小規模市町村における移住・定住の要因と生活状況に関する調査 

2014年07月08日
NTTデータ経営研究所は、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが提供する「NTTコム リサーチ」登録モニターのうち4万人以下の規模の市町村在住者を対象に、「あなたのお住まいの地域と生活に関するアンケート調査」を実施。

日本全体が人口減少時代に突入し、特に地方における過疎化・高齢化が急速に進む中で、住民が定住、あるいは移住者が転入する要因を調査し、地域社会が持続可能となる条件を分析することが必要だと考えられます。
そこで本調査では、特に存続が危ぶまれる小規模市町村の対策を考えるため、アンケートを実施し、「小規模市町村における移住・定住の要因と生活状況に関する調査」を解明すべく分析を行いました。

【主な調査結果】

1.市町村規模が小さいほど同じ地域で暮らし続けている人の割合は少ない
4万人以下の市町村において、地域から長期間離れて生活したことがない人は約40%であり、Uターン者の割合は30~40%である。しかし、特に市町村の人口規模が小さくなるほど同じ地域で暮らし続けている人の割合は少なく、Uターン者が多い。

2.Iターン・Uターンのきっかけは「仕事」、「勧誘」、「自然環境」

Iターン・Uターンのきっかけは、「希望する仕事の募集があったから」が20.5%で最も多く、「地域(自治体・住人・家族等)からの勧誘」が18.2%、「自然環境などに惹かれて自ら希望した」が13.2%で多かった。 Iターン・Uターン者誘致のためには「仕事」も重要であるが、地域からの勧誘という「熱意」や、「自然環境の良さのアピール」などの姿勢が必要であることが分かった。

3.移住定住施策で最も効果があると回答されたのは、「子育て支援(保育園整備、保育料軽減、医療費支援、出産祝い金等)」
現在実施されている移住定住施策と、実際に有効あるいは今後導入すべきだと思う移住定住施策の両者で最も多く、約3割から支持されたのは「子育て支援」であった。次いで、医療機能整備、観光交流等であった。

4.現在よりもさらに推進することが期待された移住定住施策は、「場所を選ばない職業スキル所持者の誘致」、「飲食店の振興」、「情報発信」、「就労支援」
現在よりもさらに推進することが期待された移住定住施策は、「芸術家・ITビジネス・クリエイター等場所を選ばない職業の誘致」、「レストラン、カフェ、スィーツなど飲食店の振興」、「情報発信(メディア、WEBサイト、ポスター、移住フェア等への出展など)」、「就労支援(職業研修制度等)」であった。

5.「幸せ」と感じる人は市町村規模が大きくなるほど増加傾向
幸せであるとの回答は町村部で少なく、市の規模が大きくなるほど増加する傾向が見られた。
女性よりも男性の方が地域愛が強い、20代前半から後半が地域愛に対する思いが二分される、年収が高いほど地域愛が強い等の傾向もみられた。特に20代前半における地域とのつながりがその後の地域愛に影響する可能性があるため、対策を講じることが定住者の増加につながるのではないかと考えられる。

6.食事や居住環境や睡眠時間などの満足度が高く、交通や収入・経済的なゆとりについて不満が多い
生活における満足度では、食事に関する満足度が高く90%が普通以上であった。一方、交通面や経済面では不満からやや不満が半数以上となり、満足度が低い傾向が見られた。

7.買い物は地域内の大型スーパーやコンビニが多く、個人商店や直売所・道の駅は少ない
買い物は市町村内の大型スーパーで購入しているとの回答が多く、週に一回以上利用している人が65%であった。また個人商店をほとんど利用しない人は約6割、直売所・道の駅を利用しない人は約半数であった。

8.世帯収入が多いほど、自給自足・お裾分けなどの実施が多い
小規模市町村では世帯収入が低い人は自給自足・お裾分けなどで豊かに暮らしていけるのではないかという仮説に対し、世帯収入が多いほどその割合が高いという結果であった。


【調査概要】
・調査対象: NTTコム リサーチ クローズド調査(*1) 20代~50代以上の男女、町村または4万人以下の市居住者
・調査方法: 非公開型インターネットアンケート
・調査期間: 2014年1月27日~2014年2月6日
・有効回答者数: 1,050人

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[NTTデータ経営研究所]
 マイページ TOP