高い割合となっている。ただし、建設以外の製造では「厳しくした」割合(11.4%)の方が「緩くした」割合(5.9%)よりも高い結果となった。

■【選考・内定辞退率】選考辞退率が「前年度より高かった」企業は前年度比10.6pt増加して33.9%。内々定後の辞退率も「前年より高かった」が前年度比6.6pt増の34.8%

選考途中の辞退率は「前年より高かった」と回答した企業が、対前年度比10.6pt増の33.9%と大きく増加した。選考途中の辞退率が3割を超える企業は全体の23.6%、上場企業では26.1%だった。これらの数字を見ると、内々定前の段階での面接合格者に対するフォローの重要性が高まっていると言える。
内々定後の辞退率も「前年より高かった」が34.8%(対前年度比6.6pt増)と増加し、「前年より低かった」(25.1%、対前年度比2.5pt減)を上回った。業種別で見ると、内々定辞退率が「前年より高かった」と回答した割合は、建設(42.6%)、小売(42.0%)で特に高くなっている。内定辞退率が3割以上の企業の割合は、小売の62.5%が突出しているが、サービス・インフラ(47.7%)、ソフトウエア・通信(46.4%)、建設(46.3%)でも5割近い数字となっている。

■【2016年卒の採用】「今年度より厳しくなる」という回答が9割超。エントリー受付を3月以降とする企業は55.5%と、政府要請等を受け入れる姿勢が浸透

次年度(2016年卒)の採用活動については、「非常に厳しくなる」(37.8%)と「厳しくなる」(52.4%)の合計が90.2%(対前年度比29.8pt増)に達した。今年度の厳しい採用環境に加え、スケジュール変更により採用動向の予測が立てにくいことによる不安感が影響していると考えられる。次年度の採用数は、「増やす(大幅+多少)」(15.5%、対前年度比2.2pt増)が「減らす(大幅+多少)」(7.1%、対前年度比2.6pt減)を上回る差が前年度より大きくなった。しかし、前年同様に約8割の企業は「今年度並み」(77.5%、対前年度比0.5pt増)と回答した。業種別では小売(「増やす」23.7%、「減らす」3.6%)、サービス・インフラ(「増やす」20.7%、「減らす」6.4%)で「増やす」が「減らす」を大きく上回るなど、次年度にさらに採用意欲が高まる様子がうかがえた。
政府要請等による次年度の採用スケジュール変更への対応については、「エントリー受付は3月1日以降に行う予定」という回答は、前回調査(『2016年卒採用等に関する企業調査』今年5月実施)から7.4pt増加の55.5%となり、変更を受け入れる姿勢が浸透しつつある。しかし「選考は8月1日以降に行う予定」とした企業は前回5月の調査より6.6pt減少し、19.8%に留まった。ただし、選考活動開始は「まだ決まっていない」と回答した企業がほぼ半数(49.5%、前回調査から2.6pt減)という状況は変わらず、いまだ流動的と見られる。


【調査概要】
調査方法:回答用紙を郵送後、WEBまたはFAXにて回答受付
調査期間:2014年8月1日(金)発送、8月29日(金)受付締切
アンケート送付対象:国内企業8,000社  回答数:2,195社
(回答内訳:『上場企業』460社、『非上場企業』1,735社/『製造業』758社、『非製造業』1,437社)

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