「経費削減アンケート」調査 

2014年08月11日
東京商工リサーチでは、全国の企業を対象に「経費削減策」についてアンケート調査を実施した。
今回のアンケートで、消費税増税後に新たな経費削減に取り組んでいる企業は半数(構成比53.5%)を占めた。経費削減の対象は、2社に1社が「水道光熱費」をあげ、中でも電気代の節約が目立った。
業績回復が二極化するなか、赤字企業の約6割が経費削減に取り組む一方、黒字企業は約5割と若干の温度差がみられた。震災の影響が残る東北は約6割が経費削減に取り組み、他地区より高い結果となった。

※本アンケートは2014年7月4日~17日にインターネットを通じて実施し、3,634社から有効回答を得て集計した。

【調査結果】

半数が新たな経費削減に取り組む

回答を得られた3,634社のうち、消費税増税後に新たな経費削減に取り組んでいる(検討中を含む)企業は1,946社(構成比53.5%)、取り組んでいない企業は1,688社(同46.4%)だった。バブル崩壊以降、収益確保のための経費削減は、経営努力の一環として徹底されてきた。しかし、半数以上の企業が消費税増税の対抗手段として、さらなる経費削減を進めていることがわかった。

経費削減対象の最多は「水道光熱費」

消費税増税後に経費削減に取り組んでいる1,946社の削減対象は、「水道光熱費」が1,007社(構成比51.7%)で最多だった。次いで、「接待交際費」が816社(同41.9%)、「その他」が718社(同36.8%)、「人件費」が647社(同33.2%)の順(複数回答あり)。「水道光熱費」の具体的な削減策は、「照明器具をLEDに切り替える」や「昼休みの消灯」「空調使用の時間制限」など電気代に関するものが目立った。また、「接待交際費」は「予算や回数を減らす」、「人件費」では「人員削減」や「役員報酬の減額」「残業の減少」が多かった。
「その他」では「運送費」「交通費」「燃料費」「通信費」などが目立ち、「信号待ちはアイドリングストップなどエコ運転の徹底」「エコカーへの切り替え」「高速道路を使わない」などが61社(同3.1%)あった。また、「経費すべて」や「削減できるものは何でも」といった涙ぐましい努力もあった。

経費削減 4割の企業が数値目標を設定

消費税増税後に新たに経費削減に取り組んだ1,946社のうち、目標を「設定している」は718社(構成比36.9%)だったのに対し、「設定していない」は1,226社(同63.0%)と、設定していない企業が多かった。未回答は2社(同0.1%)だった。目標を設定していない企業では、「経費削減には限度がある」「経費削減より売上拡大が優先」などの回答が挙がっている。
目標を設定している718社のうち具体的な数値目標を回答した710社では、削減率「10%未満」が354社(同49.8%)で最多だった。次いで「10%以上30%未満」が307社(同43.2%)、「30%以上」が49社(同6.9%)の順で、実現可能な数値を目標に設定している。
経費削減に取り組んだ感想として、良かったことは「経費削減が目に見えて進んだ」が837社、「会社・従業員の士気が向上した」が457社だった。一方悪かったことは、「思うように削減が進まなかった」が750社、「士気が下がった」が152社だった。(複数回答あり)
ほかに、「社員のコスト意識が高まった」「経費削減は限界」、「他社の削減例を知りたい」といった回答もあった。

<各分類別>

売上高別 1億円未満は6割が取り組む

従業員数別 5人未満がトップ

資本金別 小規模ほど経費削減に積極的

産業別 運輸業と不動産業が6割以上

損益別 赤字企業の6割が取り組む

地区別 東北が唯一6割を上回る


その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[東京商工リサーチ]
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